なぜ横須賀市議と市長のボーナス増に賛成したのか?

PPC_1manensatu4mai_TP_V.jpg■自分のボーナス増に賛成しました
 横須賀市議会は12月13日、自分たち議員のボーナスを335%から340%へと5%増額した。これにより、年間46,835円多く頂くこととなり、横須賀市議の報酬は今後、年間1094万円となる。
 ちなみに、計算式はこうなる。
毎月分(月額646,000円×12カ月)+ボーナス分(基準月額646,000円×1.45×340%)=毎月分(7,752,000)+ボーナス分(3,184,780)=10,936,780円

 つまり、私は自分の報酬を増やすことに賛成したこととなる。

 なお、同時に市長・副市長・教育長のボーナスも335%から340%へと5%増額し、各年間38万円前後増額させた。
 私は、現在の横須賀市の業績を考えると、議員も市長らも報酬を増やすべきか疑問に思っている。しかし、今回、賛成したわけだ。
 それはなぜか? 以下、言い訳に聞こえるかもしれないが、理由を述べたい。

■議員報酬は、そもそもいくらがいいの?
 まず、議員報酬について私の考えを述べる。

 私自身は、きちんとした評価のもとで成果報酬を導入できるなら、自分の報酬はもっと上がっていいと思っている。議員は会社で言えば取締役だ。経営者としての自分の見識とこれまでの実績について自信を持っており、株主(市民のみなさん)に十分な利益をもたらしてきたと自負している。
 しかし、現在は成果報酬ではない。単純に個人の成果報酬にすると、「私はこんなに実績出しました!」と目に見える手柄を誇るために市職員を脅して圧力かけて事業をやらせる議員が出かねない。きちんとした言論空間で正当な評価がされる日がいつか来るまでは、成果報酬は議会になじまないと思う。
 議会全体としてどうかと言えば、あまり成果を出せていないと思っている。多くの議員は頑張って仕事なさっており、仕事量が問題なのではない。議会全体として見たときに、「市民意向の市政反映」という結果を出す方向で力を合わせることが不十分なのだ。だから、自分も含めた議員報酬は、今のままなら下げるしかないと考えている。

 私の考え方は置いておいても、そもそも、横須賀市議は素人代表でいいのか、それとも経営のプロであるべきか、まだ横須賀市として議論をしていない。私は素人代表でいいなら報酬をグンと下げて定数を増やせばいいし、経営のプロだとすれば報酬は増額して定数を減らしたほうがいいと思う。
 仮に、これまで同様に人口や都市の格みたいなものでなんとなく決めるのだとしても、他市比較で見ると報酬が高めだと思う。この点については、全国市町村の議員定数&議員報酬比較を提供しており、近く情報の更新もする予定だ。
 それに、しばらく報酬審議会も開かれていない。
 なにしろ、こうしたそもそも話を、これまで横須賀市ではあまりできていないのだ。

■じゃあ、なぜ反対しなかったのか?
 では、なぜ今回、私は議員報酬の値上げに賛成したのか?
 それは、物価も消費税も上がっており、今後の議員報酬について議論するきっかけにもなるとなると考えたからだ。

 今回は、人事院勧告に沿って物価や民間の給与水準に合わせて一般職の公務員給与を上げる際に、一緒に政治家ら(特別職公務員)も上げようとするものだった。だから、横須賀市議会内でも「近年の消費税増税や物価上昇をふまえた、いわば物価スライド的に、ひとまず上げておこう」という空気感だったように思う(思う、と他人事のように書いたのは、私自身は他会派の議員とこのテーマについて話をしていないからだ)。
 もちろん、そうだとすれば提案理由の説明も「特別職の国家公務員の給与改定の措置に準じ」(国会議員が上げるんだから、あなた方も上げたらどうですか)などという地方自治にそぐわない理由をつけた市長提案に乗るべきではない(ちなみに、市長のほうも議員ボーナス増を望んで提案したわけではなく、議会をおもんばかって議案提出しただけだろうから、市長が悪いわけではない)。ボーナスを上げたいなら、きちんとした理由を述べて、議会が自ら議案提出すべきだったと今なら思う。

 とはいえ、議会内は多数決で動いており、今回は私の考えが通る見通しはないと判断した。あと、恥ずかしながら私が議員報酬の仕組みを一部誤解していて、採決近くなって理解を深めたため、ここに書いたような本質的な議論を投げかけられなかった面もあった。
 ただし、代わりに私たちの会派・よこすか未来会議としては、議員報酬の在り方について今後、議会としてきちんと議論をすることについて、意見の一致をみることができた。
 そのため、私は値上げに賛成した。市長らの報酬についても「物価スライド」分と考えて賛成した。

 とはいえ、12月13日の共産党・大村議員の反対討論は正論であり、立派だった。大村議員の討論の趣旨に私は同意するが、採決態度は分かれた。

■今後の対応について
 企業では近年、企業統治(コーポレート・ガバナンス)を強化している。その一環として、大きな上場企業では、指名委員会等設置会社(旧・委員会等設置会社)への移行が進んでいる。これは、取締役会がグルになってお手盛りで自分たちの報酬を上げたりお仲間ばかりで経営陣を固めたりしないよう、取締役を誰にするか、その報酬をいくらにするか、指名委員会や報酬委員会で決定する制度だ。これらの委員会は、半数以上を社外の人間とすることが条件となっている。

 実は、似たような仕組みは横須賀市役所にもある。「報酬審議会」だ。「特別職報酬等審議会条例」という条例で、議員報酬や市長らの給与を決めるには審議会を開かなきゃいけないと定めている。
 しかし、この条例には実は不備があった。議員報酬や市長給与は、あくまで「月額」と解釈されている。つまり、ボーナス(期末手当)は、審議会に諮らなくとも、議会が勝手に決めていいこととなる。だから、今回のボーナスUPは審議会にかけずに議会だけで決定したのだ。
 しかし、ありえないことだが、仮にボーナスを340%から1,000%にすることだってできる。そうすると議員報酬年額は1712万円となり、日本最高額の横浜市1641万円を超える年棒を得ることも可能になる。もちろん、そんな暴挙は考えられないが、制度に抜け穴はないほうがいい。コーポレート・ガバナンスの考え方に倣えば、少なくとも誰の監督も受けない議員については本来、年額全体について外部の報酬審議会の目でチェックされるべきだと思う。
 「過ちて改むるに憚ること勿れ」。この件については、条例改正を議会内で模索したいと考えている。

 いずれにしても、今回、横須賀市議会は議論なき値上げをした。大村議員が討論にて意見表明をした以外は、竹岡議員の質問1件だけで議論らしい議論はなかった。
 だから、今後、議員報酬について抜本的に議論する責任を市民に対して負ったと私は考えている。
 株主である市民のみなさんの目の前で、きちんと説明責任を果たしていきたい。

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