中学校給食をめぐる議論について―給食やりなさい!条例は政治介入か?

SchoolLunchSurvey.png5年前に私がたった一人で声をあげ、色々な批判を浴びながらも進めてきた中学校給食導入。
当時は、公明党さんや共産党さんをはじめ、導入を訴えてきた議員もいったん矛を収めて沈静化しており、火が消えた状態になっていました。そこへ、私がもう一度火を点けて、せっせと薪をくべ、市民や各方面に働きかけた結果、市内全域に火が燃え広がりました。
その意味では、私は「再び火を点けた男」であって、みんなで育ててきた果実だと考えています。あとは、みんなで協力して、果実をいかに早く収穫して市民に提供するかがポイントだとだと考えてます。

さて、中学校給食をめぐる論議が拡がったのはいいのですが、ここへきていくつか整理しておいたほうがいいなと感じることがあります。
市民運動をしていると、色々な考えの人が関わるので、本質ではない部分で分派しがちです。日本の市民運動やサヨク系の悪い癖です。でも、争う必要はないと僕は思うので、ここは力を合わせて進みたい。なので、無用な誤解で不信感が拡がらないよう、未然にいったん2点にわたり整理です。


1)給食を条例で強制的にやらせることについて
給食を教育委員会に強制することについて、「イヤだ」という反応は当然あっていいのですが、「不当ではないか?」と問われれば、「問題ない」というのが既に決着済みの答えです。

「政治」というのは、「市民の意向に行政を従わせること」です。従わせる手段は、法令や議決など、様々な手法があります。その政治を代行するのが、我々、素人の代表としての政治家です。素人が統治するので、「レイマン・コントロール」と呼ばれます。
しかし、教育は素人ではなく専門家である教育委員に委ねる仕組みです。教育への政治介入を防ぐためです。「進化論は嘘だ。聖書と矛盾するから教えるな」「竹島も尖閣諸島も日本の領土だと明記しろ」とか言って一方の見方ばかり押し付けてくる人がいるので、イデオロギーから離れて多様な視点から純粋に学術的なことを教えられるように、アメリカで考えられた制度を日本にも導入したのです。

ところで、給食は教育の一環として行われますが、そこに政治家が口を出すことは政治介入になるのか?
まず、学校給食法でも社会通念上も給食を実施すること自体は既定路線なので、「実施しろ」は政治介入になりません。これまでずっと教育への政治介入を防いできた日教組。私は彼らとは考え方の違う部分もありますが、彼ら自身が「教育環境の整備」への働きかけは政治介入ではないという整理をしています。
ただし、「給食は神様にお祈りをしてから食べろ!」とか「洋食は出すな!」とか、給食の実施のされ方や中身にまで口を出したら、給食は教育の一環なので政治介入になると思いますが、「給食を実施しろ」「実施するなら、親子方式かセンター方式にすべし」までなら許されると考えるのが一般的な理解です。
ただし、もちろん共産党さんなどが「教育環境整備であっても、口出すのは私たち好きじゃない」と言うのは自由だし、理解できるので、それを非難したりはしません。


2)給食費未納と公会計化について
この5年間、「中学校給食を導入しよう!」と言うと100人以上の人に「給食費未納の問題を何とかしろ」と言われ続けてきました。いい加減にこの話をするのも疲れてきたのですが、そもそも「給食を導入するかどうか」と「カネ払わない奴がいる」というのは、全く別の話です。それは、教育委員会自身が認めています。

また、そもそも横須賀は未納者が少ないんです。全国的には未納額の率が約0.6%のところ、横須賀では未納率0.3%なんです。1000人いて3人です。だいたい、お金が本当にない家庭(就学援助&生活保護)の場合は給食費が無料なので、市内の小学生19,588人(2015年)のうち1/5はいるとして、その分を除いた16,000人の0.3%だと50人もいないという計算です。
この子たちの親は払えるのに払わないわけだから、公会計化してガツガツ取り立てるというのは、僕はやるべきだと思いますね。

この未納問題は、4年前、平成24年の一般質問で僕が片づけ済です。給食導入の是非とは別の話なので、ごちゃまぜにせず、別な場で議論してほしいです。以下、いちおう貼り付けておきます。

以上です!
http://kobayashinobuyuki.com/index.php?SchoolLunch
平成24年9月21日(第3回定例会)本会議

 まず、中学校給食について。
 第1回定例会の個人質問で、私は学校給食について教育長を責めるような質問をしました。しかし、それは間違えではなかったかと思い始めています。というのも、やはり財政上の壁が大きいのでしょうし、教育委員会は市長部局からの独立性を保つことにはなっていますが、実際には、特に財政面では市長の意向が大きく影響するのだと推測します。実際に、近隣の市町村の動きを見ると、市長の姿勢で大きな差が出ているように思われます。
 まず、葉山町。2012年1月の町長選でマニフェストに弁当か給食か選択できる中学校給食の導入を目指しますと掲げた山梨崇仁町長が勝利しました。その後、外部の委員も交えた拡大検討会議が開催されて具体化に向かっています。
 次に、鎌倉市。ここではマニフェストに中学校給食の導入に取り組みますと掲げて当選された松尾崇市長がいらっしゃると。ここでは保護者や生徒を対象に大規模なアンケートを実施されて、その結果を2012年4月に公表しました。それによると、約7割の保護者が給食もしくは選択制給食を望むという結果でした。今後は検討委員会を開いて、今年度中に方向性を示すというふうに伺っています。
 というわけで、横須賀市に目を転じてみると、吉田市長は中学校での完全給食を導入することは考えていませんというふうに明言されています。ということは、どうやら中学校給食の導入を阻んでいる阻害要因というのは、あなたではないかということが私にとってはっきりしてきたわけです。ついては、吉田市長におかれては、任期中に導入は検討しないというふうに理解していいのでしょうか。
 次に、今後のために重要な質問をします。
 仮に吉田市長が次の市長選に出馬されることになったとして、2期目のマニフェストや公約に、中学校給食の導入検討を盛り込む可能性はないでしょうか、お聞かせください。
 次に、教育長に伺います。
 一部のマスコミでは、給食費未納の問題をあげつらう向きがあります。そうした中、横須賀市のPTA協議会でも中学校給食についてのアンケートを実施され、その結果を2月に公表されたのですが、このような設問なのです。質問1、中学校に完全給食を導入した場合の問題点は何だと思われますか。質問2、全国的に給食費の不払いが問題になっておりますが、お考えをお聞かせください。
 私はPTAの一人ですけれども、この問題点ばかり聞いてメリットを聞かないというこの設問を見て、これをつくった人はアンケート下手だなと正直思ったのですけれども、それはさておき、給食費未納の問題というのは、実際に我が市にとってそれほど大きな問題になっているのでしょうか。平成23年度末時点の小学校における給食費の未納額及び徴収率を教えていただきたいと思います。また、その徴収率は全国の状況と比べて高いのか、それとも低いのか、教育長の評価をお伺いしたいと思います。
 さて、私がまちで中学校給食の導入を訴えていますと、よく給食費の未納問題について尋ねられるのですね。そもそも私が提案しているのは、お弁当と給食の選択制ですから、払わない人にはそれ以後給食を出さないだけの話なので、そもそも問題にならないのですが、それはさておいて、給食費未納の問題というのは、中学校給食の是非を検討するに当たって論点となるような大きい問題なのでしょうか。私は別な概念ではないかと思うのですけれども、教育長の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

(吉田市長) 次に、任期中に中学校給食導入を検討しないのかという御質問をいただきました。中学校では、家庭から持参するお弁当を基本にミルク給食を実施していまして、弁当を持参できない場合に利用できるパンや弁当の注文販売の制度も定着してきています。中学校に完全給食を導入するには、大きな財政負担を伴うことや学校でのさまざまな対応が必要なことなど、多くの課題があり、当面、中学校給食導入の検討を行うことは考えていません。次に、次の市長選に出ると仮定して、2期目のマニフェストや公約に盛り込む可能性はないかという御質問をいただきました。任期をまだまだ残す中で、仮定を前提とした質問にはお答えを控えさせていただきたいと思います。次に、平成23年度末時点の小学校における給食費の未納額及び徴収率、そして、全国との比較及び給食費未納の問題は中学校給食導入の是非を検討するに当たって論点となるような問題かという質問については、教育長から答弁いたします。

・学校給食費の未納額及び徴収率について
(永妻教育長) 初めに、学校給食の未納が本市にとって大きな問題となっているか、また、小学校における給食費の未納額及び徴収率について、そして、その率が全国の状況と比べてどうかとの御質問をいただきましたので、あわせて回答させていただきます。学校給食費につきましては、毎年度、一定の未納額が発生しています。ほとんどの保護者の方が適正に給食費を納入してくださっていることを考えますと、公平性の観点から、解消に向けて取り組むべき重要な課題であるととらえています。平成23年度の学校給食費約10億円のうち、未納額は、年度末現在で270万3,235円、徴収率は約99.7%となっています。文部科学省がことし4月に公表いたしました平成22年度の全国の学校給食費の未納額の割合は約0.6%ですので、徴収率は約99.4%となります。本市の平成22~23年度の未納額の割合は約0.3%、徴収率は約99.7%ですので、全国の状況と比べると徴収率はやや高くなっていると思っております。次に、給食費未納の問題は、中学校給食の導入の検討に当たっての論点とは別な概念ではないかとの御質問をいただきました。議員がおっしゃるとおり、私も別な概念であるととらえています。
 中学校給食については、当面考えていないということでわかりました。
 それで、きのうの一般質問でも、田辺議員とか土田議員が子育て支援について御質問されていますけれども、土田議員が、我が市の小児医療費の助成について質問されたときには、市長は、極めてわかりやすいマイナスの要素ととらえられかねないとおっしゃったのです。
 私は思うのですが、全国で92%の公立中学校で給食があるわけです。本市にはない。これも極めてわかりやすいマイナスの要素ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
(吉田市長) もしも、お弁当を持参できない子どもが、パンの注文とか弁当の注文とかをできないというような状況であれば、これは改善しなければいけないと思いますが、現在は、その日の朝にお弁当なりパンを注文すれば、しっかりとお昼ご飯を食べることができるようになっていますので、こうした体制をさらに拡充して、市民の皆さんにも遠慮なくこういった制度を使っていただくよう呼びかけていきたいと思っています。ですので、決してこれをもって一概にマイナスの要素としてはとらえていません。
 前から気になっているのですが、市長は、給食をただの食事だと、ただのお腹を満たすためのものだと思っていないですか。
 学校給食って、たしか教育の一環としてやっているのだと思うのですが、弁当と給食は違いますよね。
(吉田市長) 確かに栄養的な側面、あるいは、食育という観点、そういう観点からも給食というのを位置づけることはできるとは思っています。
 先ほど中学校給食を考えない理由として財政が大きいということをおっしゃいましたけれども、確かに財政面は本市は厳しいのですが、先ほどの土田議員のお話に倣えば、財政が極めて厳しいあの三浦市でさえ、中学校給食をやっているわけです。
 何で横須賀市ではだめなのですか。
(吉田市長) 当然、まちの規模も違いますし、各学校でのさまざまな対応というものも変わってくると思っていますので、ほかのまちでできて、本市でできないということも往々にしてあるのではないかと思います。
 今期については、マニフェストにも書いていないですからしようがないのかなと思いますけれども、少し来期のことを伺いたいのですが、仮定の話はしにくいというようなお話だったのですが、仮定ではなくて、はっきり伺いたいのですが、次の市長選には出馬されるのでしょうか。
(吉田市長) 任期をまだまだ残す中で、私が次期について話すべきではないというふうに思っています。
 任期を残していますが、私、市長のマニフェストをじっくり読ませてもらいましたけれども、マニフェストには「長」と書いてあるマークがあるのです。これは長期という意味だと思うのですが、これはマニフェストのところには、実現するには4年以上かかりますという意味だと書いてあるのです。4年以上かかることがわかっている。任期中には実現が恐らくできないだろうとわかっていて掲げるということは、これは4年以上やるということですよね。4年以上かけてもやりたいということで掲げているわけで、掲げておきながらやる意思を示さないというのは、私、少し無責任なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
(吉田市長) 4年以上かかると思われるようなことについても1期目のうちにしっかりと取り組んで、その結果を残すことに今は邁進したいと思っています。
 でも、市長がかわるかもしれないわけですよね。自分が出るのだとすれば、掲げることを理解できますが、かわるかもしれないけれども、自分はこう考えて途中までやるといっても、次の人が引き継ぐかどうかわからないですよね。
 やはり責任感を感じられないのですが、出馬すると言えないのですか。
(吉田市長) まずは、任期がまだ10カ月残っていますので、目の前のこと、そして、長期の展望に基づいたことであっても、一歩一歩着実に頑張っていきたいと思っています。ですので、今、この場で出馬する、しないといった発言をするべきではないと思っています。
 来期についてもわからないので、今、市長が言ったり、やったりされていることで、今後、判断するしかないですが、そうすると、当面、中学校給食を考えていないということは、あと8カ月以上の話ですよね。ということは、恐らくこのまま中学校給食はやらないというふうに理解するしかないのですが、そうすると、中学校給食を阻んでいるのは吉田市長だと、やはりレッテルを張るしかなくなってしまうのです。
 私は、それは避けたいのですが、そうするしかないのです。これは残念なのですが、それでいいのですか。
(吉田市長) 張られる側が特に言うべきことではないと思っています。
 次に、教育長のほうにお伺いします。
 我が市の小学校給食費の徴収率は99.7%、全国は99.4%ということで、大分徴収率が高いということで、本当に教育現場の方々の不断の努力でこうやって徴収率を高く維持していただいているということは、本当にありがたいことだと思います。
 そうすると、教育長は未納問題と中学校給食をやる、やらないという話は、概念としては別だとおっしゃった。私はこれ、そうおっしゃっていただいて本当よかったと思うのですが、そうすると、横須賀市のPTA協議会の方々のアンケート、これをつくった方というのは、むしろアンケートが下手なのではなくて、現状認識をきちんとしていなかったのか、あるいは、中学校給食議論を意図的に誘導していたのではないかと思うのです。
 なので、念のため再確認したいのですが、横須賀市のPTA協議会があげつらったような給食費の不払いの問題というのは、我が市にとっては、全国ほど大きい問題にはなっていないという理解でいいでしょうか。
(永妻教育長) ほかの市と比べて大きいか、小さいかという問題ではなく、とらえ方としては、やはり公平性の観点から給食費を払いたくても払えない方については、それなりのこちらで援助いたしますけれども、払っていただけない方にきちんと未納対策として取り組んでいくことは大事なことだと思いますし、重要なことですので、それはきちんと未納対策には力を入れて教育委員会としては取り組んでおります。そういう中では、給食費の不払い問題というのは、学校給食の中でも大変大きな問題というとらえ方はしております。
 少し質問の仕方が悪かったかもしれないです。
 そうしたら、仮に中学校給食導入の是非を検討するということになった際には、給食費未納の問題が検討の場合に大きい影響を与えることはない。そういうふうに判断していいわけですよね。
(永妻教育長) 全く別の問題だととらえております。
 教育長どうもありがとうございました。

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