【会派視察報告:後編】うわまち病院跡地をどうするか?~東海市~

 視察報告の続きです。 第三日 5/24(木)  会派視察3日目、視察項目5つ目は、東海市だ。病院の跡地利用についてお話を伺った。  東海市は、合併前は「横須賀町」という名前だった。なんとなく縁を感じる。  とはいえ、置かれている状況は、全く対照的だ。東海市は、企業が多く立地して市の財政も豊かなので、国からの仕送りである地方交付税の不交付団体だ。名古屋のベッドタウンとして人口もまだまだ増えており、公共投資も民間投資も含めまちづくりの開発が続き、いまなお伸び盛りだ。加えて、東洋経済新報社が毎年発表している「住みよさランキング」2018でも20位に位置している。  ちなみに、衰退基調の横須賀市は「住みよさランキング」2017で716位/814市区(県内15位/19位)。そこまで低いとは思わなかったが、それが実力なのだろう。なお、県内16位・秦野市、17位・綾瀬市、18位・座間市、最下位19位・三浦市らしい。  さて、そんな東海市だが、今回、病院跡地の活用について学ぶために伺った。  横須賀市では、うわまち病院の建て替えが控えている。そして、うわまち病院を現在の場所で建て替えるのは、2つの面で「あり得ない」。そう我々の会派では考えている。  第一に、うわまち病院の機能を止めるわけにいかないということだ。そして、病院を運営しながら同じ場所で建て替えもする、というのは難事業だ。  この問題は、市が諮問した市立病院運営委員会の「うわまち病院建替え検討の答申書」の中でも指摘…

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【会派視察報告:中編3】部活は教員が教えなくてもいいんじゃないの?~名古屋市~

 視察報告の続きです。  視察項目4つ目は、同じく名古屋市で、中学校の部活動「外部顧問」制度についてお話を伺った。  本市の部活動には、いくつもの問題がある。 (1)教員の多忙感の最大の要因の一つとなっている (2)全ての学校に全ての部活動が揃っているわけではない (3)運動部・文化部とも、指導の能力を備えた教員が学校にいるとは限らない (4)現在はあくまでボランティアで、教員の善意に頼っており、そうである以上、教員が一斉に断り出した場合、部活動制度が崩壊してしまう  他にも多くの課題があるが、今挙げた課題の解消のために、すぐに採用できる有効な事業がある。それが「部活動指導員」という名の外部顧問を雇う制度だ。  この外部顧問は、現在本市で実施している「部活動指導者派遣推進事業」と似ているようで、かなり違う。  指導者派遣の場合、競技の指導をするのみで、部活の顧問となることはできない。事故などがあった場合の責任も負えない。時間もごく短時間だ。各種大会にも顧問が引率することが条件となっている。そのため、指導者とは別に教員が顧問を務めなければならない。  一方、外部顧問は、教員以外の方を特別職の非常勤職員として雇い、顧問とするものだ。  2017年に国が制度化したこの「部活動指導員」(外部顧問)制度の基となったのが、2004年度から外部顧問を置いてきた名古屋市だった。制度の概要は次の通りだ。 ●身分:非常勤特別職 ●勤務:20時間/月(それ以上の時間…

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【会派視察報告:中編2】河村たかし市長の狙いはどう外れたか~名古屋市~

 視察報告の続きです。  視察項目3つ目。名古屋市で「地域委員会」についてお話を伺った。  「地域委員会」は、減税日本の党首・河村たかし市長の肝入りの政策として2010年1月より試行された。いわゆる「地域自治区」の一種だった。名古屋市は横浜市と同じ政令指定都市なので、市を16の区に分けている。市議も区ごとに選ばれる。これを、もっと細かい小学校区に分けて、その単位ごとに選挙で選ばれた地域委員を置いて、地域予算の使い途を決め、地域ごとの自主事業をやっていくというものだった。  ちなみに、2014年3月に終了している。試してみたが、役に立たなかったということだろう。  この話を聞きに行ったのは、我が市の「地域運営協議会」という「地域自治区」の一種が、足踏みしているからだ。「地域委員会」の“失敗”に学ぼうと考えたものだ。  “Near is better.”(住民に近ければ近いほど望ましい)という言葉がある。モノゴトは近くの住民ほどよくわかっているから、その人たちで決めた方がいい、という考え方(近接性の原理)だ。また、EU統合の理念ともなった補完性の原則(Subsidiarity)という考え方もある。地域でできることは地域でやる、できないことだけ州や国やEUでやる、という考え方だ。  こうした考え方の下、私は地域運営協議会の設置条例にかつて賛成した。しかし、フタを開けてみれば、ただ単に、地域に新しい会議体を増やし、屋上屋を架し、町内会長ら地域リーダーの仕事を増やすばかりとなって…

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【会派視察報告:中編1】追いつける気はしないが、この道しかない~可児市議会~

 視察報告の続きです。 第二日 5/23(水)  二日目の5/23には、岐阜県可児市へ伺った。  可児市議会は、地方創生のモデルケースとして知られる先進議会だ。2015年のマニフェスト大賞でもグランプリに輝いた。  その優れた点は、大きく2つだ。 (1)市民の声を議会全体で受け止め反映していること (2)とりわけ、高校生の意見聴取に力を入れ、その結果、地域に若者が定着しつつあること  これらを学びに可児市議会に伺ったところ、なんと忙しい公務の合間を縫って川上文浩議長が自ら説明してくださった。昨年のマニフェスト大賞の授賞式の際に、研政メンバーで視察受入のお願いをしていたこともあり、特別に時間を割いてくださった。  川上議長は、藻谷浩介氏が『デフレの正体』で描いた人口動態論と、増田寛也市が『地方消滅』で描いた消滅可能都市論を下敷きに可児市議会の取り組みを説き起こした。  ・ ・ ・  日本全体で年少人口と生産年齢人口が減少している。トヨタの本社があり、かつて豊かなまち(不交付団体)として知られた豊田市も、今や財政運営に苦慮し、急激に若者が減っている。その一方で、東京23区では若者が流入している。全国のまちが、大都市圏に若者をさらわれ、将来のまちの維持が危ぶまれている。そんな中でも、海士町のように若者をとどめているまちがある。その違いは、まちの経営の差だ。地方創生が叫ばれ出した背景がこれだ。  可児市は、横須賀市から見れば人口推計の減少ペースも緩やかで、若者も横…

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横須賀市議会は全国ランキング34位。このまま復活なるか?

 毎年、この時期にお伝えしている、議会改革度ランキング結果のご報告です。  →早稲田大学マニフェスト研究所「議会改革度調査2017」  わかりやすよう、横須賀市議会と上位を抜き出して、右上の表にまとめました。  2011年には全国1700超のまち中10位となり、全国有数の議会として視察も相次いだ我が議会。ところが、あぐらをかいているうちに、2015年には175位まで凋落してしまいました。それが、2016年には59位、2017年には34位と、何とか持ち直しつつある格好です。  これも、板橋衛・前議長のリーダーシップの下で「議会改革第2ステージ」と銘打って再始動した結果が出ていると思います。そして、2年目を迎えた木下憲司・現議長を筆頭に、その歩みを重ねている証拠だと言えます。昨年記事の「おそらく、来年はもう少し上がるんじゃないかなあ?」という予言がズバリ的中しました(笑)  県内では、茅ヶ崎市議会(12位)、箱根町議会(24位)に次ぐ3位。昨年は後塵を拝した大磯町議会(59位)を追い越しましたが、かつて県内ではダントツ1位だったわけですから、喜んではいられません。  ちなみに、人口も抜かれ、かつてはこのランキングでも追い抜かれたライバル(!?)の藤沢市議会ですが、今年は154位と振るわなかったようですね。議員定数・議員報酬・政務活動費のいずれも我が議会のほうが多いので、何かと比べられがちですが、仕事ぶりで負けたくないものです。  ちなみに、例年の過去記事も再掲しておきます…

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明日6/9(土)14時~、一緒にまちづくりを考えよう。

 いよいよ明日となった第17回市民の声を聴く会。今回はFM戦略プラン案がテーマ。要するに、小中学校・コミセン・ホールなど施設をリストラしながら、まちづくりを考える計画です。  統廃合は、どうなるのか?  このまちを、どうするのか?  市民のみなさんに議論頂いて、このまちの決定権者である議員が参考にします。  →先週のタウンニュースでも掲載いただきました  →詳しいチラシはコチラ  お買い物のついでにでも、気軽にぜひ! お待ちしています。 第17回 議員有志で市民の声を聴く会 どうなっちゃうの、あの施設? ~「FM戦略プラン」で何がどうなるの会議~  みなさんが使っている、あの施設。団体の活動拠点となっている、この施設。横須賀市には、色々な公共施設があって、暮らしや市民活動に役立ってきました。  ところが、市は財政が厳しくなることを理由に、一方的な削減計画(施設配置適正化計画)を作ろうとしました。この問題については、私たち3議員もみなさんに詳しくお伝えしてきましたが、結果的に市民の大きな批判を浴びて新市長の下で撤回されました。  とはいえ人口も減る中で、確かに今のまま全ての施設を維持するのは難しいので、市は新しく「FM戦略プラン」というものを作ろうとしています。  どんな内容なのか? 市民の声はどうやって反映されるのか? いつごろ完成するのか?  横須賀市財政部FM推進課長の藤田順一さんを招いてお話を伺い、みなさんからの質問に答えて頂きます。その後、市…

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