【委員会視察報告前編】産プラは富士市f-Biz型の中小企業コンサルに入れ替えよ!

 2016年10月31日(月)~11月2日(水)の日程で、委員会視察に行ってきた。
 横須賀市議会では、議長を除く40人の議員が10人ずつ4つの常任委員会に分かれて、分担して市の経営を深くみることになっている。
 →横須賀市議会の委員会
 担当する委員会は、会派ごとにくじで割り当てられる。毎年、違う委員会を担当する者もいるし、できるだけ同じ委員会を担当しようとする者もいる。私は毎年変わっており、今年は総務常任委員会に所属している。この委員会では「今年も全員で先進事例を見て、共通認識をもってやろう」という話になったので、委員みんなで視察に行くことにした。
 なお、この視察は各議員の政務活動費ではなく、議会全体のおサイフでまかなわれる。基本的には、交通費と宿泊代のみである。いずれにしても、みなさんの税金であり、税金をかけた分以上の知見を持って帰らねば失敗となる。

静岡県富士市「創業者・中小企業支援施設について」
 最初に伺ったのは富士市産業支援センター、通称f-Biz

 正直言って、行くまではあまり期待していなかった。どうせ「立派な施設作って、国からの補助金か何かもらって中小企業支援をしていたけど、成果が上がらないから民間に任せたらわりと上手くいきました」的な話かと思っていた。
 着いてみたら、まず施設は全然華美ではなかった。中央図書館分館の1階と2階の一部を使っているだけで、どちらもコンビニより狭いくらいだ。3Dプリンタとかを備えたファブラボ的な機能もない。仕切られた会議室すらない。人がいて、机と椅子とパーテーションとパソコン類があるだけだ。特別なものは何もない。

 センター長の小出宗昭さんが自ら説明をしてくださり、ようやくここの本当の価値がわかった。「知恵」だ。
 私も以前、小さなコンサル会社で下働きをさせてもらったので、「知恵」の価値も、コンサルタントの実力も、多少はわかるつもりだ。そして、小出さんの話を聞いて、本物のプロのコンサルタントだと感じたし、改めて「こういうことなんだよな」と思った。自分が無知で知らなかっただけで、実はここは全国から注目を浴びる第一線の中小企業支援コンサルティング・ファームだった。その成果は各種報道などでも触れられているので割愛する。私にとって大事なのは横須賀市に活かせる要点だ。

 小出さんの話の中からポイントを抜き出すと、次のようなものだ。
・大企業向けには大手のコンサル会社がある。
・大手コンサルは、ピカピカの人材を揃え、高いフィーをとる。
・中小企業には、大手コンサルに頼む金などない。
・コンサルのフィーが払えない中小企業のために、行政支援が要る。
・しかし、行政の支援機関はことごとく失敗している。
・制度が悪いわけではない。コンサルタントがいないだけだ。
・大企業向けコンサルと、中小企業向けコンサルは、違う。
・中小企業診断士や税理士がコンサルティングできるとは限らない。
・中小企業支援には、知恵が必要だ。
・知恵を出せる人には、適性がある。
・適性は、経験や資格とあまり関係がない。
・ビジネスセンス、コミュニケーション力、情熱が重要だ。
・おカネでなく、人のためにやりがいを感じるピカピカな人材がいる
・そんな人材を公募やスカウトにより年棒1200万円で迎えられる時代。
・1年契約で、成果が出なければ別の人に交代させる仕組みが良い。
・適性を見抜くには、実際に中小企業の方に来て頂いて、質問させる。
・どんな質問をするかで、実力はある程度見える。

 話を伺いながら、正直ワクワクした。「俺が企業経営者だったら、こういう人に相談したいな」と思った。そして、なにより、「これは横須賀市にあるべきだ」と思った。

 横須賀市の公的中小企業支援機関としては、産業交流プラザがある。この機関の設置目的は産業交流プラザ条例にこう書かれている。
経済の国際化及び情報化並びに技術革新の進展に対応するため、地域の産業振興の交流拠点として、本市に産業交流プラザを設置する。

 ところで、産業交流プラザは産業振興の役に立っているのか?
 市のホームページでも、指定管理者のホームページでも、貸館としての説明に終始している。そう、つまり、たかが貸館に堕している。産業交流プラザの課題と解決策については、過去の視察報告でも触れているので、ここでは割愛したい。
 →「会派視察報告【神山町】IT企業を呼び込む成功則はあるのか?」
 →「【委員会視察報告】柏にできて横須賀にできない創業支援拠点」
 →「【会派視察報告前編】まちをデザインする神戸市」
 ただし、上記報告でも触れている通り、人が大事なのだ。その点は、小出さんの話からも明らかで「我が意を得たり」と感じた。

 もう、四の五の言う必要はない。産業交流プラザは即刻廃止。貸館として別なスタートを切ればいい。プラザ内にテナントとして入っている横須賀市産業振興財団は実質的な相談業務をして頂いている団体だが、市の関与がある限り、これ以上の力を発揮できない。ついては、市の出資額4億円(出資割合73%)を引き揚げて、残る1億4760万円(出資割合27%)を出資している65の企業・団体による民営化なり廃止なりしてもらえばいい。
 その上で、すでに実績を出しているf-Bizをそのまま横須賀に持ってくる。これを新生・産業振興財団に運営してもらうのか、他の民間企業に運営してもらうのかは、ここでは問わない。
 f-Biz型の事業に、地域性などない。事実、工業集積地である富士市でも、天草市の離島でも、軌道に乗っている。要するに、そこに人がいて、何がしかの産業があり、支援ニーズがあれば、行政のカネを使って良いコンサルタントを招き、支援するというだけの、ある意味で非常にシンプルな事業である。

 なお、小出さんの「みんなのビジネスを応援する小出宗昭の日記」2016年11月4日の記事でも、我々の視察について取り上げて頂いた。
 →『本気の意見交換ができる視察が増えています。』

 こんなふうに書いて頂いたのは、単に情報のやり取りではなく、魂の響き合いがあったからだと感じる。委員会発議で、市長に導入を「指示」したいと思った。

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