【研修報告後編】「地域公共交通は行政が担う」が世界の当たり前だったのね。

 前回に引き続き、「全国都市問題会議」の視察報告です。

 二日目は、パネルディスカッションという名の「講演会」でした。と言うのも、ディスカッションなど一切なかったからです。パネリストが自分の言いたいことを言って時間を消化してしまい、企画側には議論を深めようという気などサラサラない感じでした。

 そもそも、コーディネーターからして下手っぴでした。進行役のくせに、長々と15分くらい「講演」をする。話題提供の内容も、手元資料と違うから中身が頭に入ってこない。そのくせ、パネリストに時間を守らせるという、基本的な仕事はできてませんでした。「私の進行が悪かった」などと後から言い訳なんか聞きたくないので、市民から預かった参加費10,000円に見合う仕事してくれ。そう言いたくなりました。

 地域再生プランナーとか言う人も、風邪をひいていたのは同情するけど、ボーッとした頭で話しているから話の余白が多いし、重複ばかりで長いし、思い込みも激しい。3分で話せる内容に20分かけた感じで「金かえせ」状態でした。

 サッカーJリーグ松本山雅FCの話をした僕の大学の先輩らしい人も、ほぼ松本山雅FCの自慢話で、そこから参加者が自分の街に読み替えが利くような洞察は得られなかった。というか、金もらって仕事で来ているんだから、もっと準備してスライドがトラブったくらいで話進められないんじゃダメだよ。ムダな時間を浪費しないでほしかったですね。

 真庭市長の話は、コンパクトで今回のテーマのパネリストとしてふさわしい内容でした。特に、地域資源を活かした木質バイオマス発電の成功とCLTという木質建材の挑戦は、印象に残りました。

 今治市長の話も、コンパクトで今回のテーマのパネリストとしてふさわしい内容でした。特に、工業都市でありながら、合併後にひろがった中山間地の連携に心を砕いている様子は、豊田市長と共通する意識を感じました。

 2日目の「講演会」で最も有意義だったのは、「地方公共交通再生請負人」として知られる両備グループ代表の小嶋光信氏の話でした。
 とりわけ、「地方公共交通を民設民営で維持しようという日本は世界のガラパゴス」という話には、目からウロコでした。私自身も「公共交通は補助金など公的負担を増やしてもっと充実させるべき」という考えの持ち主でしたが、むしろ、海外では公設公営や公設民営が当たり前だったとは。遠慮がちに、おっかなびっくり公共交通を支えるのではなく、どかーんと大胆に投資してもいいんじゃないかという意を強くしました。これについては、腹案もあるので、いずれお披露目したいと思います(笑)。
 しかし、主催者もこの人を基調講演の講師に選ぶべきでした。2時間話せる内容を15分くらいに凝縮していたので消化不良で、もっとちゃんと聞きたかった。

 最後に、来年の告知で幕を閉じました。しかし、開催地と日程は告知しても、何をテーマに実施するのかは語られなかった。決めてないのかもしれません。そのあたりが、この研修のヌルさを象徴しているような気がします。集まることが自己目的化して77年も惰性で続いてきたんじゃないの? 最後の主催者代表のまとめのあいさつも、空疎で、中身がなく、帰ろうか迷いましたが10分ぐらい時間のムダ感と闘いながら一応は最後までいました。


 ムリヤリなまとめですが、今回の話の中に通底していたのは、藻谷浩介氏が『デフレの正体』や『里山資本主義』に書いていたことだった気がします。地域資源を活かして、海外と競争するのではなく、少量多品種の付加価値の高い商品サービスを高く売り、地域コミュニティの中でヒト・モノ・カネが回るような経済圏をつくる、ということなんじゃないか。だから、「アベノミクスの地方創生とかもういいから、藻谷浩介を国のアドバイザーに据えて、みんなで里山資本主義でGO!ということでいいんじゃないの?」とか思いながら帰ってきました。

 以上、市民の税金をお預かりして仕事している立場としては、次回以降の参加をためらう研修でしたが、なんとか色々なものを読み取ってきました。

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