切実さに向き合う2020年へ

 2019年は、多くの方にお世話になりました。ありがとうございました。  今年4月には市議選があり、3期目に挑戦しました。3,000名を超える方々に投票頂き、再選することができました。  とはいえ、2期目4年間もまじめに取り組んで、良い提言もし、実績も残し、誰よりも議員本来の仕事をしてきた。そんな自負を持っていたので、前回最も票を伸ばした議員が今回1,000票以上の最も票を落とした議員となったことで、落胆して人前に出る自信を失いました。票数は現在、議員のただ一つの評価指標だからです。  だからこの半年間、声を聴く会や街頭プレゼン、チラシ配布、市政相談ピクニックといった政治活動もお休みして、個々の相談対応と政策づくりに引きこもっていました。  ただ、いつまでも市政報告をサボるわけにもいかないので、11月から12月にかけて駅頭チラシ配布をしました。経済的に余裕がなくて、新聞折込やポスティングでのお伝えはできておらず申し訳ありません。    「頑張っても、報われないな。」  それが、今の正直な心境です。  事実を調べもしない的外れな批判にさらされ、チラシを配れば邪険にあしらわれ、手掛けた実績は理解されず、仕事ぶりが報道で注目されることもなく、昇進も昇給もすることがない。  でも、そんな泣き事こぼすと笑われるでしょうね。どんな仕事でも報われないことは多いものです。それに政治なんて、過去の歴史を見れば追い落とされたり殺されたり、もともと報われないことだらけの世界ということが私に…

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なぜ横須賀市議と市長のボーナス増に賛成したのか?

■自分のボーナス増に賛成しました  横須賀市議会は12月13日、自分たち議員のボーナスを335%から340%へと5%増額した。これにより、年間46,835円多く頂くこととなり、横須賀市議の報酬は今後、年間1094万円となる。  ちなみに、計算式はこうなる。 毎月分(月額646,000円×12カ月)+ボーナス分(基準月額646,000円×1.45×340%)=毎月分(7,752,000)+ボーナス分(3,184,780)=10,936,780円  つまり、私は自分の報酬を増やすことに賛成したこととなる。  なお、同時に市長・副市長・教育長のボーナスも335%から340%へと5%増額し、各年間38万円前後増額させた。  私は、現在の横須賀市の業績を考えると、議員も市長らも報酬を増やすべきか疑問に思っている。しかし、今回、賛成したわけだ。  それはなぜか? 以下、言い訳に聞こえるかもしれないが、理由を述べたい。 ■議員報酬は、そもそもいくらがいいの?  まず、議員報酬について私の考えを述べる。  私自身は、きちんとした評価のもとで成果報酬を導入できるなら、自分の報酬はもっと上がっていいと思っている。議員は会社で言えば取締役だ。経営者としての自分の見識とこれまでの実績について自信を持っており、株主(市民のみなさん)に十分な利益をもたらしてきたと自負している。  しかし、現在は成果報酬ではない。単純に個人の成果報酬にすると、「私はこんなに実績出しました!」と目に見える手柄を…

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上場企業の基準を、議会に当てはめろ!

■上場企業の基準「コーポレートガバナンス・コード」って何?  「上場企業」という言葉はご存じかと思う。証券市場で一般に株を売り買いできる会社のことだ。  株を売り買いするには、経営の情報がきちんと公平に提供されていなくてはならない。経営状態が全く分からない会社の株を買う人などいないし、本当かどうかわからない情報を元に株を買うのはリスクが大きい。中の人しか知らない情報で売り買いされると一般の株主は不利となる。だから、上場企業は外部監査も受けるほか、粉飾決算やインサイダー取引などは厳しく罰せられることになっている。 ※画像提供:ぱくたそ  こうした上場企業は、日本では東証やマザーズやJASDAQなどに上場している。これらの取引所を統括しているのが日本取引所グループ(以下JPX)だ。このJPXでは、全ての上場企業に企業統治(コーポレートガバナンス)の基本原則に従うことを求めている。東証一部二部には、より細かい原則も求めている。これらを「コーポレートガバナンス・コード」と呼び、日本におけるコーポレートガバナンスの事実上の標準(デファクト・スタンダード)となっている。 ■企業のルールを市町村に当てはめる!?  これを、市町村に当てはめてみようと思った。  なぜ、私はそんなことを考えたのか?  私は、卒業後にベンチャー企業に就職し、在職中に上場して持ち株会やストックオプションなども経験したので株について肌で学ぶことができた。また、その後はNGO活動を経てコンサル会社で企業経営を学び…

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横須賀市議の報酬と定数はどう変わってきた?

 私は2016年から『全国の議員報酬&議員定数「見える化」プロジェクト』を大学生の協力も得て実施している。議員定数と議員報酬が各地で話題になっていることもあり、現在、こちらの更新作業を進めている。  その合間に、横須賀市の議員定数と議員報酬の推移について、昨年の「議員有志で市民の声を聴く会」で提供した資料を更新したので、みなさんに共有したい。なお、ついでに元データも貼り付けておく。 年度 議員報酬 人口 1946 300 249,702 1947 1,000 261,805 1947 2,000 261,805 1948 3,000 268,587 1949 3,000 279,012 1950 8,000 252,350 1951 17,000 260,393 1952 17,000 266,143 1953 17,000 270,104 1954 17,000 275,382 1955 25,000 279,828 1956 25,000 278,478 1957 25,000 280,154 1957 25,000 280,154 1958 25,000 282,014 1959 25,000 284,694 1960 30,000 288,169 1960 35,000 288,169 1961 35,000 294,144 1962 55,000 301,282 1963 80,000 306,045 1964 80,000 311…

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オッサン職場、市役所に女性幹部のクオータ制を。

■オッサン職場の現状  以前の記事にも書いたように、横須賀市役所はオッサン職場だ。  →横須賀市役所は、なかなかのオッサン職場だった  人口ピラミッドならぬ職員ピラミッドを見れば一目瞭然だ。私のようなオッサンばかりで、女性と若手が不自然に少ない。ちなみに、一般職員全体に占める女性割合は28%だ。(※平成28年4月1日現在の一般職員。再任用常勤職員を含む)  →右画像のExcel元データ  そして、オッサン職場と言うのは人数だけではない。同質性を好む雰囲気や重たい意思決定プロセスなど、職場風土もオジサン化していると感じるのだ。  ちなみに、いい仕事ができていれば、別にオッサンばかりでも問題ない。しかし、実態としてそうではないからこそ、市職員のトップである上地市長も今年度の施政方針で「職員の意識改革」を掲げ、なかなか思うように動かない組織にイライラして胃の痛む思いをしている話も漏れ聞こえてくる。  これを打ち破るにはどうしたらいいか?  解決策の一つとして、私の所属する会派・よこすか未来会議では先般、上梓した「政策提言2020」の中で、次のように掲げている。もちろん、解決策としてだけでなく、基本的には社会的公正のために掲げている。 ③課長級以上の女性を12%にするクオータ制を導入すること。また、採用に関しては女性を増やすこと。 ■そもそも、なぜ女性が少ないの?  ところで、なぜ横須賀市役所には女性が少ないのか?  多くの日本企業では、試験の成績だけで採用する…

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【会派視察報告:後編】コミュニティバスの色々な方式を朝倉市に学ぶ。

 会派視察2日目には福岡県朝倉市に伺った。 ■なぜ朝倉市に伺ったのか?  朝倉市は、かつて邪馬台国の中心だったという説もあり、旧・秋月藩の城下町でかつては秋月県の県庁所在地だったという。  しかし、そんなかつての繁栄とは対照的に、現在は苦境に立たされている。かつて8万人近くいた人口が、今や5万人まで落ち込んでいる。特にここ10年が急減している。そこへ追い打ちをかけるように、2017年7月の九州北部豪雨で多くの人命を奪われ、道路などのインフラも大きな被害を受けた。  この朝倉市は、横須賀市の2.5倍の広さを持ち、人口は1/8。つまり、人口密度は本市の1/20となる。加えて、農業者が多く65歳以上の免許保有率が62%とのことで、自家用車を持つ割合も多いと思われる。本市から比べると、公共交通を導入するには極めて効率が悪い。  そこへ、かつて西鉄バスと甘木観光バスが運行していた複数の路線が、人口急減に伴って採算が合わなくなり、相次いで廃線となった。これに対応し、交通空白地域を解消するために、市がコミュニティバスによって代替することとした。現在、様々な事業手法で10路線ものコミュニティバスを市が運用している。  一方、我が横須賀市は、集住する住宅団地も多く、コミュニティバスを導入しやすい環境だ。しかし、市が関与するコミュニティ交通は一路線たりともない。現在は浜見台で住民と事業者が立ち上げた「ハマちゃんバス」のみだ。  そのため、大変失礼ながら、苦境の中で歯を食いしばって地域公共交通…

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【会派視察報告:前編】教育先進都市・戸田市にあって横須賀市にないもの

■連日の視察となった理由  先週に引き続き、11/5~11/7の行程で会派で視察に向かった。  議会日程の合間でメンバーの日程が合う頃で調整するとこの時期となったため、どうしても視察が集中する。視察報告を書くことも含め、なかなか忙しいが、今後の政策のための有意義な仕込みの時間だと考えている。  今回の視察では、埼玉県戸田市で「教育改革」について、福岡県朝倉市で「コミュニティバス兼スクールバス」について学んだ。団長・副団長と私は、マニフェスト大賞受賞者の事例発表の研修会に参加するため2日の行程だが、他のメンバーはもう1日、岡山市で「学童保育の公営化」について学んだ。 ■戸田市に伺った背景  横須賀市は「人口減少が止まらない!」と嘆いているが、戸田市は「人口増加が止まらない!」と嬉しい悲鳴を挙げており、その点では対照的だ。  ただし、教育はどのまちでも重要な課題だ。だから教育先進都市・戸田市の話を加藤議員から聞いて、ぜひ知りたいと願った。  もちろん、良い教育を施しても、まちを巣立ってしまうかもしれない。お金を注ぎ込んでも投資対効果が不明確かもしれない。しかも、効果が表れるまで10年はかかる。そして、その効果は測りにくい。  とはいえ、全ての雛が地元から巣立ってしまうわけではない。人間には慣性があるので一定割合は残るし、教育が良ければ「自分たちの子どもも地元で産み育てよう」と考える可能性も高まるだろう。  そして、教育こそ歯を食いしばって投資すべき最重点分野だ。  基本…

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