【委員会視察報告・後編】横須賀市はドギーバッグ運動をやるな~大津市~

【三日目:10月25日】  最終日には、滋賀県大津市を訪れ、食品廃棄物を減らす取り組みについて伺った。とりわけ、飲食店での食べ残しを持ち帰る「ドギーバッグ運動」が眼目だ。  結論から言えば、本市では「ドギーバッグ運動」をやる必要はない。  議員の仕事は、いい事業を市役所にやらせることだけでなく、不要な事業をやらせないことも大事だ。大津市では、議会提案や職員提案ではなく越直美市長のトップダウンで始めた事業のようだが、事業開始の経緯を私は評価できない。  食品廃棄物は減らさなければいけない。この点は私も異論がない。  ところで、食品廃棄物はどこから出ているのか? 農林水産省が発表している推計によれば、半分が家庭からで、もう半分が流通業や外食産業など事業者のようだ。  →政府広報「もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう」 【家庭の食品ロス対策】  家庭由来の食品廃棄物を減らすには、ただただ啓発しか打ち手はないだろう。生ごみを狙いうちで課金するわけにもいかないし、食べ物をムダにした人に罰金を課す制度設計も困難だ。 【事業者の食品ロス対策】  一方、事業者由来の食品廃棄物はどうか?  そもそも、事業種別ごとの排出割合がわからないと、施策としてどこに重点を置くべきかわからない。家庭系や事業系の一般廃棄物と違って、食品など産業廃棄物の処理フローは市内で完結しないため、大津市も本市も推計を作りにくいのだ。まず、これが大きな問題だ。本来なら、国が数字を…

続きを読む

【委員会視察報告・中編】消防団員の増やしかた~松山市~

【二日目:10月24日】 (写真は、松山城前を走る路面電車。SLタイプの「坊ちゃん電車」というのもあった。さすがに観光都市と関心)  二日目には、愛媛県松山市を訪れ、下記の2項目についてお話を伺った。 A.松山市と本市の災害時相互応援協定 B.消防団員確保 A.松山市と本市の災害時相互応援協定  災害時相互応援協定については、内容は自分のまちで聞けばいい話なので、松山市側の決定経緯について簡単にお話を伺った。  省略して言えば、NHK大河ドラマ『坂の上の雲』放送時に、物語の舞台となる松山市と横須賀市が「集客パートナー都市協定」を結んだが、その連携が下敷きとなって災害時協定につながったとのことだった。  余談だが、この両市の「集客パートナー都市協定」締結時には、「坂の上の雲」の主人公の一人・秋山真之の孫である、故・大石尚子元衆議院議員(神奈川4区)・参議院議員も関与されていたと松山市の職員から聞いた。私もご恩がある大石先生だが、祖父が過ごした2つのまちへの思い入れは強かっただろう。それに大石先生は、参議院の全国比例で出馬されたとき、特に松山で活動をして「坂の上の雲」票で繰り上がり当選を勝ち取ったとも言われている。恩返しの気持ちもあったろうか。  閑話休題。 B.消防団員確保  今回の主眼である消防団員確保だが、全国では消防団員の減少に歯止めが止まらない中、松山市では10年以上連続で団員増を続けている。それを実現した対策を伺った。私の整理では、大きく5点ある。 …

続きを読む

【委員会視察報告・前編】消防司令室への医師常駐はできるのか?~千葉市~

 私は今年、議会の中で生活環境常任委員会という役割分担となっている。横須賀市議会では、委員会ごとに年1回の視察をするのが慣例だ。今年も行くかどうかを協議し、委員から様々な視察要望が出て、予算の関係から2泊3日の旅程で行かれるよう3件に絞り、視察することになった。 【一日目:10月23日】  初日には、千葉市消防局を訪問し、主に救急司令センターへの医師常駐について伺った。  横須賀市では、救急隊員が救急車で駆け付けた際、必要に応じて医師に電話し、医療面の指示や助言を受ける体制をつくっている。  このような、救急対応に専門家である医師を介在させて救える命を増やす対策を「メディカル・コントロール」と呼ぶらしい。  この点、千葉市の特徴は、救急司令センターに医師を24時間365日常駐させていることだ。本市も含め多くの市町村では、病院の勤務医が診察や手術の合間に携帯電話を受けて対応する。一方、千葉市では医師が専用端末の前に座り、タブレット端末を持った現場の救急隊から報告される様々な情報を元に、指示や助言をする。受け入れる病院が決まらないときには、常駐医師が自ら病院とかけあって受入先を決めてくることもあるという。  結論から言えば、常駐医師は良い仕組みだろう。  では、これを本市でやるべきか? できるのか?  医師に24時間365日常駐してもらうために、千葉市では1時間5,000円(夜間6,000円)、年間約4500万円を支払っている。ただし、医師に対してこの金額は奉仕活動…

続きを読む

会派・研政の政策提言2019を発表しました

 私が所属する横須賀市議会の会派・研政(伊関功滋、髙橋英昭、角井基、長谷川昇、私)は、10/2に「政策提言2019」を市長に提出しました。うっかり、ご報告が遅くなりました。  →政策提言2019(PDF)  研政の「政策提言」は、かつては「予算要望」と呼んでいたものです。しかし、「予算をくれ~って言っているみたいな名前だね」「実際には、予算を削れって言ったりしているのにね」「それに、最終決定者の議会の人間が、要望っておかしいよね」といった議論を経て、予算の要らない事業や行財政改革も積極的に提案している実態をふまえて4年前に名称変更しました。いわば、会派のローカル・マニフェストです。  また、つくりあげる過程で、「市民と議員のよこすか未来会議」という広聴会も開催し、市民からの提案も積極的に取り入れてきました。この策定過程が評価されて、研政はマニフェスト大賞2017で優秀マニフェスト推進賞も受賞しています。  3月議会では、この政策提言も踏まえて市長に代表質問も行うなど、実現に努めていきます。  なお、実現したものは項目から外して、実現しないものは提言内容を見直したりして、毎年内容を見直しています。  ちなみに、私が研政入りしてからの政策提言もUPしておきます。 →政策提言2016(PDF) →政策提言2017(PDF) →政策提言2018(PDF)  研政では、「くらしの声をかたちに。研ぎすます政策力。」という“コーポレート・メッセージ”を掲げています。市民の声を丁寧…

続きを読む

10/8は市民の声を聴く会「あったらいいな こんな公園」へどうぞ

 公園系の投稿が続きますが、10/8に公園をテーマに「議員有志で市民の声を聴く会」を開催します。今回でもう第18回になるのか、と少し感慨。  →詳しいチラシはコチラ(PDF)  最近、公園のあり方がちょっとしたブームですよね。  大阪城公園のリニューアルがヒットして、名古屋城公園も動き出しているようです。大阪城公園については、以前に視察報告にも書いているので、ご覧ください。  →【委員会視察報告:中編】稼ぐ公共施設、大阪城公園~大阪市~  また、神戸市のデザインクリエイティブセンターでも、デザイン系の方々と市民のワークショップの中から、公園の使い方を見直した事例を伺ってきました。下記記事には書いていませんが、当日報告予定です。  →【会派視察報告前編】まちをデザインする神戸市  東京都小金井市などでは、「小金井市の公園をみんなで考えるワークショップ」を開催するようですが、こうしたイベントも最近よく見かけます。民間でも、「100本のスプーン」というレストランが「みんなでつくる公園プロジェクト」というワークショップを開催するみたいですね。  という動きをマネしたわけではないのですが、私たちも1年前から温めていた公園ワークショップ企画を開催します。お買い物のついでに、ぜひお越し下さい! お子様連れ歓迎です。 第18回 議員有志で市民の声を聴く会 あったらいいな こんな公園 ~公園の使い方を見直してみよう計画~ ●日時:2018年10月8日(祝)14:00~16:00…

続きを読む

くりはまみんなの公園と横浜F・マリノスをめぐる誤解について

 横須賀市役所は、くりはまみんなの公園を廃止し、横浜F・マリノス練習場を誘致する方針だ。  「JR久里浜駅周辺 マリノス軸に整備案示す 市が公表、住民から意見聴取も」タウンニュース横須賀版2018/7/13号  私たちの会派は、みんなの公園および隣接地にうわまち病院を移転させることを提案してきたものの、病院用地は他にもあるということもあって、この練習場誘致には賛成してきた。  だたし、くりはまみんなの公園を廃止した後の措置も考えなければいけない。  理由は2つある。  第一に、国の補助金の問題だ。この公園は国の補助金を受けて2012年4月に開園した。補助金適正化法という法律の縛りで、10年以内に他の用途に転用する場合は補助金を返さなければいけない。  第二に、利用者の問題だ。この公園は、農園部分を除けば稼働率が極めて低い。とはいえ、利用者はいるわけで、何かしらの手立てを考えることも必要だ。  この件について市は、JR久里浜駅の北東側の国有地を、無償もしくは有償で取得して、そこに代替の公園を整備する方針を示している。7月に説明会があり、私も参加したが、そう説明された。この方法であれば、くりはまみんなの公園が廃止されても、代わりに別な公園が整備されるのであれば、国から補助金の返還を求められない見込みが強いそうだ。また、利用者への代替措置にもなる。  ところで、この7月の説明会のときに、私は「代替の公園は近隣でなくてはならない」と説明を受けた。そして、「近隣」…

続きを読む

いよいよ本日10/1。うわまちは?市民病院は?地域医療シンポジウム

 市が移転方針を打ち出した、うわまち病院の去就についてはメディアでも取り上げられ、注目が集まっています。  廃止か? 統合か? 移転か? 現地建替えか? その最終判断は、私たち市議を通して市民の手に委ねられています。みなさんはどうすればいいと思いますか?  その判断材料にするために、議員有志10名で政務活動費を出し合って、当代随一の研究者に横須賀市の現状を調査して頂くことに成功しました。今回は、その調査結果のお披露目となります。  高度救急病院をどうするか? それは、市民の誰もがお世話になる可能性のある大事な問題です。ぜひお越し下さい!  →チラシはコチラ(PDF)  ちなみに、実は伊関先生は私たち地方議員向けの研修会講師も務めているのですが、普通なら一回15,000円かかる人気講師です。それが、今回は無料で聞けるチャンスなんです。しかも、完全に横須賀市のために特化した内容。それもこれも、みなさんから頂いた税金・政務活動費で実現したものです。なので、元を取るためにも、ぜひどうぞ。 【どうする?うわまち病院&市民病院】 伊関友伸教授 講演会&意見交換会 ●日時:10/1(月)18:30~20:30(開場18:15) ●場所:ヨコスカベイサイドポケット ●申込:不要(参加費無料。どなたでも歓迎です) ●主催:よこすかの医療の未来を考える会 地域医療のあり方を考えたとき、市立 2 病院はどうあるべきか。病院経営問題のプロの目から、横須賀市が進むべき方向性を探ります…

続きを読む