切実さに向き合う2020年へ

 2019年は、多くの方にお世話になりました。ありがとうございました。

 今年4月には市議選があり、3期目に挑戦しました。3,000名を超える方々に投票頂き、再選することができました。
 とはいえ、2期目4年間もまじめに取り組んで、良い提言もし、実績も残し、誰よりも議員本来の仕事をしてきた。そんな自負を持っていたので、前回最も票を伸ばした議員が今回1,000票以上の最も票を落とした議員となったことで、落胆して人前に出る自信を失いました。票数は現在、議員のただ一つの評価指標だからです。
 だからこの半年間、声を聴く会や街頭プレゼン、チラシ配布、市政相談ピクニックといった政治活動もお休みして、個々の相談対応と政策づくりに引きこもっていました。

 ただ、いつまでも市政報告をサボるわけにもいかないので、11月から12月にかけて駅頭チラシ配布をしました。経済的に余裕がなくて、新聞折込やポスティングでのお伝えはできておらず申し訳ありません。
 
 「頑張っても、報われないな。」

 それが、今の正直な心境です。
 事実を調べもしない的外れな批判にさらされ、チラシを配れば邪険にあしらわれ、手掛けた実績は理解されず、仕事ぶりが報道で注目されることもなく、昇進も昇給もすることがない。
 でも、そんな泣き事こぼすと笑われるでしょうね。どんな仕事でも報われないことは多いものです。それに政治なんて、過去の歴史を見れば追い落とされたり殺されたり、もともと報われないことだらけの世界ということが私にもわかっていたはずです。

 とはいえ、人付き合いが苦手な私には向かない業界かと思っていましたが、過去20数年、3年程度で何度も転職をしてきた中、9年も楽しく続いているのです。天職に出会うことができ続けられていることに、改めて心から感謝します。

 そして、この間、社会の様々な問題に向き合う場面がありました。自分が下を向いて歩いていたら、もっとよく見えました。
 生活困窮、離婚、アルコール依存症、ギャンブル依存症、精神疾患、身体障害、引きこもり、不登校、解雇、ブラック企業、低賃金……。様々な問題は、誰にとっても無縁じゃない。リスク社会の中では、「勝ち組」に見えている人だって何かの闇を抱えていたり急に転落したりします。
 それを、共感しながら伴走してきたつもりです。

 「頑張っても、報われない」
 そんな思いなら、格差社会で下流に追いやられてきた人ほど感じているはずです。
 言っても、私なんて恵まれてきたほうです。自分では雑草系のキャリアだと思っていましたが、愛情豊かな親のもとに生まれ、保・幼・小・中・高・大すべて公立で税金で面倒みてもらいました。病気も怪我もなく、仕事を辞めても失業保険に職業訓練まで受けさせてもらって、今や税金で雇われる公職に就いているわけです。「政治家みたいな叩かれてナンボの商売を自分で選んだんだから、ちょっとぐらい上手く行かなかったからといって泣き事言うな」という話です。

 そして、いま感じているのは、「現在の横須賀市政は報われない人たちにどれだけ向き合っているだろうか」ということです。
 ここまで格差社会が進んだ今、福祉の網からこぼれてしまった人々をどれだけ救えるのだろう。
 税収が下がり続ける中、福祉の予算を捻出するためには、どこにメスを入れればいいのだろう。
 そして、市議会は声の挙げ方も知らない小さな声に、どれだけ耳を傾けられているだろう。

 二期目以降、私がブレたように見えた面があったとすれば、闘わなくなったことです。
 一期目は、たった独りで正論を吐き続けて撃沈しました。そこで、二期目は闘うのではなく力を合わせて問題にあたることにしました。一期目よりも手応えがありました。そこで三期目はもっと仲間を増やすことに努めました。その結果、市民目線の最大会派を結成することができました。ただし、この過程で目線も少し「主流派」になり、影に隠れた小さな声に鈍感になった面はあるかもしれません。でも、私自身がブレて変わったわけではないつもりです。

 私は若い頃、パンクロックを鳴らしてきました。ロックンロールのいいところは「権威」「常識」「主流」に流されないところです。中でもパンクロックは、ラディカル(根源的)でシリアス(切実)なところが好きでした。
 もう鳴らす音楽はパンクロックではありませんが、どんなに歳を重ねても「スーツとネクタイでメッキしてるけど俺の地金はパンクロックだな」と感じることが多いです。
 9年も市議をやって、自分でも気付かないうちにだいぶ染まってきたのかもしれない。諦めの言葉に慣れてしまったかもしれない。でも、3,000人もの方が見放さずに選んでくださったのは、今までのような期待値ではなく、地金を見て頂いたのだとも思い直しています。

 2020年。
 報われない方々の切実な問題に、根源的な姿勢で向き合っていきたいと感じています。

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