今のままなら要らない横須賀市議会 ~定期フェリー就航問題の解決は議会の仕事だ~

8C3F68AC-6B08-45B2-AA49-113E3FF06502.jpeg 横須賀市議会では昨年度、市民にお願いしてアンケート調査をした。その結果を、「市議会アンケート調査報告書」として3月に発表した。

 各種メディアでも取り沙汰されている北九州港との定期フェリー就航を考えながら、この結果を改めて見返してみて、議会の責任感について思うところがあったので、以下書き出す。

●定期フェリー就航問題ってどういうもの?
 この問題については、タウンニュース横須賀版が精力的に報じているので、背景が知りたい方は下記記事を参照されたい。
●「横須賀港 新フェリー航路 港運関係者『ふ頭の安全性に不安』」2020/2/7
●「横須賀港 新フェリー航路「ふ頭共用」港湾事業者が反発」2020/9/11
●「フェリー新航路開設「説明会の開催」近隣住民が要望」2020/9/25
●「『ふ頭の在り方』説明責任は」2020/10/2
●横須賀港運協会 意見広告「市民ファーストはどこに」2020/10/9
●「横須賀港新フェリー航路 近隣住民も反発」2020/10/16
●「横須賀港利用の事業者 荷捌き地使用を求めて提訴」2020/10/23

●市議会アンケートはどういう結果だった?
 次に市議会アンケートの結果だが、50ページの報告書を読むのは疲れると思うので、概要をご紹介しよう。
「あなたは市議会に関心がありますか?」
 →「関心がある」35%/「関心がない」39%
 関心がない理由
 「何をしているのか全く分からないから」64%
 「議員とかかわりがないから」36%
 「自分の役に立つと期待していないから」29%
 「自分の生活には関係がないと思うから」12%

「市議会は、市民の声にきちんと耳を傾けることができていると感じますか?」
 →「感じる」16%/「感じない」39%

「あなたの意見や市民の声を、市議会は市政に反映できていると感じますか?」
 →「感じる」12%/「感じない」43%

「市議会に何を望みますか?」
 「地域課題の解決」36%
 「市民への情報提供」31%
 「市民との交流」28%
 「議員定数・議員報酬の見直し」28%

●アンケート結果に見る市民感覚と議会感覚のギャップ
 つまり、ここから読み取れることは、こういうことだ。

 多くの市民は議会が何をしているのか知らないし、議会が自分のために役に立つとも思っていない。自分の声を聴いてくれている気もしなければ、聴いても反映してくれる気もしない。しかし、地域の課題は解決してほしいと思っている。とはいえ、解決などしてくれないから、議員も減らせばいいし、報酬も下げればいいと思っている。

 一方の議員は、自分たちは仕事を頑張っているつもりだから、あまり報酬を下げたくない。報酬審議会に諮ると、どうせ「下げろ」と言われる気がするから、他市のように報酬審にかけることもしない。自分たちの報酬を自分たちのお手盛りで、上げたり下げたりしている。

 中の人の私から見れば、確かに多くの議員は仕事は頑張っているが、成果を出せない頑張り方だ。市民のために成果を出すならば、議員間討議をして「議会の意思」=「市民の意思」を固めて、市に指示する必要があるが、何故かそういう方向では動かないのだ。だから、いくら頑張っても市民が実感できる成果が出せない。
 そんな議会なら、確かに要らない。

●議会は、成果を出せる仕事をせよ。
 私は、議員報酬を下げるよりも、議会に成果の出る仕事をさせたほうが、市民の利益にはなると考えている。
 頑張っているが放っておくと成果を出せなくなるのは市役所も同じことだからだ。だから、報酬を下げて議会の機能とやる気を削いだところで、市民の声は届かず、痒いところに手が届かない市政が続くだけだ。

 では、成果の出る仕事とはどういうことか?
 たとえば、それが今回の定期フェリー就航問題で言えば、市役所と近隣住民等が対立したまま放置せず、市民の声を聴いて道筋を示すことだ。
 その理由や方法は、明日11/4(水)11:00~の議会運営委員会で提起する予定だ。
 以下に、発言通告書の内容を貼り付けておく。よろしければ議会中継でご覧頂きたい。
→発言通告書20201030(Wordファイル)
 横須賀市議会は、横須賀新港への定期フェリー就航に関する議案を既に可決している。可決したということは、つまり説明責任を負うべきは提案した執行機関ではなく、決定した議決機関たる議会に移っていることを意味する。
 この定期フェリー就航に関しては、我々議会の議決時には想定していなかった港湾事業者団体や近隣住民からの懸念の声が高まっている。これにより、新聞やTVなど各種報道機関により取り上げられ、市民の耳目を集める事態となっている。そして、執行機関も港湾事業者団体から訴訟を提起され、近隣自治会長から抗議を受けるなどしており、対応に苦慮している。

 ついては、議会基本条例の精神に則り、本件に関する各方面の意見を聴取して説明責任を果たし住民代表としての意思を示すことが、議会の役割であり責任感である。
 そこで、本件問題に対して、次のような手法を組み合わせて対応することについて、議会運営委員会で協議したい。

●「横須賀市議会報告会及び市民との懇談会実施要領」に基づく、特定の問題についての市民との懇談会を開催し、多様な市民意見を聴取する
●上記懇談会において、都市整備常任委員会および総務常任委員会より審査の経過と結果を報告し、議決した理由を説明し、市民の質問にも答える
●上記懇談会の後、両常任委員会の合同審査により執行機関からの情報収集と必要に応じた外部専門家への意見聴取を通じて、判断に必要な情報を収集・整理する
●上記合同審査の後、全員協議会を開いて議会として、本件に対する何らかの意思表明をするかどうか決める

この記事へのコメント

  • wawa

    小林先生頑張ってますね。
     
    フェリー問題自分は楽しみにしてました。寝てる間に九州行けるなんて年取ると憧れなゆめです。
    議会の問題ですが、公文書も何とかならないんですかね?説明聞いてて一般人なら何処読んでるか探すのに必死になります。市長秘書が二三十分前から玄関で待ってるのも無駄かもしれませんね。政治を市民に取り戻しましょう!
    2020年11月04日 00:50
  • 久里浜大分航路が数年しか就航しなかった過去の経験が活かされなかった愚策ですね、長年横須賀市の経済活動に寄与した港湾関係の方々に非礼をしてまで就航させたい理由とは? 議員定数は人口に対し多すぎ減らすべきだ。藤沢市と比較したら一目瞭然ですよね?
    2020年11月05日 21:53