2018年10月24日

【委員会視察報告・中編】消防団員の増やしかた〜松山市〜

image2.JPGimage1.JPG【二日目:10月24日】
(写真は、松山城前を走る路面電車。SLタイプの「坊ちゃん電車」というのもあった。さすがに観光都市と関心)
 二日目には、愛媛県松山市を訪れ、下記の2項目についてお話を伺った。
A.松山市と本市の災害時相互応援協定
B.消防団員確保

A.松山市と本市の災害時相互応援協定
 災害時相互応援協定については、内容は自分のまちで聞けばいい話なので、松山市側の決定経緯について簡単にお話を伺った。
 省略して言えば、NHK大河ドラマ『坂の上の雲』放送時に、物語の舞台となる松山市と横須賀市が「集客パートナー都市協定」を結んだが、その連携が下敷きとなって災害時協定につながったとのことだった。
 余談だが、この両市の「集客パートナー都市協定」締結時には、「坂の上の雲」の主人公の一人・秋山真之の孫である、故・大石尚子元衆議院議員(神奈川4区)・参議院議員も関与されていたと松山市の職員から聞いた。私もご恩がある大石先生だが、祖父が過ごした2つのまちへの思い入れは強かっただろう。それに大石先生は、参議院の全国比例で出馬されたとき、特に松山で活動をして「坂の上の雲」票で繰り上がり当選を勝ち取ったとも言われている。恩返しの気持ちもあったろうか。

 閑話休題。

B.消防団員確保
 今回の主眼である消防団員確保だが、全国では消防団員の減少に歯止めが止まらない中、松山市では10年以上連続で団員増を続けている。それを実現した対策を伺った。私の整理では、大きく5点ある。

(1)高校生への周知
 そもそも消防隊と消防団の違いを理解していない人も多いだろう。私も30代までわかってなかった。地域の人々を地域の若手でまもる共助の仕組み・消防団について、まず知ってもらうことが長い目では大切だ。

(2)大学生の勧誘
 松山市消防局の隊員のうち市内4大学出身者に、大学ごとのプロジェクトチームをつくらせ、様々なツテを辿って母校の学生にアプローチしてもらった。それが功を奏した。第一陣で入団した大学生団員たちの話を聞いて、同級生や後輩らが続き、現在では160名規模の大学生団員がいるという。また、愛媛大学のブラスバンド部にごっそり入団してもらい、松山市にはなかった消防団音楽隊も誕生。同様に消防団チアリーディング隊も発足したそうだ。

(3)企業との連携
 かつての消防団は地域の自営業者が主体だったが、近年では住む地域を離れた場所に通勤している団員も増えている。こうした、いわゆるサラリーマン団員の多い地域では、日中に家事があっても出動できる人がいない。そのため、地元のネッツトヨタとフジスーパーと連携し、それぞれ10名強の職員が就業時間限定の団員・事業所消防団員となってくれた。
 なお、他に郵便局の職員も多数団員になっており、配達をしながら見回るとともに、地域を巡る中で得た情報を災害時に活かすことになっているという。ただし、これは既存の団員の機能代替ではなく、追加的機能となる。

(4)女性団員の採用
 松山市には島嶼部があり、これらの島々からは男性が日中は漁に出かけたり市街地に船で出勤したりしている。当然、火事には駆け付けられない。かといって、ネッツトヨタやフジスーパーのようなお店もない。こういう場所では、アイランド・ファイア・レディースと名付けられた女性団員を採用し、活躍している。
 また、市街地でも、積極的に女性団員を採用している。ただし、市街地では男性の仕事と女性の仕事をはっきり分けている。女性は、避難所での対応などを想定して訓練しているという。また、消防団の事務などを担う団員もいる。

(5)団員への心遣いと優待拡充
 団員に対しては、「団員になってよかった」と思えるような制度を様々な面で整えている。
 団員用の法被は、市内事業者の帝人が開発した難燃性繊維で製造し、団員の安全に配慮している。
 また、分団詰所(松山市の表現ではポンプ蔵置所)の耐震化やリフォームなども積極的に実施している。
 加えて、団員には団員証を交付している。この団員証は、SUICAやPASMOのような交通系ICカード機能付きになっており、普段持ち歩くのに便利だ。なんといっても、これを提示すれば市内302店の各種店舗にて割引など優待が受けられるようになっている。併せて、これら団員に協力している事業者に対しては、市から「協力事業所」として認定証を交付し、店舗に貼り出せるようにしている。
 とりわけ就職を控えた大学生に対しては、就職活動時に市長からの認証状を発行している。事実上の就職の際の推薦状だ。ちなみに、これを持って市の採用試験を受けて採用された学生もおり、中には消防隊に入職した者も出ているという。市長が出した推薦状を持って面接を受けた学生は、職員もなかなか落とせないだろうしなあ。


 以上、様々な方法で団員を増やしている松山市。注目すべきは、女性・大学生・事業所団員といった特別団員だけではなく、一般の基本団員も年々増加を続けていることだ。頂いた資料と、この視察報告を本市の消防局にも渡して、本市の参考としてもらおうと思う。
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(余談だが、愛媛では蛇口をひねるとミカンジュースが出てくるという都市伝説は本当だった。ただし、むしろ都市伝説に現実を合わせた疑惑。地元産100%のMIXジュース350円也。美味)
posted by 小林のぶゆき at 17:21| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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