2018年06月28日

【会派視察報告:後編】うわまち病院跡地をどうするか?〜東海市〜

IMG_4242.JPG 視察報告の続きです。

第三日 5/24(木)

 会派視察3日目、視察項目5つ目は、東海市だ。病院の跡地利用についてお話を伺った。

 東海市は、合併前は「横須賀町」という名前だった。なんとなく縁を感じる。
 とはいえ、置かれている状況は、全く対照的だ。東海市は、企業が多く立地して市の財政も豊かなので、国からの仕送りである地方交付税の不交付団体だ。名古屋のベッドタウンとして人口もまだまだ増えており、公共投資も民間投資も含めまちづくりの開発が続き、いまなお伸び盛りだ。加えて、東洋経済新報社が毎年発表している「住みよさランキング」2018でも20位に位置している
 ちなみに、衰退基調の横須賀市は「住みよさランキング」2017で716位/814市区(県内15位/19位)。そこまで低いとは思わなかったが、それが実力なのだろう。なお、県内16位・秦野市、17位・綾瀬市、18位・座間市、最下位19位・三浦市らしい。

 さて、そんな東海市だが、今回、病院跡地の活用について学ぶために伺った。
 横須賀市では、うわまち病院の建て替えが控えている。そして、うわまち病院を現在の場所で建て替えるのは、2つの面で「あり得ない」。そう我々の会派では考えている。

 第一に、うわまち病院の機能を止めるわけにいかないということだ。そして、病院を運営しながら同じ場所で建て替えもする、というのは難事業だ。
 この問題は、市が諮問した市立病院運営委員会の「うわまち病院建替え検討の答申書」の中でも指摘されている。

 第二に、これが最大の理由だが、現在のうわまち病院は場所が悪すぎる。
 まず、導線が狭く駅から遠いなど、純粋に立地面で悪条件だ。
 加えて、何よりも横須賀共済病院にあまりにも近すぎる。私は最近まで、民営の共済病院と市立のうわまち病院が競合していると考えていた。しかし、全国有数の優良病院として医療業界内で知られる共済病院とは競合ではなく、うわまち病院が圧倒されていたことを最近知った。うわまち病院は、国が手放した経営状態の悪い病院を市が譲り受け、本市の職員と指定管理者の地域医療振興協会が必死に立て直したという経緯がある。そして、経営努力が優れていたので、本来の実力以上に善戦し、共済病院に次ぐ三浦半島の基幹病院として再生した。ところが、このあおりを受けて、南西側をカバーする市立の市民病院の経営が悪化している構図がある。

 横須賀市全体や三浦半島の医療体制を考えたとき、惰性でこの現状を招いた市長と議会の経営責任は問われていい。そして、あるべき姿へ舵を切るべきだ。
 我が会派の考えるあるべき姿はこうだ。市の東側の急性期は、あらゆる医療資源の揃った共済病院に完全に任せる。そして、中途半端な市立2病院を整理し、南西部をカバーする急性期の大型総合病院をつくる。場所は、市民病院への集約もしくは久里浜駅周辺か衣笠IC近くへの新設がいいだろう。その上で、市民病院の転換もしくは新設あるいは民間連携により、亜急性期や回復期の充実を図る。こういう将来像だ。

 いずれにしても、先に挙げた2つの理由からも、あるべき姿から考えても、うわまち病院を現在の場所で建て替える選択肢は考えられない。

 そうなると、うわまち病院の跡地利用を想定しておかなければならない。どうすればいいか?
 前置きが長くなったが、その参考とするために東海市に伺った。
IMG_4241.JPG

 東海市では、市立だった東海市民病院の跡地を、ホテルとスポーツジムと温浴施設として活用する予定だ。

 経緯はこうだ。
 うわまち病院跡地は市の土地だが、東海市民病院跡地は民間の土地だった。しかし、市役所の北側に位置し、市立中央図書館とも隣接するなど、市の中心部とも言える立地であることから、東海市は市の政策目的に沿って使いたいと考えた。そこで、民間から土地を買い取ることとした。なかなか珍しいケースであり、議会からも懸念の声はあったようだが、了解が得られた。

 市の政策目的とは何だったのか?
 第一に、東海市では、いわゆる観光地ではないが、旺盛な企業活動によるビジネストリップや中部国際空港と名古屋の真ん中に位置する立地から、ホテルの増強が必要と見込まれていた。
 第二に、スポーツクラブが不足しており、市民の健康寿命を保つためにもスポーツクラブを誘致したかった。

 これらを達成するために、東海市は民間活力に頼ることにした。事業分野や昨今の潮流から考えれば当然かもしれない。宿泊施設と健康増進施設に条件を絞ったうえでの定期借地権を設定。各種、補助制度なども整え、事業者を募集したところ、応募があり、計画が決まった。

 結論から言えば、「うわまち病院を現地建て替えしない」と最終決定したわけでもなければ、「跡地はこう使うのが望ましい」という方針を立てられているわけでもない現状では、東海市の事例がすぐさま本市に活かせるわけではない。とはいえ、やはり市の財産は単に「なるべく高く、どんどん売っちゃえ」というものではなく、市の政策目的に沿って使うべきだし、その際には条件付きの定期借地権や補助制度などの政策誘導手法が使えることも学べた。
 市民から見れば、直接役立たない視察は道楽に見えるかもしれないが、我々の会派は本気で市の今後の経営を考えているし、今回の一連の視察の内容と密度は、道楽じゃとてもできないと感じて頂けるのではないかと思う。

 以上で視察報告を終えたい。
posted by 小林のぶゆき at 13:37| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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