ところで、比例区の分析をしてみたら、面白いことが見えてきました。
右の表は、朝日新聞の開票速報をもとに、比例区の得票数をランキングにしてみたものです。全体はコチラ →Excel →PDF
ここから見えてくるものは、
●上位を独占する公明党は、組織的に個人名を徹底していて、党名投票の割合が低い。
●一方、特に維新の会とみんなの党は、党名投票の割合が高い。
●自民党で当選した人は、しっかり個人票もとって当選している。
●民主党は、個人名得票が上位の人ですらボロボロ落選している。つまり、党の力が弱かった。
●共産党、みんなの党、維新の会は、個人票は少ないが党の力で当選している人が多い。
といったことです。が、そんな細かい話を全て吹き飛ばしてしまうほど衝撃的だったのが、三宅洋平氏の存在感でした。18万票近くとって落選。参院比例区の最多得票落選者です。48人の当選者のうち、下から23人より多くの票を得たわけです。
得票の原動力となった三宅洋平氏の「選挙フェス」と題した演説ライヴ。これは、選挙・政治家業界に確実に新しい風を吹き込みました。田中角栄型辻立ちや、ネットワーク運動型素人選挙を上回るイノベーションだと思います。
「単に、演説をライヴのMCのスタイルでやっただけだろ?」と思うと見誤ると思います。私は、アメリカの黒人教会の牧師のスタイルを彷彿とし、そして、その系譜を受け継ぐマーティン・ルーサー・キングJr牧師や、ソウルやファンクの大御所、例えばジェームス・ブラウン、パブリック・エネミーなどを思い浮かべました。つまり、単にスタイルとして取り入れた軽さや、ただの表現ではなく、必然の表現、魂の表出という印象です。
ちなみに、ジェームス・ブラウンが黒人教会の牧師役をしている映画『The Blues Brothers』の1シーンもどうぞ(笑)
こういうホンモノの言葉、言霊の力を見せつけられてしまうと、うわべばかりの言葉をしゃべっている政治家の出番は、どんどん無くなっていくでしょう。私自身も、コトバに手垢がついていなかったか、ハッとさせらると同時に、見ながら清々しい気持ちになりました。
住所地?である沖縄では、他の候補者を圧倒する数のポスターが貼られていたようですが(電柱や樹木など、だいぶやんちゃな場所に貼るのが沖縄流のようですが……苦笑)、票を稼いだのはポスターよりも、ネット選挙で可能になった「選挙フェス」の動画の拡散、それによって生の言葉が届いたからだったのではないでしょうか?
今回は落選こそしたものの、日本政界に彗星のように現れ、鮮烈な印象を残した三宅洋平氏。今後、どんな活動をしていくのか、注目です。
この記事へのコメント
松本勇一
ゆきわさ
PDFファイルをコピーさせていただきますね。
ありがとうございます。
異儀田 治
みみず
一覧の略歴を見ていて、公明党推薦候補を除き、いかに既得権団体からの得票が多いか、ということを感じました。
僕は既得権団体について、その良し悪しをよく知りません。
既得権団体に所属しない有権者が既得権団体の社会的影響を公正に判断するには何を、どう見たらよいのでしょう?
ご教示いただけたら嬉しいです!
藤原惠
通りすがり
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