感染症病床数ランキング、神奈川県はワースト1位だった

 コロナ患者は、原則として法定の「感染症病床」に入院させなければならないこととなっている。  しかし、今回のコロナ禍で全く足りなくなり、他の病床にも入院させたことはご存じの通りだ。 →厚生労働省「新型コロナウイルス感染症患者等の入院病床の確保について」  今回、各地の病院で院内感染(いわゆる病院クラスター)がかなり発生してしまった。これは、設備と人員の整った感染症病床以外でコロナ患者を受け入れたことも大きな原因として考えられるのではないだろうか?  ところで、この感染症病床について調査したところ、右表の通り神奈川県が人口当たりで最低だったことがわかった。  作成したデータも共有しておく。  →BedOfInfectiousDisease2017.xlsx  なお、出典はe-Statの2017年度の情報だが、過去記事にも書いた通り東京都はその後大幅に感染症病床を減らしている。念のため、2019年度のデータでも見比べてみたところ、東京都がワーストNo.2に順位を上げたものの、栄えあるNo.1は神奈川県で不動だった。  この感染症病床は、都道府県知事が指定することとなっている。  黒岩知事は「未病」にご執心で、「me-byo valley “BIOTOPIA”」なるハコモノまで作ったが、「かかってしまった後の感染症への備えが、おろそかだったんじゃないか?」とのそしりは免れないのではないだろうか。  もちろん、全てのコロナ患者を感染症病床で受け入れるのは無理だったろう。…

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市民代表はコロナ対策のためにどう動いたか? ~協議会5/28の報告~

 昨日5/28に、横須賀市議会はコロナ協議会を開催した。5/7、5/14、5/15、5/22と続く第5回目だ。  なお、5/28からネット中継&録画も公開するようになった。  結論から言えば、市役所への2度目の要求の回答が返ってきて、実現した提言も実現しなかった提言もあった。  ひとまず、市民のために市民代表がどう動いているかを後日検証できるよう、当日の資料も含め共有しておく。横須賀市議会は国とは違う。  →「コロナ専門家会議、議事録作らず 歴史的事態検証の妨げに」2020年5月28日東京新聞  なお、私が提案している、議会として市民の声を聴く手法については、次回6/2(火)10:00~の第6回の会議に持ち越された。 ※画像提供:ぱくたそ 01-議事次第.pdf 02-(資料1)新型コロナウイルス感染症対策に係る要望・確認事項Part2.pdf 03-(資料2-1)市の対策一覧①(※執行部回答分).pdf 04-(資料2-2)市の対策一覧②.pdf 05-【別添1】横須賀市内PCR検査実施状況20200525.pdf 06-【別添2】横須賀市内コロナ感染状況20200525.pdf 07-【別添3】横須賀市内感染症病床稼働状況20200525.pdf 08-【別添4】参考(活用見本).pdf 09-(資料3)市議会の対応一覧_.pdf 10-(資料4)市議会災害時BCP(業務継続計画)改訂.pdf 11-【別添5】学…

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市民が求めるコロナ感染者情報って、こういうことですよね?

 議会は市民の声を受けて、PCR検査の実施状況と市内の感染者数について情報を出すよう、市役所に求めていた。  ところが、この件については5/21にゼロ回答が返ってきた。  仕方がないので、下記情報から自分でグラフを作成した。  →「横須賀市内の新型コロナウイルス感染症患者の発生状況(5月22日更新)」 ※下段の入院等と退院等の数の内訳は、これから市に情報を出させたいと思うので、あくまで仮情報。  市民のみなさんが求める新型コロナウィルス感染者情報は、情報の羅列ではなく、こういうわかりやすいグラフなのではないだろうか。  どうやら市役所も回っていないようだから、議会の権能を使って資料照会をかけ、PCR検査の状況も含めわかりやすく情報提供しようと思う。

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東京都は感染症病床を27床も減らしていた!

 いま、コロナ対策のためにデータ分析をしていたのだが、その中で興味深いデータを作成した。  なんと東京都は感染症病床を27床も減らしていたのだ。  →感染症病床数2017と2019の差分  もしも、27床もの感染症病床が元通りあれば、コロナ患者の受け入れ先も、もう少しスムーズに見つかったのではないだろうか?  全国的に見ると、東京都△27床・埼玉県△4床・兵庫県△4床の3都県の他は、合計で+30床増やしている。つまり、東京都だけ大幅に減らしているのが目立つ。  2年間の間に、いつ、なぜ削減したのか? 行革による削減なのか、病院の撤退などによる不可抗力で減ったのか、わからないので評価はできないが、都政関係者にとっては検証すべき案件ではないだろうか。  なお、検証可能なように、元データも示しておく。  →厚生労働省「感染症指定医療機関の指定状況(平成31年4月1日現在)」  →上記サイトをExcelシートにしたもの  →総務省「e-Stat」(2017年度の都道府県別の感染症病床数はコチラ)

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議会の責任感を考える~コロナ・コロナの要求ばかりでいいの?~

議会からの要求への市の回答  横須賀市議会のコロナ対策協議会が出した要請に対し、昨日、市からの回答が来た。  →市からの回答  本日開催された協議会で対応を議論し、結論から言えば37項目の回答を全て了承した。  私には、とても納得できない回答もいくつかあったので「了承できない」と訴えたが、私の立場はオブザーバー参加(無会派のうち1名限定)であるため、取り入れられなかった。  ただし、協議会の疑問や要求を十分に満たせなかった回答に対しては、再質問や再要求をすることとした。議会の矜持は示した格好だ。  なお、協議会の中継放映は手続きが間に合わなかったが、録画は後で観られる予定だ。  →市議会中継 ※画像提供:ぱくたそ  なお、本日の会議資料を一式共有しておく。 →01-議事次第.pdf →市に要請した内容への回答(02-(資料1)新型コロナウイルス感染症対策に係る要望・確認事項.pdf) →市に要請する前の議員からの提案(03-(資料2-1)市の対策一覧①.pdf) →市に要請する前の議員からの提案のうちこれから議論するもの(04-(資料2-2)市の対策一覧②.pdf) →05-(資料3)緊急時における本協議会の開催継続について.pdf →06-(資料4)市議会BCPを感染症大規模流行事案に対応させるための基本的考え方.pdf →07-(資料5)市議会の対応一覧_.pdf →08-(別添1)通知新型コロナウイルス感染症対策に係る地方公共団体における議会の…

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動き出したら早かった、コロナ対策協議会

 コロナに苦しむ市民のために、議会の動きはどうか?  私は4月から、ずっと「横須賀市議会のコロナ対策は遅い!」とイライラしていた。ここまでの経過は過去記事をご覧頂きたい。  ところが、5/14・5/15に開催したコロナ対策協議会では協議がどんどん進んだ。  初動は遅かったが、動き出したら早かったという印象だ。  昨日、16:00~19:30で終わらなかった分、翌日10:00~すぐ設定したのもスピード感あって良かった。 ※画像提供:ぱくたそ  各議員から提出された提案は下記PDFをご覧頂きたい。2日間で大半を議論した。  →新型コロナウィルス対策検討協議会市の対策一覧.pdf  →新型コロナウィルス対策検討協議会市議会の対策一覧.pdf  今日中に、議論した内容をまとめ、市長以下の市役所に提言・要請・質問する項目を列記し、ホームページにUPする予定だ。  その後、中2営業日で市から回答させる予定であり、それも併せてホームページにUPする段取りだ。  →■リンク予定■  市議会は、みなさんの困りごとや不安に応えているか? 是非ともご覧頂ければと思う。 以下は感想:  しかし、この協議会は良かった。  第一に、「民意をくみ上げて、それを集約して、市長以下に指し示す。」 こうした議会本来の仕事がきちんとできている。そして、少数者の小さな声にも耳を傾ける姿勢があった。  第二に、メンバーも良い。どの委員も、相手の話をきちんと聞いて、論理的に説明…

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広域水道企業団議会議員に立候補しました

 みなさんは、どこから水を買っていますか?  「どこからって、水道の水は市と契約するんでしょ!?」と思うかもしれませんが、そうとは限りません。  忘れがちですが、水道水は買わなくてもいいんです。井戸水で事足りる家もありますし、タンクに入った水を民間企業から買うだけで済ますこともできます。  しかも、「市役所から買っている」と思いますが、正確には会社から買っています。みなさんは、市役所の傘下の「公営企業」という別会社と契約しているんです。横須賀市の場合は「横須賀市上下水道局」という会社です。 ※画像提供:ぱくたそ  ところで、横須賀市が売っている水は、自前の水と、よそから仕入れた水のブレンド水となっています。ざっくり1/3ぐらいが自前の水源でしょうか。ちなみに、お隣の三浦市は、全ての水が仕入れた水です。市内に水道管だけ持っていて、仕入れた水を売る販売店型の営業形態です。一方、お隣の逗子市や葉山町は水を売っていません。代わりに、神奈川県が運営する「県営水道」という会社が逗子市内・葉山町内に水道管を引いて水を売っています。横須賀市や横浜市のように、自前で水源を持っていて、自前で製造(浄水)もするのは、実は全国的には少数派です。  さて、前置きが長くなりましたが、横須賀市が水を仕入れている会社があります。  この会社が、「神奈川県内広域水道企業団」です。これは、神奈川県、横浜市、川崎市、横須賀市の、いわば「合弁会社」です。「もっと大きな相模原市も藤沢市も入っていないのに、なぜ横須…

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5/14のコロナ対策協議会に向け提言を提出しました

 コロナ対策、横須賀市は何が足りないのか?  市民は何に困っていて、何が不安なのか?  過去記事やSNSでも投げかけていましたが、市民のみなさんから頂いていた声をもとに提言をまとめて、議題として提出しました。念のためご報告します。  なお、これは第1弾であり、状況はどんどん動いていきますので、第2弾・第3弾も出していきます。引き続き、お気づきのことがあればお寄せください。  第1弾は、多くのご意見を頂いたので、なんと28件もあります!  詳細は下記のPDFをご覧ください。  →新型コロナウイルス感染症に係る対策について  なお、以下に見出しだけ貼り付けておきます。また、私も委員にはなれなかったのですが、オブザーバーとして出席できることとなったので、どんどん議論していきます。 新型コロナウイルス感染症に係る対策について 無会派(小林伸行) 【市民サービスに関する対策】 「生活福祉資金貸付」の入金迅速化 市独自の緊急小口貸付を制度化 PCR検査の適切性の検証 市内の医療施設・福祉施設の個人防護具(PPE)の配備状況の調査と手当て 横須賀市限定の地域通貨の発行と供給 三浦半島圏内の外出自粛の解除 学童クラブへの小学校の学校開放 子どもの居場所や学習の場としての小学校の活用 会計年度職員の増員 家庭内暴力や児童虐待のケースの増減やその背景などを分析して打ち手を検討 小学校での子どもの居場所は確保されたのか検証…

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【お願い】あなたが選んだ議員に、今こそ声を届けてください。

 「コロナ禍でこんなに大変なのに、なぜ政治家は動いてくれないのか?」  そんな不満をお持ちの方も多いと思います。  もちろん、全国を見れば熊本市の大西市長のように「市長、ホントありがとう。アンタも少しは休んでくれよ」と市民から感謝される名政治家もいます。でも、残念ながら横須賀市議会の対応は過去記事で何度も書いているように、遅いのです。 →「コロナ対策よりイス取りゲームに熱心な市議会なんて要りますか?」 →「コロナ対策に動かない議会なら、給与を返上せよ。~働いても働かなくても年額1094万円~」 →「まだ立ち上がらない横須賀市議会のコロナ対策協議会」 →「コロナ対策は来週以降。横須賀市議会のスピード感にイライラ。ちなみにボーナスは10%カットへ」  私一人が吠えても、提案をどれもこれも議題にも取り上げず蹴ってしまう議員たちがいるので、変わりません。(議運メンバーじゃない共産党と無会派を除く。つまり、自民、公明、よこすか未来会議の3会派)  そして、その議員たちを選んだのは、みなさんです。  本当に、今のままでいいんですか?  みなさん、困っていること、いっぱいあるんじゃないんですか?  何のために、議員を選んだんですか?  あなたの声を、市政に反映してもらうためなんじゃないですか?  だから、お願いがあります。  自分の選んだ議員に声を届けてください。  「俺たちは困っているんだ。議会はまだ一度もコロナ対策の議論をしてないじゃないか? 早いところ話し…

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コロナ対策は来週以降。横須賀市議会のスピード感にイライラ。ちなみにボーナスは10%カットへ

 横須賀市議会は、本日5/7の午前中の議会運営委員会で「新型コロナウイルス感染症対策検討協議会」を立ち上げ、午後には第1回目の会議を開いた。  ここに至る過程は次の通りだ。 4/15にコロナ対策協議の提案書を小林が書面提出    ↓ 4/23の議運で、他会派の案も併せてテーブルに乗って各会派持ち帰り    ↓ 4/30の議運で協議会を立ち上げることを決定    ↓ 5/7の議運で要綱を決定し、協議会が立ち上がる。    ↓ 5/7の第1回協議会で正副委員長と次回の会議日程を決定←今ココ    ↓ 5/11〆切で各議員から議題案の提出    ↓ 5/14の第2回協議会で議題を選定    ↓ 5/27以降の第3回協議会で、ようやく中身の議論(予定)  まるでスローモーションの映像を見ているようで、ほとんどの方が読んでイライラするのではないか。「どんだけ時間かけんだよ?」と。  民主政治なので、確かに合意形成に時間はかかる。だから、提案が初めてテーブルに乗った4/23からの1週間は仕方ないと思う。だが、4/30には立ち上げをして、GW前の5/1には第1回協議会を開催しても良かったのではないか。  もちろん、議員は兼業OKで他の用事もあるだろう。とは言っても、公務は最優先だし、横須賀市議会の報酬年額1094万円は専業議員向けの金額と言っていい。 ※画像提供:ぱくたそ  しかも、今日の第1回協議会の議題がこれだ。 1.委員長の互選について 2.副委員長の互選…

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横須賀市長はボーナスを自ら返上。市議会はどうするか?

 4/30に上地市長と副市長は、自らのボーナスを全額カットすることとした。  コロナで市長・副市長の仕事はむしろ増えており、緊張感を持って様々な難しい判断を下していることと思う。だから、本来であれば、6月分期末手当は増やしこそすれ、減らす理由はない。しかし、彼らは姿勢として、自ら全額カットする意思を見せた。  そのご意思を尊重して私も賛成し、議会として可決した。  ちなみに、金額は市長2,751,739円+副市長2,340,713円×2名=合計約743万円を返上だ。 ※画像提供:ぱくたそ  さて、問われるのが、市議会だろう。  結論から言えば、私は今の議会ならボーナス返上は当然だと思う。なぜなら、今なおコロナ対策を何もできていないからだ。  ちなみに、市議のボーナスは年約318万円で、うち6月分は150万円だから、40人分だと約6000万円となる。  市長も市議会も、経営陣は本来、仕事の量ではなく、仕事の質で判断されるものだと私は思う。今のところ議員の仕事量は増えていないが、代わりに仕事の質が高ければ別に期末手当をカットする必要はない。  しかし、その仕事の質が問題だ。そもそも、コロナ対策の会議体を立ち上げることは決定したものの、実は現時点で一度もコロナ対策の会議を開いていない。  市民の不安や市民の願いをすくい上げて、何をすべきかを整理し、精査し、市役所が無理なく回るよう咀嚼して、必要な対策を指し示す。今やるべきことは、そういうことだろう。  そんな仕事がで…

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