ぜひ、中学生や保護者のみなさんは「こんな校則はおかしい」「書いてないけど実際にはこんなルールもある」「運用ではこんなに厳しくないから、実態に合わせて校則を変えたほうがいい」などなど、ご意見頂けると助かります。次の議会で質疑する予定です。
●一挙公開、横須賀市立中学校の校則
3月に議会から資料照会依頼をしたが、なかなか出てこなかったので4月に情報公開請求をかけた。その結果、6月に出てきた中学校23校の校則の文書がコチラだ。一挙公開する。
→YokosukaSchoolRules20200609.pdf
なお、この着想はパブラボ掲載の鈴木恵・浜松市議の記事と彼女を囲んだ勉強会で得たものだ。この場を借りて、改めて御礼申し上げる。
ただし、学校によって書式も分量も異なるため、これを要素に分けて比較することとした。NPO法人ドットジェイピーという政治家インターン派遣団体から来た2名の大学生が夏休みに全校の校則を読み込んで苦労してベンチマーキングしてくれた結果がコチラだ。
→YokosukaSchoolRules2020.xlsx
情報量が多いので、この表から情報を抜き出して、わかりやすくランキングにしてみた。
●発表! 第1回「ブラック校則」ランキングの結果は?
まずは、謎ルールが多い中学校を挙げる、「ブラック校則」ランキングだ。
第1回調査の栄えあるワーストNo.1は、鴨居中となった。
何より、制服に男女の別を設けない学校が多い中、女子はスカートと限定しているところがアウトだ。藤野議員のLGBTへの配慮を求める提起に対応し、2008年7月7日の中学校長会で当時の学校教育課長が配慮を求めたはずだが、対応しなかったことになる。
加えて、女子にだけ、夏でもベスト着用を求める。暑いだろうよ。透けさせたくないのならば、濃い色のポロシャツを制服とすれば良いだろうに。加えて、タイツの色も指定している。肌色のヒートテックなんて売っているのか? ズボンの下に何色のタイツを穿こうが構わないではないか。スカートの下でも同じだが。
さらに、他学年の廊下には出入り禁止だという。ここで注目したいのは、他学年の教室への出入りではなく、廊下にすら立ち入るなという謎ルールだ。過剰な行動制限であり、理由もさっぱりわからない。
なお、女子の制服をスカートに限定する鴨居中・長井中・衣笠中の3校は、アウトなので迷わず上位3位に選定した。
2位に輝いた長井中学校は、制服でも男女を区別し、髪型でも男女を区別する、セクシャリティを意識させることが大好きな学校のようだ。
なお、髪型に男女の別を設けているのは7校あり、これは人権的に問題があるだろう。
また、第4位の田浦中は、教室から体育館や特別教室に移動するときには整列させるという、刑務所や少年院のような前近代的で管理的な学校だ。
ちなみに整列移動をする学校は7校ある。
第5位の常葉中で特徴的なのは、靴を白色に指定していることだ。他に追浜中の2校のみが靴の色を定めている。これは経済的な商品選択を阻むことになり、非合理的だ。
●「ホワイトな中学校」ランキング
逆に、ブラック校則が少ない学校も挙げてみた。
最もマシだったのが公郷中だ。男子の髪を適度の長さに整えること、という校則は必ずしも長髪等を禁止しないようにも読める。この他には理不尽な校則が少なかった。
※「公郷中はタイツの色を指定しているのに漏れている」とのご指摘を頂いた。確認し、その通りだったため修正した。ただし、順位は変わらなかった。申し訳ありませんでした。
次に坂本中だ。制服を男女で分けてさえいなければ、理不尽な校則のない学校だった。
第3位は野比中だ。野比中は、校則中に制服についての情報が不十分だったので電話で聞き取りもしたが、制服を男女で分けているものの、いずれを選んでもいい運用としているとのことだった。
●その他の謎ルールあれこれ
その他、特徴的な謎ルールを挙げていきたい。
・清掃時に発言禁止
大津中は清掃時の発言を禁止しており、どのような論理的な必要性があるのか疑問だ。
また池上中と神明中も無言を奨励している。
・七三分け禁止?
久里浜中と大津中はアシンメトリー(左右非対称)を禁止しており、つまり七三分けも禁止となるはずだ。つむじの位置は人により異なるため、不合理だ。
なお、髪型については「華美な髪型禁止」「流行を追った髪型禁止」など基準が曖昧で教員側の恣意的な運用が可能となっている。そもそも、なぜ流行を追ってはいけないのか? 不合理極まりない。
・制服を男女で差別
半数の学校は、男女で制服を分けていない。男子がスカートを穿こうが、女子がズボンを穿こうが自由だ。そして、これが全国的に標準的な対応となりつつある。
ところが、本市では13校が制服に男女の別を設けている。女子のボトムについてスカートのみとしている衣笠中・鴨居中・長井中の3校は論外として、ズボン着用可と明記している2校はまだマシと言える。ただし、本来ならば男子のスカートも着用可としなければ不合理のはずだ。また、5校は暗にスカートと規定している。
・夏にベストを着る地獄
夏にベスト着用を求めるのは鴨居中だけではなく、衣笠中・鴨居中・久里浜中の3校ある。暑い中、非人道的だと言える。
※11/5追記不入斗中・大矢部中の名も挙げていたが、夏ではなく冬の着用の話で私の読み取り間違いだった。ただし、いずれにしても性差があった。
●そもそも、制服(標準服)は要るのか?
ブラック校則は、制服関連に多い。そもそも、制服は必要なのだろうか?
私は、ユニフォームは必要だと思う。ユニフォームの意義は、家庭の所得の差を意識させないことと経済的負担の軽減にあるからだ。
ならば、いわゆる「標準服」を廃し、「体操服」のみを制服とするほうが合理的ではないだろうか。詰襟やセーラー服はなかなか洗えないが、ジャージは洗ってすぐ乾く。ジャージは安い。ジャージは機能的だ。ジャージは性差が出ない。
ジャージを制服にしよう。
●まとめ
以上、情報公開請求で開示された文書を基にランキングしてきたが、おそらく校則を定める他の文書や、文書に書かれていない不文律がまだあると思われる。
不文律は、教員の恣意的な運用が可能であり、罪刑法定主義の精神にもそぐわない。
また、校則改定について定めのある学校がほとんどない。唯一、田浦中には定めがあるが、改定に関わることができる者の範囲が不明であり、実際には生徒から改定を提起できないだろう。
全体として、戦後にGHQが生徒会を導入した理念である学生自治が図られているとは言えない。校則は、主権者教育の良い題材であり、生徒会選挙を通じた自己決定・自己責任による学生自治を取り入れるべきだろう。
このテーマは、追って議会で扱う予定だ。
この記事へのコメント
飯田芳樹
各学校に通わせてる保護者に確認を取ったのでしょうか?
小林議員のほめている公郷中は、アシンメトリー・ツーブロック(段差をつけるような髪型)等の流行を追うような髪型にはしないこと。と書かれてます。
流行になれば爽やかなソフトモヒカンも、指導の対象になります。
また、眼鏡をかけるの子の弦の当たる部分のみ短くしてあげると眼鏡がずれにくくなりますが、ツーブロックに該当するので禁止の対象です。私の子供も指導を受けました。
また、公郷中は、体操服登校も一定の期間認められていますが、前期末までと書かれています。衣替え移行期間中でも後期にはいると体操服登校は禁止。となってます。
これこそが、ブラック校則でしょ?
今年度、体育祭は12日(月)曜日におこなわれました。
後期13日から16日まで衣替え期間中に当たるので4日間のみ暑ければ夏服を着なくてはなりません。
再度、熟読してランキングを公表してください。
点数制なら池上、野比、浦賀 次点衣笠、大津
(追浜は制服、、、と書いてあるので入れてません。)
に、なると思います。
点数の理由も公表するべきです。
髪型についても久里浜、大津以外にもアシンメトリーは、公郷、池上にも書いてある学校があります。名指しで2校は、疑問を感じます。
一度削除し点検、検証し再度掲載しなおしたほうがいいです。
ソフトモヒカンのすべてを禁止しています。
小林議員のすべてを否定しているとも言えるのではないでしょうか?
Jonny