【視察報告前編】市長で、市は変わる。~舞鶴市~

IMG_3029.JPG 2017年4月18日(火)~4月20日(木)の日程で、舞鶴市と富山市に視察に伺った。今回は、議会全体や各委員会の方針に沿った公的なものではなく、いわば「自主企画」であり、一議員として、政策判断や政策実現のための材料を得ることを目的としたものである。
 ただし、市民のみなさんの税金である「政務活動費」を、交通費・宿泊費等に使っている。だからこそ、どれだけ意義のある視察だったか、私には説明責任が問われることになる。今後の仕事ぶりで市民のみなさんに判断頂きたい。

 初日は、ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟主催の研修会「地方創生時代の政策と議会のあり方を学ぶ」 in 舞鶴に参加した。

 様々なことを学んだ。しかし、最も痛感したのは「市長で、市は変わる」ということだ。
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 同議連の研修会は例年、前年のマニフェスト大賞受賞者のまちで開催する。そう、昨年の大賞に輝いたのが、多々見良三・舞鶴市長だった。(お写真は舞鶴市ホームページより→)
 正直に言って、昨年の授賞式での数分間のプレゼンテーションを聞いて、「あんまり政治家っぽいオーラのない市長だな。医師として医療の現場をよくわかっている専門家が、地元の医療問題を解決しただけで、基本的には気の優しいジェントルマンなんだろうな」とか思っていた。
 大いなる勘違いだった。今回、じっくりと講演を聞いて、ガラリと認識を変えた。多々見市長は「プロの経営者」だった。

 ピーター・ドラッカーが、『非営利組織の経営』という有名な本を書いている。今回、多々見市長の話を聞いて、この本を思い出した。ドラッカーがこの本の中で、自分が関わった病院経営の事例をひきながら原理原則を説いていたからだ。
 この本を読んだ当時、私は環境NPOに関わっていて、「非営利組織と言えばいわゆるNPO団体」みたいなイメージで読み始めた。ところが、当然のことだが、病院も、学校も、市役所も、PTAも、NPO(非営利組織)なのだ。そう捉えたことがなかったので、「よのなか科」の勉強をサボってきた20代の私には新鮮だった。
 その後、自分自身も転職し、NPO団体の他に、政治家事務所、政党、市役所、と多くの非営利組織に関わってきた。そして、きっとドラッカーの言う非営利組織の経営に必要な原理原則は、どのNPOにも当てはまるのだろうなと思った。むしろ、成熟社会においてはどんどん人間がカネで動かなくなりつつある中、営利組織にすら当てはまるんだろうな、と思った。

 閑話休題。つまり、よくよく考えてみれば、多々見市長は舞鶴共済病院という非営利組織の経営を5年半にわたって担ってきた経営者なのだった。ドラッカーの説くように、経営には原理原則がある。それを、知っている人は、病院だろうが行政だろうが、応用できるのだろう。
 彼の経営判断や経営手法の詳細については省くが、本人の話を聞く限り、多々見市長は「気の優しいジェントルマン」などではない。物腰こそ柔和だが、「創造的破壊者」だ。
 事業仕分け、職員人事評価、単なるコスト削減だけの行革に陥らないスクラップ&ビルド型の予算編成、それを可能にする企画調整と財政運営部署の一本化、ファシリティマネジメント推進など、矢継ぎ早に打ち出してきた。2011年2月の就任だから、同年5月から市議になった私とほぼ同じ6年の間にこれだけのことを実施してきたことになる。
 もちろん、仕組みづくりだけでなく、この間に市内4つの中核病院の連携型経営「統合」や、「舞鶴引揚記念館」の直営化と関連資料のユネスコ世界記憶遺産登録など、具体的な課題でも実績を積み上げてきた。

 これだけの行政経営者もそうそういないものだが、誰が見つけてきたのか? 「地元出身者じゃないから」とか「行政に関わったことない人だから」といった曇った目で見ることなく、経営能力を見初めて引っ張ってきたのは議会の人々だった。前市長が、とりわけ病院問題で舵取りを誤りそうになったとき、議員の多数が当時、当時の多々見院長のところに押しかけ、出馬を要請したのだという。
 このエピソードを聞くと、市長も市長なら、議会もまた議会だと思う。もちろん、議会には執行権はない。執行は市長に委ね、大きな視野で監督するのが議会だ。しかし、市長の執行に問題があれば、ただ市長を批判するだけでなく、より優れた執行トップを見つけてくる。これも、責任ある議会の重要な仕事だと改めて感じた。

 その他、大津市議会「ミッションロードマップ」、福知山市議会「出張委員会、高校生フレッシュ議会」、京丹後市議会「政務活動費の導入経過」、亀岡市議会「子ども議会」、舞鶴市議会「議会活動基本計画」など、様々な先進事例について、当事者から直接説明を伺った。
 以前、過去記事『走り続ける会津若松市議会から凋落の横須賀市議会が学ぶこと』でも、全国の議会改革の潮流についてお伝えした。

 改めて、議会改革は「形式要件」から「実質要件」の改革へ、第2ステージに入っていると感じた。我が横須賀市議会は、この波に乗り遅れてこそいるが、この2年余りの間に板橋衛議長を先頭にして制度整備をしてきた。あとは、中身を積み上げていくだけだ。
 議会として、しっかりと市民の声をカタチにしていく「政策形成サイクル」をまわすと同時に、6月にはまっとうな市長を市民に選んでもらって、市民起点の政策をきちんとした執行に委ね、市民満足を上げていきたい。心からそう感じた。

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