コロナ対策、議会は市に何を求めるべきか?

mask313458A7409_TP_V.jpg コロナ禍で、市民の不安は高まっている。
 こうした市民の不安に応え、市に取り組むべきことを指示したり軌道修正したりするのが、市民代表である議会の役目だろう。
 現在、横須賀市議会ではコロナ対策のための臨時議会や特別委員会の予定はないが、備えて予め課題出しをしておきたい。

 市民のみなさんも、お気づきのことがあれば気軽にお寄せ頂きたい。(070-6640-3927)
※画像提供:ぱくたそ

●社会福祉協議会へ市職員を派遣しよう
 横須賀市社会福祉協議会の「生活福祉資金貸付」は、現在、最も必要とされている制度だ。しかし、横須賀市の社協は元から組織内の問題を抱えていて退職が相次いでスキルの蓄積が十分でないうえ、人材も限られている。その結果、相談を受け付けるのが2週間以上先となっている。実際に融資を受けられるのは、そこからさらに時間がかかるわけで、制度の中の主力となる「緊急小口貸付」も、もはや緊急の意味が無くなってしまう。この件は、私が相談を受けた方のうち何人もの方が直面して落胆している。
 相談一件あたり2時間程度を要するそうなので、職員が何人も必要だ。横須賀市は当面のイベント等を中止・延期しており、文化スポーツ観光部を中心に職員には余剰がある部署もあるはずだ。忙しい他部署もあるだろうが、真っ先に社協に人を手当てすべきだ。
→5/6追記:その後、人材派遣会社から増員をするための補助金を組んだのと、ろうきんに委託しての郵送の取り扱いも始まったが、それによってどう改善したのか、していないのかを確認する必要があるだろう。

●市独自の緊急小口貸付を制度化しよう
 上記に関連して、市職員を派遣できないのであれば、市の独自の緊急小口貸付を制度化すべきだ。既に、「母子・父子・寡婦福祉資金貸付」制度などもあるため、援用するなどすれば制度設計の時間短縮ができるだろう。
 給与の遅配なども相談を受けている。こうした方へのつなぎ融資的な貸付は、どんどん出すべきだ。

●在宅勤務の職員に、テレビ電話で市民相談の対応をさせよう
 横須賀市は本日から職員約3,000人を約1,000人の3班に分けて輪番制の出勤とし、毎日約2,000人が在宅勤務となるようだ。これは賢いやり方だと思う。
 一方、在宅ではできない仕事もあるだろうから、実質的に自宅待機状態となっている職員もいるのではないだろうか?
 そこで、それらの職員には、遠隔で電話対応を行ってもらってはどうか? テレビ電話で市民相談にあたらせれば、きめ細かい対応ができる。端末は、手当も支給したうえで個人所有のスマホやPCを使ってもらい、セキュリティの確保されたアプリケーション経由で行えば問題はないはずだ。

●PCR検査は適切か? チェックしよう
 検査数を意図的に絞っている市町村もあるような報道がされている。保健所を自前で持つ横須賀市としては、このあたりを自前で是正できるのは強みだ。また、保健所に依らない県の枠組みの保険適用検査もあるので、市立2病院がどんな運用で依頼しているか、という観点も重要だ。
 「PCR検査の実際の運用が合理的に行われているか?」は、多くの市民が確認してほしいと考えているのではないか?
→5/6追記:市内の感染発覚者は44名だが、検査数は約2000という噂がある。人口当たりの検査数や、検査数に対する感染発覚者数を、各国や他市と比較する必要があるだろう。


 なお、昔、CSRの分野で「伝えるべき大事なこと(materiality)は、社会への影響の大きさ(social impact)と市民の関心の高さ(public concern)を基準にせよ」という判断基準を目にして膝を叩いたことがある。事の軽重だけでなく、市民の関心事も大事にしなければいけない。そう考えている。

※以下、市民の声を受けた追記
●横須賀市限定の地域通貨を準備しよう
 コロナ終息後には経済をガンガン回さなければいけないが、東京・横浜にガンガンお金をストローで吸い上げられては意味がない。地域のお金を地域で回すため、地域限定の通貨を作って、市職員や市議会議員のボーナスや住宅手当など本給以外の手当は地域通貨で払ったほうがいい。制度設計やシステム構築に時間がかかるので、いまから用意すべきだ。

●小学校を学童クラブに学校開放しよう。
 小学校は、リスクを負いたくないから学校開放はしたがらないが、登校していないから学校はガラガラ。
 一方の学童クラブは、医療機関の保護者を中心に保育ニーズはなくなっていないため、多くの学童クラブで3密そのままの空間で子どもたちは過ごしている。そのため、学童クラブを対象に限定的に学校開放したほうがいい。その際、学校管理者である校長は管理責任を問われないことを市長部局で担保してはどうか?
 なお、その際、保育が必要な学童の期間限定の追加加入を学童クラブ側に条件としても良いのではないか。

●子どもの居場所として学校を活用しよう
 子どもたちを家庭内にとどめ続けるのは困難であり、健康上も良くない。
 適度な運動と友達と遊ぶことの防止のために、小学校の図書館・パソコンルーム・体育館を一定のルールの下で使わせたほうがいいのではないか。特に、図書室から本を借りて、自宅で本を読むことは、最高の時間の使い方の一つ。自宅にパソコンやインターネット環境のない子どもたちにはパソコンルームでプログラミングやタイピング・ゲームを通して考え方やスキルを身に着けることも有意義。体育館で、非接触の運動だってできる。
 そして、これらは教師に丸投げするのではなく、「ランドセル置き場」(みんなの家)の指導員や、老人福祉センターの職員など、閉館している施設の市職員を動員し、管理責任も市長部局で負ってはどうか?

●次亜塩素酸水の配布方法を見直そう
 行列作ってもらいに行っている様子を多くの方が問題視しており、もっと分散した場所で、感覚を空けて配布しないと、逆効果になって消毒のために感染することになりかねない。
 また、次亜塩素酸水は紫外線などで分解しやすいとのことで、使用期限や保管場所等についても啓発が必要。
→5/6追記:その後、配布個所数を増やしたので解消済みか。

●市職員を臨時雇用しよう
 一時的に仕事を失う人がいる。一方、市の仕事は一時的に増えている部署も多い。であれば、期間限定で市が非正規職員(会計年度任用職員)を雇用してもいいのではないか? 高度な業務もあるが、常勤担当職員から提携業務を切り離して補佐することで、少しでも業務のリードタイムを速めることができるはずだ。
 コロナが収まって年度末に解雇しても、その方は元の仕事に戻るなりするわけで、恨まれることはないだろう。
 というか、冷静に考えると、これが本来の会計年度任用職員制度の使い方なわけだが……。

●家庭内暴力や児童虐待のケースが増えているのか確認しよう
 自宅の滞在時間が増えることで、DVや虐待も増えているという報告もある。本市がどんな状況にあるか、確認しておく必要がある。
 また、親として必要な知識やノウハウを身に着けていない親も多いため、パパママ講座をオンラインで実施し、この機に学んでもらう方法も検討。

●小学校での子どもの居場所は確保されたのか検証しよう
 過去記事『臨時休校への対応は他市に学ぼう』で書いた通り、他市のように小学校を使って子どもの居場所を確保すべきだった。しかし、一部の学校を除いて無視された格好だ。なぜ方針を徹底できなかったのか? 検証が必要だ。ただし、これはコロナ禍が済んでからでもいいのか、他にも同じ問題が出ないよう、いま手を付けたほうがいいのか、迷うところだ。

●保育園と学童保育の登園抑制
 他市では、「登園自粛」ではなく、親の仕事等の状況を調べて「登園許可制」としてまちが増えている。これを導入すべき。
 同時に、他市のように、保育料日割りで還付するのが良いだろう。そして、学童保育については運営者にも日割り補填すべき。

●事業者への家賃補給や補償や公共料金免除
 緊急事態宣言を受けて休業した事業者については、上下水道料金の支払い免除をすべき。その他の経済対策については、基本的に国と県の仕事であることが大原則。だが、必要に迫られて実施するとすれば、家賃保証がいいのか、粗利補償がいいのか、人件費補給がいいのか、制度設計だけはすべき。

●義務教育の手段確保
 横浜市のようにTVで授業をするのか、無料でTV神奈川は観られるのでタダ乗りするのか、熊本市のようにネットワーク回線付きのタブレットを配るのか、欧米のように9月入学にするよう国に働き掛けるのか。いずれにしても、教育を施す義務を負っているわけなので、何らかの手段を確保するべき。

●テイクアウトをする飲食店への食中毒保険
 世の中には日本食品衛生協会の「食品営業賠償共済」など、食中毒に備えた保険があるらしい。起こさないことが第一だが、万が一起きてしまったときのため、自粛要請をしている期間中の保険料を全額補助するのはいい方法ではないか。お店側もそうだし、お客の側も賠償金を請求しても倒産されると払われないよりは、保険金で払われれば安心なわけで、少ない投資金額で大きな安心を与えられるかもしれない。

●保健所の食品衛生監視体制の強化
 体制強化と言っても、不必要に厳しくしろということではなく、相談に迅速に対応できるよう人員配置を一時的に厚くしたほうがいいのではないか。
 新たにテイクアウトを始めれば、「テイクアウトで出していいものといけないものは何か?」「お酒を出すには、どんな免許をどんな風に申請すればいいのか?」といった様々な疑問に直面する。こうした疑問に答えるため、十分な体制を組み、丁寧に対応する必要があるのではないか。

(以上、4/19時点)

この記事へのコメント

  • 吉岡 孝典

    コロナ非常事態宣言により全国で唯一、横須賀は市民の待ち時間が長くなる(密度が増す)としながらも、市役所の在宅勤務に、小林議員は「賢いやり方だと思う。」と肯定されてますが、その理由が判りません。何卒、ご教示頂き度、宜しくお願い申し上げます。
    2020年04月19日 18:32