私が提案した養育費取り立て支援が実現へ

CCC9V9A9993_TP_V.jpg 横須賀市では、来年度予算案の概要を発表した。
 →令和2年度予算の概要(PDF)
 この中で、私が提案した養育費取り立て支援が盛り込まれることとなった。
※画像提供:ぱくたそ

「ひとり親家庭の養育費受け取りを支援へ 横須賀市」(神奈川新聞2020年02月14日)

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 離婚相手から養育費を受け取れないひとり親家庭の困窮を防ぐため、横須賀市は4月から、養育費の受け取りを保証する支援制度を始める。不払いの養育費を回収する民間保証会社との保証料を市が補助することで、養育費を確実に受け取れるようにする狙い。同市によると県内自治体では初めてという。

 なお、過去に養育費不払い問題については1999年から議会で取り扱われている。そして、今回の事業案につながる提案は、2015年の渡辺光一議員、2016年の私、2018年の藤野英明議員、2019年の小幡沙央里議員が実施している。
 今回は、私が提案した際には考え付かなかったスキームも盛り込まれており、期待以上の対応だ。内容としては、大阪府が昨年から導入した、不動産賃貸契約と同様に間に保証会社に入ってもらい、不履行の場合に保証会社が立て替えて、代わりに保証会社が取り立てをする仕組みだ。

 上地市長の市政には納得がいっていない部分もあるが、このように必要な施策をどんどん打っていく姿勢は大いに評価できるものだと考えているし、感謝もしている。

 なお、以下、かなり突っ込んだ質疑をした2016年の私の議事録を引用し、その後、時系列で紹介したい。
一般質問 平成28年 第3回定例会( 9月) 09月21日-02号
小林伸行議員
 続いて、養育費の支払い責任から逃れさせない方策について。
 日本においては、離婚した後で養育費を払わない親が余りにも多く、社会問題となっています。一方がきちんとした養育費を払わなければ、もう一方の養育する側は多くの場合苦しい生活に追い込まれます。そして、健康で文化的な最低限度の生活ができずに、生活保護やひとり親世帯の支援など、我が市が財政出動を余儀なくされることになります。
 しかし、そもそも子どもの養育は、親権の有無にかかわらず、両親の責任です。支払うべき養育費を払わない親については、本来負担すべきコストを行政へと外部化していることになります。これは経済学でいえば、フリーライダー、つまりただ乗りです。こうした親を放置することは、不公平感につながります。また、扶助費の増大に苦しむ我が市の財政を圧迫する大きな要因ともなっています。
 ところで、この財政コストは避けることが可能です。諸外国について知り得た範囲では、アメリカ、フランス、ドイツ、スウェーデン、オーストラリア、韓国などの主要先進国において、次のような制度の幾つかを採用しています。養育費の義務化、給料天引きなど行政による代行徴収、滞納時の行政による立てかえ払い、不払い時の強制執行による取り立て、滞納者の運転免許証没収、停止など罰則。
 ところで、我が日本国においては、公正証書等がある場合のみ、司法に訴えれば、不払い時の強制的な取り立てができます。しかし、肝心の行政は動いてくれません。先進諸国に比べれば、全くの無策です。とはいえ、国の無策を嘆いていても仕方がないので、市は市でできることを追及すべきだと考えます。現在、我が市ではどのような取り組みをしているのでしょうか。
 続いて、先進的都市として知られる明石市の事例を御紹介します。
 まず、相談体制です。家庭問題情報センター、法テラス、弁護士会、公証役場などと連携して、こども養育専門窓口を実施し、必要に応じて市役所内に設置された法テラス窓口や弁護士会につないでおり、相談しやすい体制を整えていらっしゃいます。
 次に、啓発です。明石市では、2014年度から養育費の額や支払い期間などを記入する養育合意書の書式を独自に作成し、作成の手引とあわせて、相談時や離婚届の配付時に手渡しているとのこと。この記入は任意です。公正証書のような法的拘束力もありません。しかし、これを両方の保護者が持っておけば、養育費支払いの意識づけとなるほか、調停や公正証書作成の際の資料としても使用できるようになっています。
 このほかにも、明石市はさまざまな取り組みを行っており、2015年版の厚生労働白書でも紹介されています。その後、足立区、文京区、奈良市、鹿児島市などが明石モデルを導入し、全国に広がっています。
 ついては、我が市も踏襲したほうがよいと考えます。市長のお考えをお聞かせください。

市長(吉田雄人)
 次に、養育費の支払い責任から逃れさせない方策について、本市独自の対策が必要だと考えているが、現在はどのような対策を行っているかという御質問をいただきました。
 本市では、現在、窓口サービス課で離婚届の届け出時にお子さんがいる場合には養育費に関するパンフレットをお渡ししています。こども青少年給付課では、母子父子自立支援員が養育費の相談について対応し、必要に応じて市民相談室の無料法律相談や法テラス、養育費相談支援センターにつなげています。また、本市では、市民団体であるよこすかひとり親サポーターズ・ひまわりにひとり親家庭の交流会や法律相談を委託し、養育費の取得手続などについての弁護士による相談会を実施しています。
 次に、本市でも明石モデルを踏襲すればいいのではという御提案をいただきました。
 離婚の際に父親と母親が養育費や面会交流について話し合っておくことは、子どもが安心して健やかに成長していくためには大切なことです。明石市が作成したこどもの養育に関する合意書やこども養育プランの書式については、養育費の支払い義務を意識づけるためには参考になる事例と考えています。今後、明石市の事例などを参考に、関係部局と情報共有し、何ができるか検討し、ひとり親家庭に対する養育費支援に取り組んでいきたいと考えています。

(小林伸行) 続いて、今度は養育費の支払い責任から逃れさせない方策について、市長のほうにお伺いしていきたいと思います。この件も私、離婚届をもらいにいってみたのです。そうしたら、くれませんでした。そのときに面会交流と養育費のパンフレットを渡しているという話だったのですよね。くれなかったので、そういうものはないですかと言ったら、ようやくくれました。これがあることを知らない職員もいました。実際には大してお伝え、啓発できてないと思います。明石市は必ず渡しているようなので、これはしっかり啓発をもう一度入念にするように市長からぜひ御指導いただけたらと思いますが、いかがでしょうか。

◎市長(吉田雄人) 多分離婚届の用紙をもらいに行ったときには渡すようにはなっていなくて、届け出を受けたときには渡すようになっているはずだと思いますが、ただ議員も多分意図せず離婚届をとりにいかれたのだと思いますけれども、その際にも渡すべきだろうと感じられての御発言だというふうに思います。私もそのように思いますので、離婚届等の用紙を必要とするというのは、家庭にとっては一大事ですし、そういうときにしっかりとした情報提供がされることというのは大切なことだと思いますので、ぜひそのように窓口での対応を変えていきたいというふうに思います。

◆8番(小林伸行) 前向きな御答弁いただきありがとうございます。届け出を出す時点では、話が済んでしまっていると思うので、その前の時点でお渡しして、必要に応じてそういう相談もありますよという御案内を差し上げるのがいい啓発だと思うので、そのように改めていただけたらと思います。
 また、相談体制のお話もしました。私は4年前に任期つき採用で弁護士を置いたらという御提案をさせていただいて、ことしの8月から置いてくださったと思います。例えば弁護士などによる養育費の専門相談なども明石市のように実施されてもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

◎市長(吉田雄人) 実はただいま神奈川県弁護士会横須賀支部より議員がおっしゃったような弁護士による養育費の相談事業について御提案いただいています。国の財源等もつきそうだというような見込みも含めて御提案いただいていますので、まずは効果というものを確かめる意味でも、児童扶養手当等の手続が一番重なる8月ごろ、そういった繁忙期に相談窓口を設けることなどについて少し検討していきたいというふうに思います。

◆8番(小林伸行) 弁護士に依頼するのはお金もかかると思います。ただ、私はそこは投資だと思うのです。もし弁護士への報酬として投資して、でもそれで養育費が払われる、公正証書がたくさん組まれるということになれば、我が市の例えば児童扶養手当等は長期的に、これは単年でなくて、長期的に減っていくわけです。それは投資になり得ると思うのです。ですから、これは予防的措置なので、ソーシャルインパクトボンドなども組成できるのではないかと思うのです。ぜひ先進的な取り組みもされているので、そういったものを合わせて行っていただけたらと思いますが、御所見を伺えたらと思います。

◎市長(吉田雄人) ぜひ神奈川県弁護士会横須賀支部の皆さんと相談しながら、まずは忙しい時期限定という形で、その効果というものを図るために具体的に検討に着手したいと思います。


 以下は、他の議事録を時系列に抜粋する。

代表質問 平成11年 第1回定例会( 3月) 03月02日-02号
竹折輝隆議員
その状況のもとで国のエンゼルプランは子育て支援を強調し、その施策を地方にもろもろの方法で実施するよう提起をし、本市でもそれを受けて施策を打ち出しております。それらに期待をしておりますが、これにつきまして私どもなりにこれまた提案をさせていただきますと、それは女性が子供を産んで、その子供が一定の年齢に達するまでは、働かなくとも子育てに専念できる制度、こういう制度を設けたらと考えます。具体的には公費で養育費を保障するとか、また官民一体で幼児施設をもっと充実させ、安心して保育、教育が受けられるようにするなどの体制を確立したらどうかと思うのであります。ここに費用はかかっても、子供は社会の宝であります。その宝を絶やさないためにも、また宝が社会のために生かされ、次の世代へのよい贈り物である、そういうように考えれば私はそれほど高い代償ではないと思います。子育て支援事業のもろもろに散発的な予算をかけることよりも、この方が公費はあるいは生きるのではないかと思いつつ申し上げておりますが、御所見をお聞かせいただきたいと思います。

市長(沢田秀男)
少子化対策についてお尋ねがありました。少子化の一因となっている女性の社会進出の増加は、価値観の変化に起因するものであり、個人の意識を変革することはなかなか容易ではありません。御指摘の公費養育費制度等の所得保障制度は、本来国レベルの問題であります。現在、児童手当制度や税法上の扶養控除制度等があります。子育て支援の観点から、そうした制度の拡充がなされることが望ましいと考えております。地方自治体の子育て支援策は、子育て環境の整備ということが主なものであり、子供を取り巻く社会環境の変化にいかに対応していくかが行政に与えられた課題であると考えております。本市としては国のエンゼルプランに呼応して、よこすか新保育計画(エンゼルプラン21)を策定しました。平成11年度は子育て支援センター(愛らんどよこすか)を開設することにしております。今後も、この計画の推進について積極的に取り組んでまいります。

代表質問 平成20年 第1回定例会( 2月) 02月28日-02号
高橋敏明議員
私はこれからは子育ての世代に対し、ソフト面において思い切った施策を展開しなければいけないと考えています。
 具体的には、出産時における助成の拡大、子育て支援給付、養育費の補助、また、これらの時期における減税措置、小児医療費の助成制度の拡充、借家家賃の補助等が考えられ、財政状況からこれらを導入することは大いに覚悟が必要ですが、本市のこれからの安定的持続を考えれば、これは将来への大きな投資にきっとなるはずであります。
 次世代の育成は、国家的課題でありますが、本市なりの思い切った施策をぜひ打ち出してほしいと考えますが、いかがでしょうか。市長の英断をお願いいたします。

市長(蒲谷亮一)
子育て世代に対し、ソフト面において思い切った施策を打ち出すべきと思うが、どうかというお尋ねでございました。
 少子化対策は喫緊の課題であり、国は昨年12月、子どもと家庭を応援する日本重点戦略を取りまとめ、仕事と生活の調和と、子育てを支える社会基盤整備の2つの取り組みを車の両輪として進めることとしております。
 これらを実現するためには、御提案にある経済的な支援だけではなく、保育サービスの弾力的な運用、家庭保育福祉員などの人的確保や放課後児童クラブなど、多岐にわたる体制の整備が必要であると考えております。
 さきの御質問にもございましたが、本年度から予定しているよこすか子育ち支援計画実施計画の改定に当たり、子育て世代が求めている支援を的確に把握して、新たな施策を展開してまいります。

代表質問 平成27年 第1回定例会( 3月) 02月26日-03号
渡辺光一議員
次に、離婚家庭における子どもの養育支援について伺います。
 横須賀市では、年間2,000件の新たな夫婦が誕生し、それに対して毎年800件余りの離婚が発生しています。100組の夫婦が誕生すれば、40組の離婚が起こる計算です。これに離婚調停中や別居状態の婚姻形態を加味すれば、その数はさらに増加します。この割合は都市部を中心に、全国的傾向を見せており、その陰で夫婦間の子どもの権利が置き去りにされてしまうといったケースも決して少なくありません。必ずしも円満離婚に至る夫婦ばかりではなく、場合によっては子どもの権利を侵害してしまうといったことも問題視されています。離婚成立により、父親、あるいは母親と会えなくなることで、本来、親から愛情を受けるべきはずの子どもにとっては、大変重大な問題ではないでしょうか。
 また、新聞報道によれば、離婚で子どもと会えない親が家庭裁判所に調停を申し立てる件数は、10年前と比べて2倍以上にふえているとのことです。平成24年には、子どもがいる夫婦が離婚する際に、養育費と面会交流について取り決めするように民法が改正されましたが、その実効性が問題視されています。
 両親の離婚で傷ついた子どもを守る取り組みの先進例として、明石市では、未成年の子どもを持つ夫婦が、離婚や別居をする際に、養育費や面会交流の取り決めを示す子ども養育支援ネットワークを昨年スタートさせたとのことです。離婚を考えている夫婦が、市役所に相談に訪れた際に、公正証書作成時にも活用できる養育プランと、合意書の作成支援を制度化しました。
 さらに、面会交流の際には、市内の公共施設を無料で利用できるサポート事業も実施しています。今や離婚率は上昇傾向にあり、子どもたちにとって大変深刻な問題となっています。政府が関与しにくいと言われている家庭内の問題、男女間の問題ではあるものの、何かしらの対策を講じるべき段階になったのではないかとも思われます。
 そこで、市長にお尋ねします。離婚率が高いと言われる横須賀市でも、離婚家庭における子どもにスポットを当て、養育支援策を強化する必要性について、どのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

市長(吉田雄人)
次に、養育支援策を強化する必要性について、御質問をいただきました。
 離婚や別居の陰で、子どもが犠牲となってしまうケースも決して少なくないことは周知の事実ですので、見過ごすことはできない課題であると思っています。
 しかしながら、御指摘のとおり、離婚や別居は個人的かつ非常にデリケートな問題ですので、どこまで行政が関与するかは、かなり難しいものがあります。
 明石市の「離婚後の子ども養育支援施策」などの先進事例から、何が望まれていて、その中で行政が取り組むべき、かつ実効性のある施策は何なのか、研究をしてまいりたいと考えています。

委員会質疑 平成30年  9月定例議会 教育福祉常任委員会 10月01日-06号
◆藤野英明委員 
 続いて、ひとり親の御家庭について、本市の取り組みについて数点伺いたいと思います。
 58ページをお願いいたします。
 平成29年度の注目すべき新規事業としては、養育費等支援事業がありました。児童扶養手当の現況届提出の8月の1週間に、こども青少年給付課の窓口に弁護士を配置して、養育費がもらえない方の御相談に乗り、1回の相談で解決しなければ弁護士につなぐという事業内容でした。大変重要な取り組みだと思います。
 ただ、一方で我が国全体の養育費の支払いが極めて低調な状況の中で、横須賀市がまずこうした取り組みに乗り出したことはとても評価しているのですが、本市の児童扶養手当の受給者が3,172名おられる中で、養育費等支援事業を初年度とは言え利用した方の実績は52名という状況でした。3,172名中の52名という状況なのですが、この実績をどう評価しておられるか、お聞かせください。

◎こども青少年給付課長 
 委員おっしゃるとおり、実際に受給されている方の数の中で、52件というのはやはり少ないかなと感じてはいます。しかし、実際ことし30年も継続しているわけですが、平成29年実績に比べてさらに実は低調になっております。つまり、児童扶養手当の現況届にあわせてやっているということで、一応児童扶養手当の現況届の案内の際に、通知を送らせていただいていますので、当然去年に比べてことしは減ってしまった、こういったことは当然あるのかなと考えています。ですから、件数が少ないというのは、ひょっとしたら我々の側の周知の方法に1つ課題があるのかなと今感じているところではございます。

◆藤野英明委員 
 その周知の方法に関する課題があるのではないかという御答弁いただいて、きっと内部ではもう周知の方法については検討されておられると思います。
 平成29年度決算なので、平成29年度の実績について改めて効果を伺いたいと思うのですが、この52名の方の中で、この事業をきっかけにして弁護士の方々と御相談をした中で、実際に養育費を元パートナーから受け取れることになった方々はおられるのか、お聞かせください。

◎こども青少年給付課長 
 まず、今回の効果測定につきましては、離婚協議中の方もいるであろうというもとに、電話によるアンケートを実施させていただいております。
 つまり用紙によるアンケートですと、どうしても相手方の目に触れてしまう可能性があるのかなというところで、今回は電話でやらせていただいております。
 そして、実際電話で連絡をとれた方が52名中45名、実際に今後養育費の取得に向けて行動を起こされるという方が16名です。
 その後の追跡調査というのは、個人情報の利用の観点からなかなか難しいと判断してやっておりませんので、実際そのお金を受領できるところまでいったかどうかについては、手持ちの資料としてはないというのが実情でございます。

◆藤野英明委員 
 繰り返しになるのですが、養育費がそもそもきちんと支払われていれば、児童扶養手当も必要がないとは言い切れないのですが、本来の親としての責任を果たすべきという観点からは、養育費の支払いが必ずなされるべきだと思っています。
 残念ながら平成29年度よりも平成30年度は人数が少なかったということなのですが、この取り組みそのものは先進的ですし、大変重い意味があると思っています。また効果測定も、個人情報保護の観点から難しいとのことなのですが、いずれは例えば児童扶養手当の数字の変動などにあらわれてくるぐらいに、大きく利用者がふえてくるといいなと考えています。
 これについては、質的な観点から、それから数的な観点からもなかなか実績を評価するのが難しいとは思うのですが、ぜひ続けていっていただきたいなと思っていますので、よろしくお願いいたします。

一般質問 令和 1年 定例議会( 9月) 09月18日-03号
小幡沙央里議員
 養育費の取り立て支援と面会交流支援について。
 現在、本市において児童扶養手当を受給している世帯のうち、養育費を受け取っている世帯は約26%と伺っています。およそ4分の3の世帯において、養育費を受け取っていないことになります。民法第877条において、親は未成熟子を扶養する義務があり、また、第766条では離婚後の養育費について明文化されています。
 以前、小林議員も養育費の逃げ得を許さないという観点で一般質問を行いましたが、本来優先されるべき養育費を受け取らず児童扶養手当や生活保護費が充てられてしまっている現実があります。養育費を受け取っていない理由はさまざまですが、養育費はそもそも子どもの権利であり、親の事情は関係ありません。2016年の全国母子世帯調査によると、そもそも養育費の取り決めをしている方は42.9%しかいないそうです。大阪市では、養育費取り決めの公正証書作成支援と養育費保証の事業を始めています。
 そこで伺います。
 養育費に関する相談を行うとともに、本市でも公正証書を作成する支援を行ってはいかがでしょうか。
 本来支払われるべき養育費が支払われていないのは子どもの不利益でしかありません。兵庫県明石市は全国に先駆けて養育費を立てかえるパイロット事業を行っています。事業開始後、既に4件の不払いが起きており、督促を行ったことで払ってくれた例も出てきたと伺っています。これは、自治体が保証料を保証会社に支払い、不払いが生じた場合、保証会社が不払い分を立てかえ、離婚相手から不払い分を取り立てるという仕組みとなっています。元配偶者と連絡をとるのが嫌で養育費の取得を諦めてしまう人も、この仕組みであれば養育費をきちんと得ることができます。
 本市でも養育費の取り立てにつながる養育費立てかえ事業を行ってはいかがでしょうか。
 養育費が経済的に子どもを支えるものである一方、面会交流は子どもの育ちを心理的にサポートする意味を持ちます。離婚等でどちらかの親と離れて暮らす子どもは、多くが自分の意志とは関係なく親と別居させられています。子どもにとっては離れて暮らしていようと親に変わりありません。親に会いたいと望む子が、一緒に暮らしている親に気兼ねして会えないということもあります。何よりきちんと子ども本人の意思を確認した上で、面会交流支援を行うことは子どもにとって大きな意義を持ちます。
 そこで伺います。
 国の補助事業でもある面会交流支援事業を委託実施の可能性も含め、本市で行うことを検討してはいかがでしょうか。

市長(上地克明)
 次に、公正証書作成と養育費立てかえの支援についてあわせて回答いたします。
 大阪市が実施した公正証書を作成するための支援事業及び明石市と大阪市が実施した養育費を確保するための支援事業については、担当課からその概要の報告を受けました。私もとてもよい取り組みだというふうに感じましたので、前向きに検討するように指示しました。
 このような取り組みが多くの自治体で広がることで、たとえ離婚したとしても、養育費を子どもの健やかな成長のために非監護者が支払うことは義務であり、監護者が受け取ることは当然だと理解される社会になってほしいと考えます。
 次に、面会交流支援事業を本市で行うことについて回答いたします。
 面会交流は、離婚の際に当事者間にて養育費とあわせて、交流の頻度や面会の方法、費用負担などを書面で取り決め実施すべきと考えますので、直ちに実施する考えは今のところありません。県内で実施している自治体もありませんので、他都市の状況を注視し、リスクのない運用が可能と判断したときには、改めて研究してまいりたいと思います。

 続いて、養育費の取り立て支援と面会交流支援のほうに移らせていただきます。
 平成24年に施行された改正民法においては、協議離婚時の面会交流や養育費の取り決めというものが明記されました。それに伴って、離婚届に面会交流や養育費についての取り決めの有無というのをチェックする欄というのが設けられましたが、伺ったところ、このチェック欄というのは現在何も活用されていないそうです。そこにチェックがないからといって、離婚届が受理されないわけではないので、チェックの有無にかかわらず、受理されてしまうので、そこでしていようが、していまいが、何も変わらないという現状があります。
 しかし、すごくもったいないなと思っております。せっかく全ての離婚される方に確認できる機会なので、例えばチェック欄にチェックがない方へ、今、本市で設けているような法律相談であったり、市民相談、また公正証書を作成すると、今後こういうふうな面で便利ですよといったようなチラシを配るなどの案内をしてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。

◎こども育成部長(平澤和宏) 確かに法改正の際に、離婚届の中に取り決めの欄があることは承知しているのですけれども、この取り扱いについては、こども育成部が市民部と協議して、例えばこの情報をこども育成部が知っていいかどうかということなどもありますので、少し協議させていただいて、検討させていただきたいと思います。

◆9番(小幡沙央里) ありがとうございます。ひとり親に関しては、今もさまざま取り組みがなされていると思います。こちらは役所が行っているということで、時間帯として、かなり平日が中心となっているのですけれども、練馬区に関しては、ひとり親支援ということで、養育費のことなども含め、相談しやすい時間帯ということで第二・第四土曜日なども新たに設けております。
 本市においても相談時間帯、ひとり親の支援、養育費の取り立て支援や面会に関して質問できるような時間帯というのを新たに検討していただけないかなと思いますが、いかがでしょうか。

◎市長(上地克明) 非常にデリケートな問題なので、今はどうのこうのとは言えませんが、ぜひ担当部で検討していきたいというふうに思っています。

◆9番(小幡沙央里) 面会交流の支援のほうに関しては、直ちに行う予定はないということでした。ひとり親支援の多くが間接的な子どもの支援である一方で、面会交流支援は、子ども自身の支援であると思っております。子どもに直接かかわることができるもので、子どもと親と家族を全体で見れる事業だと思うので、そういう点でも面会交流支援は大切かなと思っております。
 既に事業を行っている他都市の状況を見ていただくということだったので、ぜひこちらは注視していただいて、親の事情はさまざまであれ、両親ということに変わりはないので、拙速にならないように、子どもの意見を酌み取れるようにぜひ制度を構築していっていただければと思います。

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