ポケモンに見る「バイオミミクリー」の効用

 最近、5歳の息子が「ポケモン」にハマっています。
 小さいときは「アンパンマン」だったのが、その後、発達段階に応じてお気に入りのキャラクターも変遷し、「でこぼこフレンズ」「きかんしゃトーマス」「ぜんまいざむらい」などの後、現在は「ポケモン」が彼の心をとらえているようです。


(1)「最強」のキャラクター
 さて、この「ポケモン」。知れば知るほど「最強」のキャラクターだと思わざるを得ません。
 男女を問わず、年齢層も幅広く、これほど「子供の心わしづかみ」ポイントをもったキャラクターは、かつてなかったのではないでしょうか? キン肉マン、ドラゴンボール、アンパンマンなど、過去のヒット作の黄金律を巧みに踏襲しつつ、欠点は克服していると思います。

●バトルがある(モンスター同志、主人公とライバルが対決)
●成長する(戦いを通して、モンスターは強くなり、登場人物は人間的な気づきを得る)
●変身する(ピチュー→ピカチュウ→ライチュウと進化してパワーUP)
●多様性がある(あるキャラが絶対的に強いのではなく、相性。線的思考でなく多元思考)
●死なない(バトルしても、最後は気絶するだけ。女の子にもフレンドリーで、親も安心)
●ペット性(登場人物にはマイ・ポケモンがいる。同様に子供もお気に入りのポケモンがある。自然界の存在だが、人間とも近い)
●コレクション性(ビックリマンチョコ・シールやキン肉マン消しゴム集めが流行ったように、フィギュアやカードを集めたくなる)
●シリーズ化している(しかもウルトラマンや戦隊モノは1年単位で切り替わるが、シームレスに移行するのでベストウィッシュ・シリーズが出てもダイヤモンド・パール・シリーズが途端に古くなったりしない)
●メディアミックス(アニメ、映画、ゲーム、本、グッズなどの商品に加え、ポケモンセンターというリアルサイトもあり、コマーシャリズムは行き着く所まで行っている)


(2)生物多様性の物語
 次に、物語のテーマについて考えてみたいと思います。
 これまで、息子と一緒に子供番組を観る中で、番組ごとの主題を次のように読み取っています。
●「きかんしゃトーマス」は、英国的なマネジメントの物語
●「おさるのジョージ」は、センス・オブ・ワンダーの物語
●「ぜんまいざむらい」は、スローライフの物語
●「それいけアンパンマン」は、アニミズム(モノに宿る神、やおよろずの神)の物語
●「ドラえもん」は、科学技術とユーモア(人間性)の葛藤の物語
 そして、「ポケットモンスター」は、多様性(ダイバシティ)の物語だと考えています。多くのキャラクターが登場しますが、名前を覚えたり、それぞれの特徴を覚えたりと、かなり楽しさ満載です。誰しも子供のころ昆虫図鑑や動物図鑑に夢中になったことがあると思いますが、ちょうどあんな感じです。


(3)ポケモンの強さは「バイオミミクリー」?
 そして、この魅力的なキャラクターたちが生まれた裏には「バイオミミクリー」があると思います。
 「バイオミミクリー」とは「バイオ」(生き物)+「ミミクリー」(真似っこ)=生き物たちのマネをするという意味ですが、商品開発やエンジニアリングに関わる方々ならご存じの、最近流行のコンセプトです。
 有名な例では、新幹線の先頭部は、カワセミのくちばしの形状を真似て空気抵抗を減らしているそうです。同じく新幹線のパンタグラフは、フクロウの羽を真似て騒音を減らしているといいます。また、タイルや生地なども、ハスの葉っぱや蝶の羽のつくりを真似て、水をはじくように、汚れがつかないようにしている製品が生まれています。こうした形ある製品だけでなく、運動競技や化学、組織論などにも応用されているようです。

 同様に、ポケモンがヒットした裏側にはバイオミミクリーによるキャラづくりが大きな要因になっているように思うのです。変態する。いろんな種類がいる。地域によって亜種がいる。共生があり、天敵がいる。とくいわざがある。生き物の魅力をだいぶ真似っこしています。


 さて、ここまで分析(?)を書いてきたわけですが、実は要するに単なる言い訳です。「こんなにポケモンってすごいんだから、子供と一緒になってポケモンカードゲームに夢中になっても仕方ないでしょ」と(笑)
 さあ、今夜はポカブ・デッキvsミジュマル・デッキで対戦だ!


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