2013年02月01日

横須賀カジノクルーズ?!の可能性を探る(那覇港管理組合)〜琉球視察報告(6)〜

 沖縄県庁での財政問題ヒアリングの報告に少し時間がかかっているので、先に那覇港管理組合の視察報告をします。まず、長〜い前置きから。

   *   *   *

 私は、以前から民間によるグレーなギャンブルが横行している現状には疑問を持ってきました。しかし、競輪や宝くじのような、きちんと裏付けのあるギャンブルまで否定するつもりはありません。
 むしろ、競輪の人気が衰え、かつてのような収益を横須賀市にもたらさなくなっている今こそ、積極的に公的ギャンブルの導入を検討してはどうかと考えてきました。ギャンブルの中でもとりわけ、世界的に主流なカシノの誘致ができないかと考えてきました。ちなみに、カジノと呼ぶのは日本とドイツぐらいだそうですので、ここでは一般的なカシノと呼びます。

 ただし、国内では賭博が禁止されているため、他の自治体も構造改革特区制度を使ったカシノ特区などでクリアしようと検討しているようです。しかし、なかなか先に進んでいません。そのため、このテーマは時間がかかると見込み、時期が来るまで温めておこうと考えていました。
 ところが、昨年末、佐世保のハウステンボスがカシノ参入を果たしていたことを知りました。概略を紹介すると、国内では賭博は禁止なので、国外の状況を作り出して営業します。これは、なかなか思いつかないスキームだと思います。
oceanrose.png どういうことかというと、まず、外国船籍の船を仕立てます。この船が日本の領海から一歩外に出れば、そこでは日本の法律は適用されません。この船の中で外国籍の会社がカシノ営業をするわけです。

 ハウステンボスでは2012年7月に、佐世保〜上海航路でこのカシノ船運航を開始しました。ただし、日中関係の悪化のあおりで2012年10月に休航し、その船は現在、他の会社に貸し出されているようです。
 そこで、同様のスキームで横須賀発着の便をつくれないかと考えました。導入方法には、いくつかの選択肢があると思います。全く別個に横須賀市が主導して実施する方法もあるでしょうし、ハウステンボスさんに横須賀航路などを仕立てていただくよう交渉する方法もあります。私は後者がいいと考えます。しかも、理想を言えば、船内でカシノを営業する会社には、株式の過半数を超えない範囲で一部出資もさせてもらって、配当益も得ながら一定の経営関与ができる仕組みが望ましいと考えます。

 日本全国を見渡して、現時点で合法でカシノができる場所はどこにもありません。ここに、もし横須賀発着でカシノクルーズができるようになったらどうなるか?
 考えてみてください。横須賀の北には都市圏として世界最大の大東京圏が広がっています。2位以下のソウル、メキシコシティ、ニューヨークを大きく引き離す、実に3200万人が控えています。このひしめく人間の娯楽へのあくなき欲望を、都心から1時間の横須賀まで運んでくるわけです。
 ギャンブルには歓楽街がつきものです。高揚した気分で船を降りた人々が飲食店等で大いにお金を落としてくれることでしょう。本来ならカシノはホテル併設が一般的なので、宿泊需要も取り込みたいところですが、残念ながら船なので宿泊はあまり見込めません。しかし、その他の様々な波及効果が期待できます。
 現在、我が市では久里浜〜宮崎航路の誘致へポートセールスをしていますが、それよりはるかに大きな可能性を秘めていると思います。ぜひ、「横須賀軍港クルーズ」の次には、「横須賀カジノクルーズ」を観光の大きな目玉として仕立てることを提案したいと考えていました。

 さらに、ハウステンボスさんや佐世保市の本当の狙いは、この船内カシノではなく陸上カシノにあるようです。2009年にカシノ特区申請をしたものの、見送られてしまいましたが、まだまだあきらめてはいません。それも当然です。船内であれば、外国資本に利益を吸い上げられてしまいますが、カシノ特区が認められて陸上で営業できるようになれば地元資本でも展開できます。経済的インパクトは、はるかに大きくなります。
 我が市においても、「横須賀カジノクルーズ」はあくまで過渡的な導入期の事業と考えるべきです。クルーズによって、「カシノといえば横須賀」、というイメージをつくりあげることを主眼とし、利益が薄くても問題視すべきではありません。あくまで、陸上カシノ誘致こそ、本命の事業となります。
 今後、関東で先行している東京のお台場や静岡の熱海あたりにカシノ特区をさらわれては一巻の終わりです。そうなる前に、「カシノといえば横須賀と佐世保」といったブランドをつくっておく必要があります。それができれば、お台場や熱海から船に乗って横須賀のカシノに遊びに行く、というような、こっちが主で、向こうが従の関係の、観光戦略が描けます。

 とりわけ、カシノには日常と切り離された非日常感が重要と言われます。ラスヴェガス然り、マカオ然りです。その点、我が市は幸か不幸か都心から多少の距離があり、半島という地理的環境や、開国の地で外国人も多いなど、非日常を演出する素材の原石が多くあります。さらに、例えばトライアングル社さんに船を出してもらって、東京・横浜からは船で乗りつけてもらう、そんな演出なども考えられます。

 陸上カシノの立地としては、普通に考えれば、横須賀港の久里浜地区や新港地区が順当です。でも、総合的に考えれば、二町谷埋立地が大本命じゃないかと個人的には考えています。「おいおい、二町谷は三浦市じゃないかよ!」と、早速ツッコミが入りましたね〜。確かにそうなんです。よそのまちです。しかし、十分な土地があり、大きなクルーズ船も停泊できる岸壁もあり、場所は最適。しかも、91億円も借金して造成したのに未利用のままで、観光地・城ヶ島と隣接しています。城ヶ島といえば、昨年11月の神奈川県「新たな観光の核づくり認定事業」の認定地第一号。横浜、箱根、鎌倉に続き、城ヶ島・三崎を第4の観光の核にしようという県の意向が透けて見えます。対岸の三崎地区も「昭和」感の漂う雰囲気を生かしたまちづくりで頑張っていますしね。ちなみに、神奈川県は毎年のようにカシノ導入を国に要望しています。というわけで、県の強力なバックアップも受けながらカシノ計画を推し進めるという点でも、二町谷は理想的です。なので、将来的には三浦市と合併したうえで二町谷へのカシノ誘致を目指したいところ。

 カシノと言うと白い目で見る人もいます。しかし、すでに世界有数のギャンブル大国となっている日本の現状を無視したまま批判をするのはやめて頂きたいものです。控除率の高い(胴元の儲けが多い)現在の日本型ギャンブル群に比べると、カシノは良心的とも言えます。この辺の現状認識をしっかりして、フェアな議論をしてほしい。

 横須賀は、基地に依存したまちです。しかも近年、基地を観光資源として活用するなど、進んでその依存度を高めようとしています。だからといって、基地依存を批判ばかりするのは、空論です。現実を無視していると思います。それに代わる経済のエンジンがない以上、当然のことだからです。ただし、基地は国の安全保障政策によって、いつか移転・縮小する可能性もあります。そのリスクに備えるためにも、別の収益の柱を作っておく必要があるのは、誰もが認めるところだと思います。
 その大きな収益の柱になりうるのが観光です。国内観光需要を取り込むことも重要ですし、日本政府も「インバウンド」とヨコ文字を掲げて外国人観光客の増加に力を入れています。こうした中、カシノは観光の起爆剤になりうると考えています。

   *   *   *

 以上が、だいぶ長くなりましたが、前フリです(笑)。
 こんなことを、昨年末に考えていて、実現可能性を探りたいと考えていました。そして今回、沖縄に視察に行くことになり、色々と調べていたところ、沖縄県にもかつてカシノ計画があったようなんですね。
 →沖縄県カジノ・エンターテイメント検討事業
 わざわざ特設サイトも作り、仲井間知事のメッセージも寄せられ、意気込みのほどが伝わってきます。

 また、実はカシノクルーズは国内航路では実現できないんですね。国内航路は日本国籍の船ではないと運行できないようなんです。現状では、船内カシノには外国籍の船が必要ですから、外国籍の船の運航には横須賀とどこか外国の港を結ばないといけないということになります。ただ、沖縄には先に挙げた免税制度などの特例も多いので「ひょっとしたら沖縄航路だったらOKだったりしないかな」とも思ったのです。
IMG_0312.JPG
 そこで、沖縄の海の玄関口である、那覇港の管理組合にお邪魔し、お話を伺ってきました。

 横須賀港は横須賀市が管理していますが、那覇港は浦添市側にも広がっていることもあり、沖縄県・那覇市・浦添市の三者で一部事務組合をつくり、職員を出向させて運営しています。これが「那覇港管理組合」です。
 那覇港は、横須賀港と同じ「重要港湾」に指定されています。ただし、その「重要」度は近くに「スーパー中枢港湾」の横浜港が控えている横須賀とは段違いで、沖縄県内物資の97%が那覇港を経由するといいます。ただし、「那覇空港をアジアのハブ空港にしよう」という話もあるのとは対照的に、香港や台湾の港と競ってハブ港湾になる可能性はもはやないので、観光クルーズ船などを積極的に取り込んでいこうとされているようでした。

 結論から言うと、「沖縄航路なら外国船籍の船もOK」というような特例はないとのことでした。残念。
 ただし、教えていただいたのは、「外国船籍の船を使うために、たぶん本当は行く必要もないのに外国の港にも立ち寄っている」と思われても仕方のないような周遊クルーズが存在することでした。ちなみに、この表現は、私が勝手にそう受け止めただけで、那覇港の方が言っていたわけではないことを念のため申し添えます(笑)。
casinocruise.png
 そうすると、例えばこんな航路が考えられます。
【横須賀→佐世保→那覇→台湾→那覇→佐世保→横須賀】

 こうやって、東京・横浜からハウステンボスに行きたい人も、沖縄美ら海水族館に行きたい人も、台湾グルメを楽しみたい人も、「どうせ行くなら、道中も、カシノを楽しみ、きれいな海も眺めて、エンタテイメントにしちゃおうじゃないか」ということで横須賀を経由してもらえるといいな、と。
 あと、この航路は、横須賀・佐世保・沖縄のいずれもカシノ特区指定を狙う仲間つながりで、「基地のまち」つながりという面もあります。台湾は、特に寄らなくてもいいのかもしれませんが、外国船籍問題をクリアするために加えます(笑)。

 ただし、那覇港の方からアドバイスいただいたのは、「仮にそんな航路が実現するとしても、横須賀港じゃなくて横浜港に行っちゃうんじゃないですか? ベイブリッジの下をくぐれないような、よっぽど大きい船なら別ですが、それでも東京港に行ってしまう。横須賀自体に観光地としての魅力がないと横須賀港には来てくれませんよ」ということ。言われて納得でした。
 とは言っても、横須賀の観光魅力度の向上には時間がかかります。そこで、視野に入ってくるのはお隣の鎌倉市とのカップリングです。これまで「横浜・箱根に次ぐ観光地の鎌倉に来た観光客の宿泊需要を横須賀で取り込めないか?」といった話はあちこちでありましたが、観光アナリストの方が「鎌倉に来た人に横須賀にも来てもらおうという発想は、ややムリがありますね」とバッサリ切り捨てていました。
 ただし、逆に横須賀市に着いた船客が鎌倉観光に出かけることはよくあるようなんですね。鎌倉へのアプローチなら、横浜よりも横須賀の新港のほうが断然有利です。欧米でも人気の「禅」は、鎌倉が本場。それに、鎌倉はいわば「日帰り観光の街」で昼間は楽しいですが、夜は横須賀で楽しんで船に戻ってもらえばいい。二町谷への陸上カシノ誘致が成功して自前で集客能力をつけるまでは、鎌倉の誘客力を借り、観光パッケージ化して提供したいところです。

 まだまだ思いつきレベルですが、もしこんな計画が実現したら、三浦半島は確実に元気になると思うんです。ぜひ、多くの方に議論していただいて、肉付けしていけたらと考えています。
posted by 小林のぶゆき at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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