→「県内人口、922万2618人に 5月1日現在」神奈川新聞2020年5月31日
しかし、どうも違和感があったため、ここ5年間の月別の人口増減を追いかけてみた。結論から言えば、やはり横須賀市の人口は減少基調だった。「横須賀市推計人口」からグラフを作成したのでご覧頂きたい。

これは、4月に大量に亡くなって5月に大量の赤ちゃんが生まれるわけではない。
下のグラフをご覧頂きたい。これは、自然増減(死亡と出生の差し引き)と、社会増減(転出者と転入者の差し引き)を積み上げたものだ。これを見ると、自然増減はある程度一定している。より正確に言えば、この5年間で自然増は一度もない。常に、生まれる数よりも亡くなる数のほうが多い状況だったことがわかる。
一方、社会増減は大きく変動している。毎年4月に転出者が多く、5月と11月に転入者が多いことがわかる。
→数字もわかる大きなグラフはコチラ
なぜ、このようなことが起こるのか?

これを見ると、女性も同じ傾向はあるものの、男性ほど大きな山ではない。
→数字もわかる大きなグラフはコチラ
カンのいい方はお気づきだろう。私も念のために市役所の担当者に確認したが間違いなかった。
自衛隊だ。
横須賀市の最大の雇用先である自衛隊は市内に約14,000名在住。彼らは国家公務員であり、年度末に全国へ異動がある。防衛大学校や陸自高等工科学校は3月に卒業して4月に新入生が入学してくる。3月末に転出した分が4月に計上され、4月頭に転入した分が5月に計上される。そのため、これだけの大きな人口の動きがあるわけだ。
というわけで、毎年5月に数字上は人口が増えるが、残念ながらそれは毎年の風物詩だ。そして、全体としては依然として人口は減り続けている。そして、それ自体は悪いことではない。
数字に踊らされず、いま住んでいる人が幸せに暮らせる街を、腰を据えてつくっていきたいと私は思っている。
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