この間、湘南サニーサイドマリーナ(株)を批判してきた理由

 ある市民から次のようなメールを頂いた。 「サニーサイドマリーナの件、ブログで拝読させていただきました。法律についてまったくのド素人なのですが、もし違法性があるなら警察に任せて、政治家の方には、政治の分野でより横須賀をよくする活動をしてほしいなと思いました。寒くなってまいりました。お体に気を付けて活動ください。」  「みんなの利益(これを公益と呼ぶ)を実現するのが政治であり、私は今まさに政治の分野で活動を頑張っている。警察は我々政治家の作ったルールの下で公益を実現するための一機能である」旨のお返事をしたが、多分それでは疑問や関心に応えていないと思う。  そこで、なぜ私がこの間、同社を執拗に批判してきたかを丁寧に説明したい。  同社は12/17に市へ係留施設の占用申請書を提出した。  これが認められてしまうことは、不法業者を後付けで認めることとなるため、行政機関としてはやってはいけないし、ルールが歪められることになる。  そのため、何としてでも申請に対し占用許可を出させないことが大事だと考えた。  そこで、大きく2つの手法をとることとした。  第一に、市に同社の問題点を情報提供することだ。同社は、不法埋立の他に天然記念物の破壊も行っていたため、その情報提供をしてきた。  第二に、市民にこの問題をお知らせして、世論を喚起することだ。市民の関心が高まれば、市長もおいそれと占用許可を出せないだろうと考えた。  この2つ目の理由のために12月後半、タウンニュース、Blog、F…

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湘南サニーサイドマリーナによる環境保護区破壊

 「出るわ出るわ」というのが正直な感想です。  地元漁業者の「あそこって自然保護区なんじゃねえの?」という素朴な声を受けて、本日、神奈川県教育委員会教育局生涯学習部文化遺産課に行って、天然記念物である天神島と笠島の自然保護区エリアと大楠漁協による浚渫エリアを地図で見比べてみました。すると、まさかの話ですが、自然保護区の海を掘っていたことがわかりました。しかも、県もそれを許可し、市も許可してしまったことがわかりました。  つまり、県と市と事業者が「ついうっかり」環境破壊をしたようです。  問題が次から次へと出てくるので、一人では追いきれませんので、市議会全体として扱うことを提案していきたいと思います。

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明日発売の週刊新潮が湘南サニーサイドマリーナ(株)の不法行為と国県市の忖度をスクープ

※本記事は、裁判所の決定により、不法海洋投棄疑惑を記載した箇所を後日に削除していますのでご容赦ください。詳しくは『湘南サニーサイドマリーナ(株)に完全勝訴!』でご説明しています。 ※裁判所の決定により、この箇所に不法海洋投棄疑惑を記載した文章は削除することとなりました。この記事については、ほとんど削除となった点、ご容赦ください。 ※なお、表題件の『週刊新潮』は2020年12月24日号でした。

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湘南サニーサイドマリーナ(株)による不法行為の告発

 表題件について、ある市民からの通報を受けた横須賀市民オンブズマンから依頼を受け、共同で調査した結果、芋づる式に数々の不法行為が明らかになった。とりわけ、芦名漁港を不法占拠した無許可の係留施設整備は現在も進行中だ。  本件については、ある漁業関係者から聞きつけたと見られる週刊誌から先に取材を受け、木曜日にスクープが予定されている。発売時にはまた報告するので、ぜひお買い求め頂きたい。  また本日、横須賀市民オンブズマンと被害を受けた近隣住民による記者発表も行われた。この記者発表の際の基礎資料は私が準備し、市民に公開すべきものであると考えるため、ここに共有する。  →ShonanSunnySideMarinaProblem20201215.pdf  ※ただし、参考資料については必ずしも情報提供者の同意が取れていないため、一般公開はしない。また、関係者に関する公開されていない情報は黒塗りにしている。

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漁港をボートパークに活用しよう!

※本記事は、裁判所の決定により、不法海洋投棄疑惑を記載した箇所を後日に削除していますのでご容赦ください。詳しくは『湘南サニーサイドマリーナ(株)に完全勝訴!』でご説明しています。  ある市民から提案を受けた。  「漁業者も減っているので、北下浦漁港は余裕があるようだ。下浦では、ウィンドサーフィン・ワールドカップも開かれ、SUPも人気だ。数年前にホテルもオープンし、マリンレジャーに活用されている。ついては、北下浦漁港の一部をボートパークに転用して、プレジャーボートなどを泊められるようにしてはどうか?」  これは、いい提案だと思った。 (1)国民の税金を使って整備した漁港施設の有効活用 (2)市が進める「観光立市宣言」にも資する (3)市長が掲げる3構想のうち「海洋都市構想」と「音楽・スポーツ・エンタテインメント都市構想」にも合致  市がやらない理由が全く見つからない。  そこで、現在の漁港の利用状況を調べた。  水産振興課の担当者に数字を聞いたらすぐに資料を用意してくれた。 ※2019年港勢調査から横須賀市が抽出した情報をもとに横須賀市議会議員小林のぶゆき作成 ※北下浦漁港には三浦市の漁業者分は含まず  北下浦漁港の三浦市分はわからないが、横須賀市分はかなり人数が少ないのがわかる。登録してある組合員数よりも、実稼働している漁業者数はかなり少ないのが通例なので、実際にはもっと少ないだろう。  そして、確認したところ、既に佐島漁港ではマリンレジャーへの転用実績が…

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横須賀市長の県市協退会をめぐる問題点を整理

 今年8月、上地市長の判断で横須賀市役所は県市協(神奈川県基地関係県市連絡協議会)を退会しました。これは、大きな驚きをもって各紙で報じられました。  本件について、何人もの議員が議会で質疑をしたところ、上地市長からは数々の問題答弁が飛び出してきました。そのため、論点整理をし、県庁の記者クラブで記者レクをすることとしました。その模様は、いくつかのメディアでも取り上げられました。 →『「横須賀市は県市協に復帰を」市民グループ、知事に要請』神奈川新聞2020年11月26日(木)版  私は当日、議会の説明会が入っていて同席できませんでしたし、復帰要請には加わりませんでしたが(議員は市長に指図する立場であり、要請する立場ではないと考えていますので)、記者レクに使った論点ペーパーを一緒に作って名を連ねた立場です。  問題点がわかりやすくまとまっていると思いますので、市民のみなさまにも共有します。  →PDFはコチラ  以下にも全文を貼り付けておきます。 2020年11月25日 上地克明 横須賀市長による県市協(神奈川県基地関係県市連絡協議会)退会をめぐる論点整理 ~9月定例議会から見えてきたもの~ 市民と市議の基地問題懇談会 呼びかけ人 新倉裕史(非核市民宣言運動ヨコスカ) 井坂直(横須賀市議・日本共産党) 大村洋子(横須賀市議・日本共産党) 木下義裕(横須賀市議・立憲民主党) 小林伸行(横須賀市議・無所属) 小室卓重(横須賀市議・神奈川ネットワーク運動) ねぎしかずこ(…

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中学校の制服、高すぎません? ~ジャージだけじゃダメですか?~

 「中学校の制服代が高い!」  そんな声を何度か聞いていたので、一度、きちんと価格等について調査をすべきだと思っていた。  コロナ禍で余裕ができたので思い立って3月9日に資料照会等依頼書をかけた。  コロナ対応で中学校は忙しかったそうで、その結果が11月17日に出てきた。仕事を増やして申し訳なかったが、大事な話だと思うので、対応して頂いた職員の方々には心から感謝している。  結果の概要が右上の表だ。結論から言えば、確かに高いと感じた。  なお、基になった制服の各物品の単価を記載した詳細表も検証可能性のために共有しておく。  →YokosukaJuniorHighSchoolUniform2020(PDF)  →YokosukaJuniorHighSchoolUniform2020(Excel)  まず、制服を英語で言うとUniformだ。ユニフォームは標準服系の他にジャージ系もある。そのため、両方を対象とした。  今回は、「入学時に一体いくらかかるのか?」という観点で計算した。  そこで、標準服系は各1点ずつ、ジャージ系は各2点ずつ購入すると想定して計算した(実態と違うようなら、お教えください)。  いわゆる男子用の最高額は不入斗中の69,934円、いわゆる女子用の最高額は岩戸中の73,700円となった。最低額は、男女とも5万円台前半の常盤中となった。高い学校と安めの学校とで2万円前後の開きがあった。 ※2020/11/21追記 なお、既製品と特注品で有意な価格…

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中学生のみなさん、合格発表は一人ずつがいいよね?

 過去記事『第1回「ブラック校則」ランキング ~謎ルールNo.1はどの中学校か?~』に対して、次のような声を頂いた。 「校則ではない謎ルールとして、横須賀市立中学校では公立高校の合格発表を集団で確認させに行くというものがある。高校別にグループ分けして行くが、何人かで行けば当然ながら不合格の生徒も出る。不合格の生徒は、合格の生徒に囲まれていたたまれない気持ちになるはずだ。合格した生徒も、不合格の生徒の手前、素直に喜べないし、合格して申し訳ないような気持にもなる。私立ならば、郵送されたり掲示板に張り出されたりインターネットで番号を見られたりするのでこうした問題は聞かない。何とかしてあげられないのか?」 というものだ。  私はもっともだと思ったので、横須賀市教育委員会に確認したところ把握していないという。  「調査結果は報告するから、各学校に電話で聞いていいか?」と言うと教育委員会の担当者も良いというので、大学生研究員に電話調査してもらった。  その結果、合格発表を集団で受け取りに行かせるのは、市立中23校中19校だった。  残りの4校は、願書だけは集団で出しに行かせるが合格発表は個人で行かせるのが2校。願書も合格発表も個人で行かせるのが2校だった。  私は、願書を集団で出しに行かせるのは一定の合理性があると思うので学校ごとに対応が分かれていいが、合格発表は個人で行かせるべきだと思う。これは、次の議会で提起するつもりだ。  なお、そもそも合格発表の書類を学校まで取りに行か…

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今のままなら要らない横須賀市議会 ~定期フェリー就航問題の解決は議会の仕事だ~

 横須賀市議会では昨年度、市民にお願いしてアンケート調査をした。その結果を、「市議会アンケート調査報告書」として3月に発表した。  各種メディアでも取り沙汰されている北九州港との定期フェリー就航を考えながら、この結果を改めて見返してみて、議会の責任感について思うところがあったので、以下書き出す。 ●定期フェリー就航問題ってどういうもの?  この問題については、タウンニュース横須賀版が精力的に報じているので、背景が知りたい方は下記記事を参照されたい。 ●「横須賀港 新フェリー航路 港運関係者『ふ頭の安全性に不安』」2020/2/7 ●「横須賀港 新フェリー航路「ふ頭共用」港湾事業者が反発」2020/9/11 ●「フェリー新航路開設「説明会の開催」近隣住民が要望」2020/9/25 ●「『ふ頭の在り方』説明責任は」2020/10/2 ●横須賀港運協会 意見広告「市民ファーストはどこに」2020/10/9 ●「横須賀港新フェリー航路 近隣住民も反発」2020/10/16 ●「横須賀港利用の事業者 荷捌き地使用を求めて提訴」2020/10/23 ●市議会アンケートはどういう結果だった?  次に市議会アンケートの結果だが、50ページの報告書を読むのは疲れると思うので、概要をご紹介しよう。 「あなたは市議会に関心がありますか?」  →「関心がある」35%/「関心がない」39%  関心がない理由  「何をしているのか全く分からないから」64%  「議員とかかわりがないか…

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第1回「ブラック校則」ランキング ~謎ルールNo.1はどの中学校か?~

 横須賀市立の中学校について、校則を公開し、比較してみました。  ぜひ、中学生や保護者のみなさんは「こんな校則はおかしい」「書いてないけど実際にはこんなルールもある」「運用ではこんなに厳しくないから、実態に合わせて校則を変えたほうがいい」などなど、ご意見頂けると助かります。次の議会で質疑する予定です。 ●一挙公開、横須賀市立中学校の校則  3月に議会から資料照会依頼をしたが、なかなか出てこなかったので4月に情報公開請求をかけた。その結果、6月に出てきた中学校23校の校則の文書がコチラだ。一挙公開する。  →YokosukaSchoolRules20200609.pdf  なお、この着想はパブラボ掲載の鈴木恵・浜松市議の記事と彼女を囲んだ勉強会で得たものだ。この場を借りて、改めて御礼申し上げる。  ただし、学校によって書式も分量も異なるため、これを要素に分けて比較することとした。NPO法人ドットジェイピーという政治家インターン派遣団体から来た2名の大学生が夏休みに全校の校則を読み込んで苦労してベンチマーキングしてくれた結果がコチラだ。  →YokosukaSchoolRules2020.xlsx  情報量が多いので、この表から情報を抜き出して、わかりやすくランキングにしてみた。 ●発表! 第1回「ブラック校則」ランキングの結果は?  まずは、謎ルールが多い中学校を挙げる、「ブラック校則」ランキングだ。  第1回調査の栄えあるワーストNo.1は、鴨居中となった。  …

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オジサン化した地方議会と横須賀市議会

 データ分析から見えてきたのは、私のような40歳以上男性が8割を占める「オジサン化」した地方議会の姿と、法律を守れていない各党の姿だ。  以前、「オッサン職場、市役所に女性幹部のクオータ制を。」という記事を書いたが、「オジサン化」しているのは市役所だけではない。議会も同じだ。  2018年5月に「候補者男女均等法」が施行され、各政党に、候補者に占める女性割合を均等にする努力義務が課された。自分たちの国会議員が全会一致で議決した法律だが、守られたのだろうか? ●横須賀市議会の状況  2019年の市議選で選ばれた横須賀市議は40人。うち、女性は4名で10%となる。  最も女性比率が高いのは、神奈川ネットワーク運動の100%。国政政党ではないため同法の対象とならないのに優秀だ。次に、共産党の67%だった。  一方、自民党、公明党、立憲民主党は、女性候補者ゼロ。この問題については、横須賀市選挙管理委員長が各党に苦言を呈したとも伝え聞いている。 ●全国の状況  全国の地方議員を対象とした調査では、女性割合は14.0%とのこと(公益財団法人市川房枝記念会女性と政治センターの調査に基づく山陽新聞記事による)。  詳しい情報が公開されていないため、公開されている全国市議会議長会の2019年7月時点の調査を基にデータ分析を行った。 ※なお、東京23区の区議会も含む。都道府県と町村は含まれていないが、市議&区議が地方議員全体の6割を占める。  ここから見えてくるのは、圧倒的に男性…

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芸術劇場廃止論へのご意見と回答

 今年からタウンニュース横須賀版に月1回連載しているが、今回の9/18(金)号に掲載した「芸術劇場を廃止しコロナ対策を」の記事に対しては、とりわけ反響が大きかった。  多くは、賛同の声だった。 「その通りだ。芸術より、もっと切実なことにお金を使ってほしい」 「衣食足りて礼節を知る、という言葉もある。文化芸術を楽しむ余裕もない人に目を向けてほしい」  といった声が多かった。  ただし、反対意見や疑問の声の中にこそ、大事な洞察があるとも考えている。個別にお返事も差し上げたが、ここにも書き出して対話的に議論を深めてみたい。 ●1.芸術劇場は愛されているのか? 多くの人が足を運んでいるのならば、お金をかけてでも維持する価値はあるのではないか? ●2.芸術劇場があることにより、どぶ板通り商店会やコースカなど、近隣への経済波及効果もあるはずではないか? さいか屋も閉店し、廃止によりますます横須賀が寂しくなってしまう。 ●3.民間売却や無償譲渡は本当に可能なのか? ●4.芸術劇場で公演を観る市民もいる。コンサートを開催する市民もいる。廃止してしまったら、市民の文化活動のニーズにどう応えるのか? ●5.芸術劇場の他にもホールはある。芸術劇場だけでなく、人口減少を見すえ他のホールとの統合も視野に入れて考えるべきなのではないか? ●1.芸術劇場は愛されているのか? 多くの人が足を運んでいるのならば、お金をかけてでも維持する価値はあるのではないか?  このご意見は、もっともだ。  2019年度…

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横須賀美術館の美術品22億円は適切なのか?

 コロナ対策の財源が必要であり、コロナ禍で来年度税収も大きく落ち込む見込みだ。そのため、意外なところにムダと財源が転がっていないか、目を光らせて連日分析している。  今日は、横須賀美術館の絵画などの収蔵品を分析した。  過去記事「美術館撤退論(前編)」では、美術品を手に入れるために払ったコストを約16億円と積算していたが、今回、収蔵品リストを資料照会で入手したところ22億円だった。  →収蔵品リスト2019年度末小林加工版(Excel)  過去記事では開館準備が始まった1999年からのコストしか積み上げていないが、美術品は1980年代から収集していたようなので、そこを拾えていなかったようだ。  このリストを例によってデータ可視化してみた。良ければリンク先の動くグラフでご覧頂けると幸いだ。  →横須賀美術館収蔵品の分析  以下にも、いくつかのグラフを貼り付けながら、見えてきたことをお伝えしたい。 ●沢田市長が去ってからは継子のよう  美術館は沢田市長の構想と思われているが、横山市長時代から美術品を収集して準備していたことがわかる。当時から沢田氏は助役として市政に関わっていたとはいえ、横山市長も是としていたということだ。  ところが、2005年の沢田市長の退任後、美術館は不遇の時代を迎える。蒲谷市長も2006年度には1億円弱の美術品を購入したものの、これはおそらく基金に積んであった残りだろう。以降、蒲谷市長・吉田市長・上地市長の3代にわたり、一切の美術品を購入してい…

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芸術劇場廃止論(後編) ~総額1100億円超!775億円が支払済。今後315億円を払いますか?~

 過去記事「芸術劇場廃止論(前編)」では、芸術劇場のコストを公開情報から積算してお伝えした。これまでに658億円かかっている計算だった(正確にはこの時の計算は2021~2024年度の見込額を含む)。  その後、議会質疑(9/7総務常任委員会)を経て、公開情報だけではわからなかった利子償還金と改修費見込額を文化振興課が示してくれた。これにより、ライフ・サイクル・コストが明らかとなった。  結論から言えば、1100億円超。  これが芸術劇場の「生涯年収」ならぬ「生涯支出」だ。  従来より「芸術劇場の建設費は377億円」と、その巨額ぶりに批判が集まってきた。しかし、フルコストで見れば実際はその3倍に上るのだ。まさかこれほどとは、誰が予想していただろうか?  おそらく横須賀市政で後にも先にも支出規模最大の公共施設となるだろう。 イニシャル・コスト590億円  イニシャル・コストは約590億円。私が積算した428億円に、利子償還金(住宅ローンの利払いに相当)約160億円を加えた額となる。市債の返済も済んでいるため、全額が支出済だ。 ランニング・コスト500億円  ランニング・コストは約500億円。運営費で約350億円、改修費で約150億円を見込む。これは公共施設の寿命と言われる70年間稼働した場合の額だ。  運営費は開館から現在までの28年間で150億円を積算してあるため、残りの42年間では200億円程度が見込まれる。年間5億円弱の見込みだ。  改修費は28年間で34億…

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ソレイユの丘のフルコスト分析 ~市民が毎年1,000円ずつ払うことに納得できるか?~

 過去記事「芸術劇場廃止論」と「美術館撤退論」に続いて、「ハコモノ3兄弟」と呼ばれたもう一つの施設「ソレイユの丘」も取り上げないわけにいかないだろう。コロナ禍でこもっていた4月にデータを調べ上げ、その後、寝かせてしまっていたのでご報告したい。 「ハコモノ3兄弟」の概要  【施設名】 【建設費】 【管理運営費】(争点化当時) ・芸術劇場  377億  5億5千万 ・美術館    47億  3億8千万 ・ソレイユの丘 36億  4億  なお、公園をPFI(民間資金導入)により整備する「Park-PFI」が、大阪城公園などの成功を受けて現在では日本全国でブームの様相を呈している。そして、あまり知られていないが、実は日本初の「Park-PFI」こそ、長井海の手公園、愛称「ソレイユの丘」だった。 ●ソレイユの丘、誕生までの歴史  第二次大戦に際し、長井4丁目の高台にある農地が旧海軍に接収された。  その後、敗戦を迎え、農民たちは当然ながら返還されると思ったが、今度は米軍が引き続き接収することとなった。市内の研究家・新倉裕史氏の『横須賀、基地の街を歩きつづけて』に詳しいが、農民の中には優れたリーダーがいて返還を求めて様々な運動を起こしたものの、占領軍には抗えなかった。相模湾を望む絶景の土地は「長井住宅地区」と呼ばれる米軍住宅となった。  その後、昭和50年代に入って、ようやくその土地が米軍から返還されることになった。ただし、返還先は元の農民ではなく横須賀市となった。  軍転法(旧…

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議案資料、勝手に公開していきます。

 横須賀市議会は、なぜかわかりませんが議案資料を公開していません。  そうすると、議会中継をしているとは言っても、資料がなければチンプンカンプンです。  しかも、傍聴者には紙で資料を配るとは言っても、最近まで傍聴をできなかったため、議員以外は誰も議案を目にすることができない状況でした。だから、ある会議では、資料公開していないと中継の視聴者に申し訳ないからということで、資料の一部読み上げまで行う始末です。  議案は、公開すればいいのです。  というわけで公開、はじめました。  →横須賀市議会の議案資料公開

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横須賀市議会は議会改革度ランキング62位へ凋落。

 毎年、この時期にお伝えしている「議会改革度ランキング」結果のご報告だ。  →早稲田大学マニフェスト研究所「議会改革度調査2019」  わかりやすよう、横須賀市議会と上位を抜き出して、右上の表にまとめた(2020年6月17日公開情報を基に小林作成)。  2011年の全国10位から、この9年間少しずつ順位を落としてきた。うちが後退したのではない。少しずつ前進はしているものの歩みが遅いため、他議会に追い抜かれたのだ。  より詳しく見ると、「情報共有」「住民参画」「機能強化」の3つの評価項目のうち、情報共有は高めだが住民参画と機能強化が弱い。つまり、会議のネット中継など情報公開はしているが、市民の声を聴いて、それをカタチにする機能が弱いということだろう。  もう一つ、興味深かったのが、昨年の1位~3位が軒並み順位を落としたことだ。彼らもサボっていたわけではなかろう。1位をもぎとった西脇市議会をはじめ町田市議会、桐生市議会、多摩市議会などが頑張ったということだ。きちんと活動すれば、きちんと評価されるわけで、横須賀市も本気で改革すれば上位を狙えるはずだ。  そして、それは住民にとってもきっと良い結果を生む。  県内でも、だいぶ変動があった。相模原と川崎の2政令市の躍進が目立つ一方、茅ヶ崎・大磯・南足柄の凋落が気になる。 神奈川県内ランキング2019 46位 相模原市議会 46位 川崎市議会 49位 箱根町議会 52位 横須賀市議会 53位 茅ヶ崎市議会 82位…

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【6/28〆切アンケート】議会が動かないので、有志で市民の声を集めます

 コロナ問題について、みなさんの声をお寄せください。  →【6/28〆切】横須賀市のコロナ対策 市民アンケート  頂いた声は、議会での提案や市政チェックに活かしていきます。  以下、背景説明。  議会は、市民の声を市政に反映するためにある。そして、コロナ禍で市民は様々な困りごとや悩みを抱えているはずであり、それらに耳を傾けるべきだ。しかし、これまで横須賀市議会は広聴会を開いたこともなく、まして今はコロナ禍で集会を開くわけにいかない。広聴会的な役割を持っていた議会報告会も中止を決めて、代替手段も用意していない。  だからこそ、オンラインでアンケートを実施してはどうかと考えた。もちろん、インターネットでは拾えない声もある。しかし、インターネットだから拾える声もある。  そこで、横須賀市議会のコロナ協議会で提案していた。しかし、6/8の議会運営委員会で「市民から声を聴いても反映できるかわからない」「予算も限られている」といった驚きの理由ではねられてしまった。  そもそも、反映できるかどうかにかかわらず、まずは予断を持たずに声に耳を傾けるべきではないのか? そして、あれだけ議会側は予算が必要となる様々な要望を市にしておきながら、市民にはそんなことを言うのか? だいたい、予算が要らない改善策も出てくるかもしれないはずだ。  つくづく「市民が怖い市民代表じゃ、どうにもならんな」と思った。  議会がやらないんじゃあ、仕方がない。自分たちでやることにした。  賛同してくれた共産…

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やっぱり横須賀市の人口は増えていませんでした。

 「1カ月で人口が最も増えた市区町村は横須賀市(2598人増)、最も減ったのは三浦市(68人減)だった。」という報道があり、市民の間で喜ぶ声もあがっていた。  →「県内人口、922万2618人に 5月1日現在」神奈川新聞2020年5月31日  しかし、どうも違和感があったため、ここ5年間の月別の人口増減を追いかけてみた。結論から言えば、やはり横須賀市の人口は減少基調だった。「横須賀市推計人口」からグラフを作成したのでご覧頂きたい。  上の折れ線グラフが人口総数だが、周期的に毎年4月に人口が大きく減り、5月に大きく増えることがわかる。  これは、4月に大量に亡くなって5月に大量の赤ちゃんが生まれるわけではない。  下のグラフをご覧頂きたい。これは、自然増減(死亡と出生の差し引き)と、社会増減(転出者と転入者の差し引き)を積み上げたものだ。これを見ると、自然増減はある程度一定している。より正確に言えば、この5年間で自然増は一度もない。常に、生まれる数よりも亡くなる数のほうが多い状況だったことがわかる。  一方、社会増減は大きく変動している。毎年4月に転出者が多く、5月と11月に転入者が多いことがわかる。  →数字もわかる大きなグラフはコチラ  なぜ、このようなことが起こるのか?  念のため、男性と女性に分けて同じグラフを作成してみた。上が女性で下が男性だ。  これを見ると、女性も同じ傾向はあるものの、男性ほど大きな山ではない。  →数字もわかる大きなグラフはコチラ …

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