臨時休校への対応は他市に学ぼう

JUN19333P2A3255_TP_V.jpg※この原稿は3/1(日)に書いたが、事情があって3/6(金)の市の回答を待って掲載した

 2/27(木)の夜に、国が全国の小中高校等に対して3/2(月)から臨時休校を要請する方針を決めたと報じられた。翌2/28(金)になって、実際に要請がなされたようだ。公立も私立も問わない全ての学校が対象だ。

●子どもの居場所をどうするか?
 横須賀市教育委員会は、これに応じて3/3(火)からの臨時休校を決定した。
 →「新型コロナウイルス感染防止に対する市立学校への対応について(2020年2月28日)」

 これに伴い、様々な問題が起こる。
 教育上の問題については、学校が対処するので、我々のような政治家や市役所が口を出すべきではない。
 一方で、市役所として対応しなければいけないのが、子どもの居場所の問題だ。小学校低学年や障害を抱える児童など、一人で家に置いておけない家庭も多く、休校に伴って保護者も休業する場合が出てくる。実際に、国の要請に先んじて臨時休校を始めた北海道では、看護師の休業が相次いで一部休診に追い込まれる病院も出た。
 →「休校で看護師出勤できず外来休診」NHK NEWS WEB

●学童クラブの対応
 この問題については、本市では民間の学童クラブに対し、夏休み・冬休みと同様に朝から夕方まで預かってくれるように依頼した。
 →「新型コロナウイルス感染症防止のための保育所等の対応について(2020年2月28日)」

 書きぶりから見ると、ほとんどの学童クラブは対応してくださるようだ。本当に頭が下がる。
 しかし、冷静に考えれば、市内の学童クラブに通う児童の割合は小学生全体の1割程度だ。低学年に限れば2割前後だろう。保育料が高いので、経済的事情で通わせられない家庭が多いのだ。
 つまり、学童クラブだけでは受け皿として不十分だ。

●市の対応「ランドセル置場」
 また、「ランドセル置場」も9:00~17:00で開設することにしたようだ。国の要請を受けたその日のうちに調整をした市の担当者は立派だ。安全監督者の非常勤職員にも頭が下がる。
 とはいえ、これも受け皿にはなりえない。その理由は過去記事で詳しく分析している。
 →「『ランドセル置き場』は要るのか?」
 休館日の月曜日も対応してくださるとのことだが、なにしろ市内に15カ所しかないのだ。小学校46校の児童が徒歩で通えるわけがない。

●学校を開放しよう
 そうなると、低学年や障害を抱える児童のためには、市が学校に居場所を確保するほかないだろう。平日の朝から夕方まで、図書室などいくつかの特別教室・体育館・校庭を子どもたちの安全な居場所として開放すればいいのではないだろうか。
 既に千葉市・横浜市・つくば市・福岡市などが、そのような方針を出している。これに倣えばいい。
【追記部分】→
 3/2(月)、議会でも同時多発的に同じような問題意識が提起され、緊急に非公式な会議が開かれて、議長から市長に要請文が提出された。
 →「新型コロナウイルスへの対応に関する申し入れについて」
 これに対し、3/6(金)に回答があった。次のような内容だ。
「 日中保護者がいない家庭において、保護者が子どもを預けるところもなく預かってくれる人もない状況などで困っている実態があれば、図書室等の学校施設を自主学習のために開放するなど、地域・学校の状況に応じて対応しています。
 また、支援学級に所属している児童生徒についても、個人の状況に応じて、特段の配慮を行います。」
 →「新型コロナウイルスへの対応に関する議長からの申し入れにおける市長からの回答について」

 市長名での回答だが、学校に関する件は教育長が担当なので、これは教育委員会からの正式な回答と言える。
 そこで、3/3からの臨時休校にあたって、もし市内の小学生で通学時間~下校時間に学校に行くことを断られた人がいれば、ぜひ連絡を頂きたい。至急対応したい。←【追記部分】

●しかし、国はひどい。
 本市の職員や学校現場の教職員のみなさまには本当に頭が下がる思いだ。2/28(金)に急に政府から要請され、土日を挟むため、その日のうちに判断しなければならない。特に、横須賀市役所だけで何とかできる話ではなく、県職員である教員、民間である学童保育など、外部とも調整しなければならず、対応に追われたことだろう。混乱なく週明けを迎えられることを願う。
 それにひきかえ、この国の宰相にはあきれる。優秀な官僚からは懸念点も伝えられていたようだが、どんな問題が起きるのか想定せず、思いつきで急な休校要請をしたことがそもそもの原因だ。
 だいたい、国は要請しただけで、横須賀市立の学校を休校にするかどうかは横須賀市役所が判断することだ。世の中に国立・県立・市立・私立の学校があるのは、そういう意味だ。国は、筑波大学附属久里浜特別支援学校のような国立学校のことしか決められない。しかし、日本のヒステリックなメディアには、そういう腑分けができない。今回は、まるで「指示」があったかのような勢いで国の要請を報じた。あれでは、市町村がNoとは言いにくい。制度を理解していないのか、理解していながら詳細な説明を怠ったのか。
 そして、最もたちが悪いのは、要請した総理本人もおそらくは「指示」のつもりだったことだ。これまでの国会答弁を振り返れば、脳味噌の中が透けて見える。
「私が国家ですよ」
「私は立法府の長であります」
「総理大臣でございますから、森羅万象すべて担当しております」
「我々が提出する法律についての説明はまったく正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」
――いやはや、こんな発言をしても総理大臣で居続けられるのだから、国民もなめられたものだ。これは、言い間違いやうっかり本音が出たものではなく、「俺がこの日本の統治者だ」という意識が堂々と表れたものだろう。
 この意識が、国と地方の関係でも表れているのだ。地方と国は対等・協力の関係であり、上下ではなく役割分担をしている関係だ。だから、地方のことは地方に任せればいいのに「地方創生」を強要して散財する。保育園は地方の仕事なのに無償化など余計なことをして待機児童を増やす。そして、今回の思いつき臨時休校だ。

 とはいえ、これは選挙で選び続けてきた国民に責任がある。国民の質以上の政治家は出ない。当然の報いを受けた格好だ。イヤなら紙切れ一枚で変えられる。投票だ。

 ちなみに、こちらはシンガポールのリー・シェンロン首相。政治指導者たるものは、このように民心を落ち着かせる言葉を語れなければならないのだろう。自戒を込めて。

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