
そんな声を何度か聞いていたので、一度、きちんと価格等について調査をすべきだと思っていた。
コロナ禍で余裕ができたので思い立って3月9日に資料照会等依頼書をかけた。
コロナ対応で中学校は忙しかったそうで、その結果が11月17日に出てきた。仕事を増やして申し訳なかったが、大事な話だと思うので、対応して頂いた職員の方々には心から感謝している。
結果の概要が右上の表だ。結論から言えば、確かに高いと感じた。
なお、基になった制服の各物品の単価を記載した詳細表も検証可能性のために共有しておく。
→YokosukaJuniorHighSchoolUniform2020(PDF)
→YokosukaJuniorHighSchoolUniform2020(Excel)
まず、制服を英語で言うとUniformだ。ユニフォームは標準服系の他にジャージ系もある。そのため、両方を対象とした。
今回は、「入学時に一体いくらかかるのか?」という観点で計算した。
そこで、標準服系は各1点ずつ、ジャージ系は各2点ずつ購入すると想定して計算した(実態と違うようなら、お教えください)。
いわゆる男子用の最高額は不入斗中の69,934円、いわゆる女子用の最高額は岩戸中の73,700円となった。最低額は、男女とも5万円台前半の常盤中となった。高い学校と安めの学校とで2万円前後の開きがあった。
※2020/11/21追記 なお、既製品と特注品で有意な価格差は見られなかった。特注品のほうが高くつくのかと想定していたが、そういうわけでもないようだ。一方で、複数校で同じ種類の制服となっていると安くなるようだ。いわゆる男子用の標準服の場合、共通品の10校の平均が32,389円であるのに対し、その他バラバラな学校の平均は33,943円と1,554円も高くなっている。いわゆる女子用の標準服の場合、共通品の7校の平均が32,873円であるのに対し、その他バラバラな学校の平均は34,732円と1,859円も高くなっている。つまり、複数校で種類を揃えたほうが安くできそうだ。
ところで、中学生は男女とも身体が急成長する時期であり、3年の間には買い替えが発生する生徒もいるだろう。また、ジャージは膝がすりむけたりするので、おそらくほとんどの生徒が3年間のうちに買い替えて、実際には4セットから6セットは購入するのではないだろうか。
こうして考えていくと、制服には生徒一人あたり、おそらく10万円前後の費用がかかっていると想定している(実態と違うようなら、お教えください)。
ところで、公教育の理念は、所得に関わらず、どの子どもにも一定水準の教育を施すことだ。だからこそ、経済的負担は少なくすべきだ。もちろん、その観点で就学援助の制度があるわけだが、就学援助でも全額は賄えないだろう。就学援助の対象とならない世帯だって苦しいはずだ。
じゃあ、制服を無くせばいいのか?
私自身は公立中学校に制服は必要だと考えている。制服の意義は、家庭の所得の差を意識させないことと経済的負担の軽減にある。特に、多感な時期の中学生には、性差や所得格差による劣等感などを感じさせずに済むならそのほうがいい。
ところで、こうやって見ていくと、一つの疑問が浮かんでくる。
制服は2種類も必要なのだろうか?
つまり、現在は標準服系とジャージ系の2種類の制服があるわけだが、そもそも標準服系は要らないのではないか? 経済的負担を軽減する観点から見れば、標準服系を廃止し、ジャージ系のみを制服とするほうが合理的だ。
詰襟やブレザーはなかなか洗えないが、ジャージは毎日でも洗えて衛生的だ。
ジャージは洗ってもすぐ乾く。
ジャージは1セットあたり14,000円程度で安価だ。
ジャージは機能的だ。
ジャージはユニセックスで性差も出ない。
ジャージでの登下校が可能な学校も少なくない。
ジャージ、いいじゃないか。
「入学式と卒業式ぐらいは正装すべきだ」という考え方もあるのは理解できるので、小学校と同様に晴れ着を買ったりレンタルしたりして着ればいい。全生徒が詰襟やブレザーを買って持っている必然性は薄いはずだ。
制服は、ジャージだけじゃダメなのだろうか?
議会で質問しようと思うので、保護者のみなさまのご意見をお寄せいただけると助かります!
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