2017年12月31日

2017年のお礼

小林伸行です。本年も、間もなく暮れようとしています。

私にとって、2017年はなんといっても「選挙イヤー」でした。
●2月マニフェスト大賞実行委員長選挙に自分が出馬(落選)
●4月 鎌倉市議選に秘書時代にお世話になった方が出馬(落選)
●6月横須賀市長選
●7月 横浜市長選に元ボスが出馬(落選)
●10月 衆議院選挙に秘書時代にお世話になった早稲田夕季県議が出馬(当選)

いずれも濃淡はあれ関わったことで、だいぶエネルギーがかかりましたが、地元の市議としての活動は、手を抜かなかったつもりです。

また、本年は日本の民主主義のありように、非常な危機感を頂いた一年でもありました。「伝統的保守主義を大事にしたい」と思っている政治家としては、このままにしておくわけにはいかないと考えています。
まずは、すぐにできることとして、支援者の方から勧められたこともあって「中学生にもわかるセイジの話」というタイトルの公民教育を始めました。ネタが尽きるまで、書いていこうと思っています。
愚民化された民に主権者意識を呼び覚ますために、何ができるのか。今後も何か行動を起こしていきたいと考えています。

横須賀市議会議員としての任期も、あと一年4ヶ月です。この4年間の任期で、どれだけの仕事を残せるのか。今後も、しっかりと監視と見守りをお願い致します。
本年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願い致します。
posted by 小林のぶゆき at 21:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月30日

【中学生にもわかるセイジの話:番外編】マップを見て近所の市議会議員を訪ねてみよう!

yokosuka議員2017.png 横須賀市議の事務所所在地マップを作ってみました!
 →PDFファイルはコチラ

 2015年の市議選後、市議の死去や辞職、今年6月には補選もあって、メンバーが入れ替わっています。そこで、2019年の選挙も見据えつつ、なんとなく現職市議をGISで地図落とししてみました。来年には「横須賀データマップ」Ver.2も作ろうと思っているので、腕慣らしも兼ねて久しぶりにGISを使ってみましたが、思い出すのに苦労しました。

 このマップで、ざっと見て、自宅の近くにいる議員は誰か? 政党や活動スタイルなどで親近感のある議員は誰か? あたりをつけて、会いに行ってみるのもいいでしょう。大丈夫。中学生だからって、主権者です。ちなみに、私の事務所にも、高校生が政治について語りに訪ねてきたことがあります。

 しかし、よく見ると、田浦行政センター管区はいま議員がいないんですね! あと、小室卓重議員は事務所が米が浜でも住まいは鷹取なので、湘南鷹取あたりに4人と、その集中ぶりが際立っています。そんなバラつきぶりも見ていて面白いです。あと、やはり人口が多い所には議員が多い傾向がありますね。

 詳しい住所や連絡先はコチラでご確認ください。
 →議員名簿

 ちなみに、私のところは大歓迎ですよ!
posted by 小林のぶゆき at 10:08| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月29日

【中学生にもわかるセイジの話】まとめ(Vol.11〜20)

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.11】
ザンネンなお知らせ。実は中学生のキミも、約一千万円の借金を抱えているんだよ。
ニッポンでは、オギャアと産まれたその瞬間から借金を抱えることになる。ちなみに横須賀市に生まれたキミの場合、国が852万円+県が41万円+市が71万円=965万円となる(国約1080兆円+県約3兆7600億円+市約2900億円の各人口割)。でも、安心してください、払えますよ……県と市の分は。ほとんどが、いわば住宅ローンなので、借金とは言っても健全な投資。ハコモノを豪華に建てすぎて、若干借り過ぎだが、まあ何とかなる。モンダイは、国の借金だ。こっちは健全な住宅ローンよりも、サラ金がどんどん増えている。国は「景気が良くなれば返せる」とか言っているが、要するに子どもや孫へのツケ回しだ。特に、今の若い人は戦後最大の借金を抱えることになる。選挙権がないか、選挙権を行使しないと、こういう仕打ちが待っている?! そういうことなのかもしれない

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.12】
政治家の任期は、基本的に4年。ただし、短くなることはよくある。(参議院議員のみ6年)
日本の政治家は、市町村の議員も、都道府県の議員も、国の衆議院議員も、任期は4年。首長(市町村長や都道府県知事)も4年。ただし、地方なら、議会が首長に「不信任議決」をすれば、首長が失職するか、首長が議会を解散することができ、任期は短くなる。同様に、衆議院も「内閣不信任決議」をすれば、内閣総辞職か衆議院解散ができる……ことになっているのだが、どういうわけか何にもなくてもしょっちゅう解散している。そのため、衆議院議員の任期は、実際には平均2年半ちょっととなっている。あと、署名を集めれば国民が政治家を辞めさせることもできる

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.13】
市や国の借金は、あなたにどんな影響があるのか? 要するに「先輩が食べたスキヤキの代金を、あなたが払わされる」という話なのだ。
前々回のVol.11で「誰もが一千万円ぐらいの借金をしている」と書いた。つまり、国県市の借金のことだ。しかし、「行政の借金が自分にどんな影響があるのかわからない」との声も頂いた。では、レストランにたとえて説明しよう。今回は長編だ。

普通のレストランなら、入るのも入らないのも自由だ。しかし、市や国は寮の食堂のようなもので、必ず食べることになっている。しかも、行政サービスは、メニューから選んで注文するのではない。日替わり定食しかない。なおかつ、代金は強制的に給料天引き(税金徴収)される。
寮の食堂は、この代金の中から厨房設備(道路や下水道等のインフラ)をリースで借りている。そして、「おいしいトンカツも提供したいので、フライ機を導入しました」「冬には鍋料理も出したいので、カセットコンロを導入しました」という具合に整備をしてきた。確かに、料理の幅も広がって美味しくなったので、みんな満足してきた。

ところが、段々と寮生の要求がエスカレートしてきて、寮の先輩が「今度は、スキヤキが食べたい」「ビフテキを出せ」と言いはじめた。最初は、食堂担当者(政治家)も「さすがに、1食500円の予算じゃスキヤキはムリです!」と抵抗していたのだが、寮の先輩たちが「そんなこと言ってると、オマエたち食堂担当者のクビをすげかえるぞ。カネを借りてでもスキヤキを出せ!」と迫ったので、スキヤキやビフテキも出すようになった。しかし、当然ながら予算はオーバーするので、その分、仕入れ先へのツケ(赤字国債)で高級な食材(高福祉)を仕入れるようになった。また、厨房設備もなるべく増やさず、老朽化しても買い替えずに使うようにしたため、ときどき故障するようになった。

こうしてリース代金は減らしてきたものの、食材仕入れのツケはだんだん膨れ上がってきて、いくら大口の取引先だとはいえ、いずれは返済を迫られるだろう。そうなったら、借金を返すために1食500円のうち100円を返済に回して、400円の予算で作るしかない。そうなったら、新入りの寮生たちから「1食あたり500円も払っているのに、こんな料理しか出ないのかよ。ボッタクリだ!」という声が挙がるだろう。あるいは、1食あたりの徴収額を600円に値上げ(増税)するしかない。でも、先輩の寮生の発言力のほうが強いので、スキヤキ廃止も値上げも、なかなかできずにいる。

いずれは、新入りの寮生たちは「この会社(ニッポン)で、毎日高くてマズイ飯を食わされ続けるんだったら、あの会社(海外)に転職したほうがいいんじゃね? この会社は安定しているかもしれないけど、徐々に売上げ下がっているよね。だったら、あの会社のほうが業績伸びてるし、チャンスも多いはずだよね」という選択をするかもしれない。なにしろ、先行きが不安だ。

……これが、いまのニッポンの借金の現状だ

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.14】
民主主義とは、自分たちのリーダーを選挙で選ぶ仕組みではない。使用人を選ぶ仕組みである。
民主制(Democracy)とは、民(たみ)が主(あるじ)の制度、と書く。主の上に、主はいない。つまり、私たちが選挙で選ぶのは、私たちを統治する者ではない。使用人だ。私たちが決めたルールに則って、私たちの役に立つべく働いてくれる雇い人だ。そうは言っても、私たちの中にも、ルールを守らない者が出てくる。だから、使用人に命じて、私たち全体の代理として、みんなにルールを守らせている。別に、その権限を与えられている使用人が偉いわけではない。ただし、時間が経つうちに、「俺って偉いんだ!」と勘違いする使用人が出てくる。いつの時代でも、どんな社会でも、必ず出てくる。民主制をまもるためには、そういう使用人をクビにすることが大事だ。大丈夫。紙キレ一枚で、カンタンに解雇できる。そう、あなたの一票で

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.15】
地方議員には、地域代表、宗教代表、サラリーマン代表、業界団体代表、政党代表など、いろんな人がいる。
ひとつのまちで何十人も議員がいると、議員も色々な層から選ばれてくる。
公明党の議員のように、創価学会という宗教団体から絶大な応援を受け、安定して当選してくる人たちもいる。
共産党の議員のように、政党の看板で勝負するオーソドックスな人たちもいる。
町内会などから支援を受け、地域の票をまとめて勝ち上がってくる人たちもいる。このタイプは、地元のお祭りに顔を出したり、地域の要望を役所につなぐのに熱心だ。
建設業協会や医師会など業界団体の推薦をもらって当選する人たちもいる。このタイプは、各種パーティや会合で挨拶の時間をもらうことが重要であり、公共事業や補助金の動向に敏感だ。
なお、地域代表型と業界代表型は、わりと自民系無所属に多い。
また、同じ業界単位でも、経営側ではなく労働者側の組合から支援を受ける人たちもいる。このタイプは、労働組合幹部との勉強会&飲み会や旗開き・決起集会といったパーティへの出席が主戦場だ。わりと、旧民主党や社会党の議員に多い。
このほかに、朝夕の通勤時間帯に駅などに立って街頭活動をするサラリーマン代表型がいる。特定の地域や業界などにしばられないため、「しがらみのない政治」などといったキャッチコピーを掲げがちという特徴がある。固定的な支持者を持たないため票が読めないのが悩みだが、しばしば大量得票したりするのもこのタイプだ。
不思議なことに、ママ代表というタイプの議員は全国的に少ない。20〜30代の投票率が低いこともあって、一番困っているはずの子育て世代は政治を使うのがヘタだ。「保育園落ちた。日本死ね!」などとボヤく前に、保育園は国ではなく市町村の仕事だということを学習して、地方議員を送り込んだほうがいいだろう

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.16】
子どもも、有権者ではないが、主権者だ。
18歳未満は、選挙権を持たない。つまり、有権者ではない。では、政治に口を出す権利がないのだろうか? 実は、そんなことはない。横須賀市では、2016年に市政初となる小学生からの陳情が出された。全国でもまれか初らしく、複数のTVやネットニュースで取り上げられ、注目された。子どもであっても、政治参加ができる証拠だ。子どもも国民。つまり、この国のオーナー・主権者だ。ついでに、納税者でもある。私は「なぜ小中学生にまでチラシを配るのか?」と時々たずねられるが、彼らも私の雇い主でありお客様だからだ

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.17】
タスキやノボリに「本人」と書く政治家が多い。あれは、名前を出せないからだ。
25152097_1391330290975855_8240850402609325876_n.jpg政治家が名前を売っていいのは、5〜10日程度の選挙期間だけ。この「私、○○を当選させてください!」と訴える活動が、「選挙活動」だ。しかし、実際にはそれだけで当選することは少ない。普段からの「政治活動」の実績が認められて、当選する者が多い。ただし、政治活動は、主張や政策を訴えるものだ。別に、名前を出す必要は全くない。とはいえ、「この政治活動をやっているのは、他でもなく私なんですよ!」と、名前を出さずに自分を認識してもらうツールが「本人」なのだ。ただし、抜け道もある。実は政党に所属している政治家は、「政党活動」の名目で「時局講演会 弁士:横須賀花子」という具合に名前を出すことができる。地方政治には国政政党は直接関係ないとはいえ、それも政党に所属するメリットだ。

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.18】
成人式は20歳。でも、実は18歳から、もう大人だよ。
もうすぐ成人式の季節。ところで、20歳を対象に成人式をしているけど、本当にそれでいいのかな? というのも、2016年から18歳選挙権が始まっている。そして、正式に社会を構成するメンバー(公民)として認められた選挙権(公民権)こそ、成人の証とも言える。もちろん、民法第3条には「満20年を以て成年とす」と書かれているが、民法は契約など主に財産取引のための法律だ。そして、選挙権と揃えて、民法も成年は18歳に改正される見込みだ。ちなみに、運転免許も18歳から。一方、タバコやお酒は20歳のままだ。判断能力を基準にした公選法・民法・道交法とは違って、身体の成熟度を基準にしているからだ。つまり、ホントの大人の証はタバコやお酒じゃない。選挙だ

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.19】
「義務教育」は、キミが教育を受ける義務なんかじゃない。大人たちが教育をする義務だ。
よく、小中学校の教育を「義務教育」と呼ぶ。そして、大半の人が、これを「子供は、学校で勉強するのが義務だ」とカン違いしている。かつて、私もそうだった。実際のところ、行政職員や議員の中にも誤解している者が少なくないのだから、ムリもない。しかし、憲法第26条二を読み返してほしい。「保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ」と書いてある。そして、教育基本法第5条三には、国や地方が「その実施に責任を負う」と書いてある。つまり、「保護者は、国や地方の行政を使って、ちゃんと子供を教育してあげなきゃダメだぞ」という義務なのだ。……だから、キミ。学校がどうにも耐えられないなら、行くな。行く義務なんてない。そして、保護者や教師に、キミたちに合った教育をするよう、要求しなさい。なぜならそれは、この国のルール(憲法)に定められた、キミたちの当然の権利だからだ

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.20】
国の仕事は色々あるけど、市役所の仕事は一つしかない。実は、福祉だけだ。
市役所は、実に色々な仕事をしているように見える。しかし、突き詰めて言えば、本業は「福祉」だけだ。市町村や都道府県の役所を「地方自治体」という。その仕事を定めた地方自治法第1条2項には「住民の福祉の増進を図ることを基本として」と書かれている。分野は高齢者・障害者・子ども・勤労者など多岐にわたるが、いずれも福祉なのだ。一方、国の仕事は幅広い。外交・防衛・経済・通貨など、ただでさえ忙しいのだから、福祉は市町村に任せてしまえばいいのになあ
posted by 小林のぶゆき at 13:26| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【中学生にもわかるセイジの話】まとめ(Vol.1〜10)

 おかげさまで、支援者の方に勧められて始めたFacebookでの「中学生にもわかるセイジの話」も、毎日投稿できてはいませんが、なんとか細々と続いています。だんだん、過去に何を書いたか忘れて同じこと書きそうになったりするので、10回ごとにまとめることにしました。
 「中学生には難しすぎるんじゃないか」など色々なご指摘も頂きながら、少しづつ改善しています。ただ、「へ〜、そうだったんだ!」というトリビア感があるネタを何とかお届けしたいので、ありきたりのことじゃない情報を仕込みたいなと思っています。お気づきのことがあったら、ご指摘いただきたいですし、新しいネタ案も大歓迎です。

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.1】
市町村は、国や県の下ではない。対等の関係。ただし、タテマエ。
地方分権が進んだいま、市町村にできないことを都道府県が、都道府県にできないことを国が、という補完性の原則(subsidiarity)に沿って行政をするのが欧米標準。ただし、ニッポンの現実は、未だに国は地方を下請け扱いするし、地方も国に甘えている

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.2】
市議会議員は、市長の部下じゃない。むしろ、市長の監督者。ただし、世の中には市長の腰巾着と化した議員もいる。
株式会社にたとえれば、市長は社長で、議員は取締役。ただし、日本型オーナー企業のイメージだと、取締役も社長の部下だと勘違いしている人が多い。日本の地方自治制度は戦後にアメリカから導入されたので、米国型株主主権モデルになっている。社長に執行を任せるが、株主たちから送り込まれた取締役がしっかり社長を見張る

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.3】
市議会議員は、実は公務員! 市長も公務員。国も同じ。国会議員も総理大臣も公務員。
市議も市長も、特別職地方公務員。ただし、いわゆる常勤職員ではないので、毎日役所に行く必要はない。兼職してもよい(他の公務員との兼職は×)。同様に、国会議員も大臣も、特別職の国家公務員。というより、憲法第15条3に「公務員の選挙については〜」と書いてあるとおり、むしろ議員や行政トップこそが代表的な公務員なのであった

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.4】
国会には与野党があるが、市議会には与党も野党もない。……ことになっている。
国会は、イギリス式(議院内閣制)。つまり、議員の中から行政トップ(首相や大臣)が選ばれる仕組み。ほとんどの場合、多数派の中から選ばれる。自分たちの仲間から首相や大臣を出した党派は、自然に応援派の与党となる。一方、地方議会は、アメリカ式(大統領制)。つまり、行政トップ(市長)も選挙で選ぶ。形式的には、市長はどの議員とも仲間ではない。……とはいえ、実際には「市長を支援したら、自分の政策を市に取り入れてもらえるんじゃないか」と考える議員が集まって『市長与党』が形成されることも多い

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.5】
海外には、「市長」が2人いるまちも多い。
ニッポンの市長は忙しい。名誉職の面と実務職の面がある。ところで、海外では、これを分けているまちも多い。式典や表敬などにあたる市長(Mayor)と、市役所の組織や予算の管理を司る市長(City Manager)とが、いたりする。ちょうど、ドイツ・イタリア・中国などで、儀礼的な大統領や国家主席のほかに、行政トップの首相がいるイメージ。誰がトップでもどうにかなった右肩上がりの時代が終わり、地方行政に経営が必要な今、市長に名誉職まで務めさせる現状には疑問の声もある

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.6】
ニッポンは国より地方のほうが大きい。財政規模は、国が3割で、都道府県&市町村が7割。……でも、見かけだけ。
予算規模で比べれば、支出は国:地方=3:7。地方のほうが大きい。ところが、収入でみると、国:地方=6:4と逆転。地方は足りない分をどうしているのか? つまり、国が集めて、指図つきで分配している。だから、地方に裁量はあまりない。この地方自治の状況を揶揄して「4割自治」と言われる

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.7】
市でいちばん偉いのは市長? 国でいちばん偉いのは総理大臣? さあ、誰でしょう?
横須賀市でいちばん偉いのは、あなた。日本でいちばん偉いのも国民。つまり、主権者だ。憲法前文で高らかに宣言されたとおり、権力は国民が持っている。そして、その権力を議会や首長や裁判官や公安委員長や教育委員長などに預けている。しかも、暴走しないように分散して託している。これが国における三権分立や地方におけるエージェンシー制(委員会制)だ。いずれにしても、これらの官職は公僕。つまり、主(あるじ)の権(ちから)をもつ者に仕える、公(おおやけ)の僕(しもべ)に過ぎない

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.8】
横浜・川崎・相模原は、神奈川県じゃない?!
横浜・川崎・相模原と、3つも政令指定都市があるのは神奈川県だけだ。そして、政令市の権限は都道府県とほぼ同格。県にあって政令市にない機能は、警察と農林水産ぐらいだ。あとは、県のほうが高校をたくさん持っている程度か。その意味で、地理的には県の中にあるが、行政的には県の中にないとも言える。ちなみに、横浜・川崎・相模原の人口は、神奈川県の65%を占める。つまり、神奈川県という自治体は、実は1/3の県民向けだけに仕事をする役所なのだ

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.9】
市長は、「市」民の「長」ではない。「市」役所の「長」だ。
前々回もふれたが、市の中でいちばん偉いのは市民だ。そのため、市長は、市民の長ではない。かつてアメリカでは、市民がカネを出し合って、保安官など自分たちに様々なサービスを提供する使用人を雇った。このお雇い職員が増えて、市役所になっていった。この組織を管理させるために、経営者を雇ったのが市長(City Manager)だ。日本の市長は、戦前は統治者だったが、戦後はアメリカ式を選んだので、現在は市役所の長ということになる

【中学生にもわかるセイジの話:Vol.10】
日本を代表するのは、総理大臣じゃない。天皇陛下。
国家元首と行政トップは別だ。イギリスなら、エリザベス女王とメイ首相。ドイツなら、シュタインマイアー大統領とメルケル首相。スペインなら、フェリペ6世国王とブレイ首相。日本なら、天皇陛下と安倍総理。というわけで、前回Vol.9の市の話と国も同じだ。総理大臣は行政府の代表に過ぎない。そして、日本国民を代表されているのは天皇陛下だ。だからこそ、衆議院の解散も、内閣の任命も、最高裁の任命も、天皇陛下が行われる
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2017年12月23日

【委員会視察報告:後編】震災後のまちの直しかた〜熊本市〜

IMG_3455.JPG 委員会視察の最終日は熊本市だ。熊本市では、昨年4/14と4/16に起きた熊本地震への対応から教訓を得ることが目的だ。
 とりわけ、都市整備常任委員会としては、道路・橋梁の災害復旧の取り組みについて話を伺った。
(写真は熊本駅にあった巨大ゆるキャラ。復興のシンボルは、熊本城よりもゆるキャラの印象)

 ところで、議論の大前提となる私の考えだが、我々議会は、震災時にやれることはない。むしろ、何もやらないほうがいい。執行の指示命令系統を混乱させたり、余計な説明責任を果たすための報告資料の作成など仕事を増やしたり、邪魔になるだけだからだ。
 議会の主な仕事は、執行を監督することだ。だが、非常時には、監督せずに執行を信じて任せたほうがいい。スピードが大事だからだ。議会は素人だが、彼らはプロだ。

 では、議会は不要なのか?
 確かに災害対応には不要だろうが、復旧対策には必要だ。修繕をすべきか、更新をすべきか。そもそも復旧すべきか、廃止してしまうか、全く別の施設で対応するか。こうした判断は、住民代表である議会が、合意形成して議決しなければならない。
 また、災害が起こる前に、発災時に想定される事柄について、マニュアルへの反映を提案したり備品の備蓄を提案するなど、問題の芽を摘んでおくことも重要な仕事だ。


 上記の考え方の下、今回の視察で聞いた話を整理したとき、あえて技術的な知見は一切を捨象したほうが良い。それらは我々議会にとって、執行部に口を出したくなる誘惑の種にほかならない。
 一方で、今回の視察で得られた最も重要な洞察は、災害復旧工事の発注に関する手続きだ。大きく3つある。

(1)随意契約
 第一に、随意契約の問題だ。
 大規模災害時には、膨大な件数の災害復旧工事が発生する。今回の熊本地震の場合、熊本市では道路約7,400カ所、橋梁約650カ所、合計約8,000カ所もの被害箇所があった。
 これら工事は、基本的に民間に委託することになる。横須賀市の場合、道路維持センターという直営の部隊もあるが、彼らは小規模な修繕が中心だ。本格的な復旧工事が担える資源はない。
 そして、市が発注する工事には、基本的には公正性や経済性を担保する手続きが必要だ。一般競争入札や総合評価落札方式などがそれだ。業者と癒着することで工事の品質が落ちたり工費が高くついたりすることを避けるためだ。
 しかし、応急復旧が必要な場面で、のんびりと入札をやっている暇などない。厳正な手続きや工費を多少犠牲にしても、一刻も早く復旧したほうがいい。そこで、災害時には随意契約や指名競争入札が認められている。

 ところで、この随意契約をするには、「随意契約理由書」といった書類が必要となるようだ。確かに、非常時にスピードは大事だが、後日の検証に耐えられる一定の説明責任は果たさなければならない。ただし、「この復旧工事は、こんな理由で一般競争入札ではなく随意契約にするんですよ」という理由の調整に時間を要したという。

 なるほど。それは我が市でも大いにあり得る話だ。
 ついては、「随意契約理由書」の雛型を複数パターン用意しておき、フローチャート式に「こんなケースはこの理由をつけておけばいいぞ」という対応が迅速にできないか、折衝してみたいと思った。

(2)入札不調
 第二に、入札不調だ。
 工事が多く、業者も手いっぱいとなり、入札に参加してもらえないならば仕方がない。しかし、工事受注の余力がある業者がいくつもあるのに、形式的な要件でひっかかって、それらの業者が入札に参加できないケースが相次いだという。具体的には、工種ごとに定められた一事業者あたりの手持ち工事数の制限があり、受注余力がまだあってもその制限にひっかかるというケースだ。
 確かに、工事の品質を確保するために、平時において一事業者に発注が集中しないよう制限することには合理性がある。しかし、非常時は別だ。
 ついては、我が市では同様の制限はあるのか? 仮にあるならば、災害時にはどのような取り扱いとなっているのか? この点について確認してみたいと思った。

(3)補助金
 第三に、補助金の問題だ。
 ニッポンの悪癖として、国と地方政府の間の業務分担が不明確である。たとえば、国道や県道の管理を市が行っていたりする。「国道が壊れたら国が直せばいいじゃないか?」というのがまっとうな感覚だと思うが、この国のジョーシキは違う。国道の管理を県や市に任せながら、その修繕にあたっては国からの補助がある仕組みとなっている。逆に、市道の修繕にも国が補助金を出したりするのが通例だ。
 本来なら、市にはきちんと財源を委譲したうえで、市道の維持修繕に国はカネもクチも出さない、というのがあるべき姿だ。また、国道の管理を市に任せるのであれば、管理基準を定めたうえで、その基準に則って行われた修繕費用は、補助などではなく、国に請求すれば耳を揃えて払われる、というのがあるべき姿だ。さもなければ、国が自分で管理すればいい。
 しかし、いずれにしても、そのようにはなっていない。

 こうした中、国道・県道・市道のいずれについても、災害の状況をきちんと調査し、報告書にまとめ、国の補助を申請し、査定を受けて、補助決定された後に、ようやく工事の入札が始まる、という具合となる。もちろん、どの場合であっても調査記録をとっておくことは必要だが、国や県の査定があることにより、手続きが増えるのは容易に想像がつく。

 ついては、こうした悪癖の改革には時間を要するため、当面は「適応」するしかない。国や県の査定への対応を、受験勉強的にテクニックで難なく乗り越える方法がないか、担当課と折衝してみたい。
IMG_3473.JPG
 以上が、熊本市の視察報告だ。
 これを以って、今回の都市整備常任委員会の視察報告とする。
(写真は、商店街で見た洪水の実際浸水深)
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2017年12月05日

【委員会視察報告:中編】稼ぐ公共施設、大阪城公園〜大阪市〜

OsakaCastlePark.png 前日に訪問した吹田市は、タダで公共施設を手に入れた話だった。続いて訪問した大阪市は、逆に公共施設で儲けを出しているという話だ。
 具体的には、大阪城公園の事例だ。

以前の大阪城公園の状況
 この大阪城公園は、大きく分けて3つの部分から成る。
(1)大阪城天守閣
(2)大阪城ホール
(3)その他の施設と公園部分

 (1)大阪城天守閣は、市の外郭団体に委託(指定管理)しており、来観料収入が多く、年間2億2600万円の黒字だった。
 (2)大阪城ホールは、市の公園に株式会社大阪城ホールという民間企業が土地を借りてホールを所有している格好で、民営なので収支は関係ない。
 (3)その他の施設と公園部分が、赤字だった。収入は6億円強あったようだが、年間10億6000万円もの経費をかけて管理していた。つまり、(1)大阪城天守閣の黒字を加えても、大阪城公園全体では毎年約2億円の赤字だったようだ。加えて、その他に市職員の人件費もかかっていた。

 これだけ聞けば、大阪城公園は大変なお荷物のようにも思われるかもしれないが、行政の常識から考えれば、「まあ、そのぐらいかかるわな。逆に、あの広い公園を市の持ち出し2億円で管理しているのは安いほうじゃないか」という感覚だと思う。ちなみに、横須賀市だと、三笠公園&ヴェルニー公園の指定管理料が年間1億2千万円。くりはま花の国&ペリー公園の指定管理料も年間1億2千万円。あの維持すべき史跡も多い大阪城公園を2億円で管理していたのは全国的には悪いほうではないだろう。

民間活用でエンジェル現る
 ところが、2011年12月の橋下徹市長の就任により、民間活力を積極的に取り入れる方針が示されたことで、大きく変わり始めた。
 2012年12月、事実上の大阪維新の会「政権」下で大阪府・大阪市による「大阪都市魅力創造戦略」が示され、その中に大阪城公園が重点エリアに位置づけられた。
 そして、2013年7月に、民間からの事業提案を募集したところ、「ボクらに運営を任せてくれれば、指定管理料なんて要りませんよ。逆に、公園を使ってお金を儲けるので、売上げに応じて大阪市にお金を払ってあげますよ」という業者が現れたのだ。
 そこで、2014年6月に、民有の(2)大阪城ホールを除いた、(1)大阪城天守閣と(3)その他の施設と公園部分を、一括して民営化することにした。委託先(指定管理者)の募集条件は、(1)大阪城天守閣の黒字と同じ2億2600万円を毎年収めること。つまり、(3)その他の施設と公園部分には、一切カネを払いませんよ、という意味だ。また、事業期間は2015〜2034年度の最長20年間。一般的に、指定管理は4〜8年程度の事業期間とするところが多いが、それでは短すぎて投資回収ができないから民間投資してもらえないため、ある程度長めの設定としたということだ。
 この条件の下で、手を挙げてきた事業者の中から大阪城パークマネジメント共同事業体というグループを選定した。

民営化後の変化
 さて、この大阪城パークマネジメント共同事業体は何をやったのか。総額50億円以上の投資をして実施したことを、以下列記したい。なお、今回は現地視察はしておらず、会議室で話を聞いただけだったが、その後、プライベートで見物してきたため、その感想も交えていることを補足する。

●MIRAIZA:耐震強度不足で放置されていた歴史的建造物を、耐震補強&リノベーションして、飲食店と忍者グッズなどの物販店の商業ビル化。とりわけ、屋上はパーティスペースとなっており、上層階は高級レストランで、ウェディングなどを狙っている様子。

●大阪迎賓館:1995年のAPEC大阪の際に建設したが、その後はある意味眠っていた施設を、ウェディングなどのパーティもできる高級レストランとして活用。

●Jo Terrace:大阪城ホールは、16000人を収容する一大イベントスペースのようだ。ひとたびコンサートが開かれれば、大阪城公園駅から大阪城ホールまでの約550mには人の波ができることになる。しかし、屋台が並ぶ程度で、「せっかくだから、お食事でもして帰りましょ」ニーズに応えられる、気の利いた店などはなかった。そこで、低層の商業施設を整備。見たところ、安価な鉄骨造だが、ガラスの開口部が多く、部材も安っぽく見えないものを使用しており、照明もウォーム系で統一感があり、オシャレ感は保持している。飲食店を主体に、コンビニや土産物等の物販が並ぶ。

●御座船:太閣秀吉も乗った御座船(今の豪華ヨットに相当か)をお堀に浮かべ、観光客を乗せるもの。船は本物の金箔を貼って豪華なつくりにしてある。

 その他にも、次のような企画を手掛け、大成功した。
●園内売店のコンビニ転換
●バス駐車場の拡張
●天守閣のライトアップやプロジェクション・マッピング
●広大な園内をめぐる電車や自動車の運航
●天守閣の前で武将や忍者の格好をして写真撮影するサービス
●ハウステンボスと組んだ夏季のアミューズメント施設(特に大人向けナイトプール)

 大阪城パークマネジメント共同事業体は、固定の年間2億2600万円だけでなく、収益の7%も大阪市に払うことを約束していたが、初年度となる2015年度から約1600万円・2016年度には約2700万円を納入した。これは、予想を上回る額であり、20年もかからず、かなり前倒しで投資回収できる見込みだという。

成功の秘訣は何だろう?
 この成功の要因は何か。
 担当者からは明示的に語られなかったが、私が現地を見物した感覚から、次のようなポイントがあったのではないかと推測する。

●外国人向けのベタな商品・企画
 大阪城公園は中国や韓国などからの外国人旅行客が多いようだ。私は平日の16時に訪れたが、8割近くが外国人だった。
 なにしろニッポンの城を見に来たわけだ。日本人に訴求するなら歴史探訪なのかもしれないが、外国人のニーズは違う。金ピカの船、戦国武将や忍者のコスチュームをまとった記念の一枚、手裏剣投げ体験、手が届く価格のレプリカ日本刀……。ベタなようだが、きっちりと応えて喜んで頂くのが大事なのだろう。

●日本人向けのユニーク・ヴェニュー
 普段は入れない特別な場所でのパーティやレセプションを行うことをユニーク・ヴェニューと呼ぶ。海外では有名美術館で企業がレセプションを開いたりするのが人気で、国も事例集をつくるなどして推奨している。
 この点では、かつての大阪城の場内でウェディングやパーティを行うだけでも、すでにユニーク・ヴェニューだ。そして、ほとんどの店舗が、天守閣を間近に望める。それに加え、各国の来賓を招いた大阪迎賓館や歴史的建造物のMIRAIZAなどは、建物自体もかつて一般人は入れない場所だった。この希少性から、高価格帯の団体客が期待できるだろう。

●共同事業体のメンバー
 大阪城パークマネジメント共同事業体の構成企業を見ると、ニーズをとらえ、ニーズをつくるための強力な布陣となっていると見た。
 公共施設の民間整備(PFI)界隈で、近年、非常に大きな存在感を示している大和ハウスと大和リースが入っている。安く建築し、しかし安っぽくはなく、確実に投資回収ができるスキームを描くノウハウがあるのだろう。
 電通と読売テレビは、集客担当だろう。かつて、何もない埋め立て地だった東京・お台場を、本社を置いたフジテレビがメディアの力でテーマパーク化していった。同様に、関西一円の視聴者に新しい人気スポットとして刷り込んでいったのではないかと推測している。

ソレイユの丘やくりはま花の国に活かせるか?
 以上、市民のみなさんに少しでも多くの洞察を得て頂けるよう、単に会議室で聞いた話の紹介だけではなく、自らの足で見聞した感想も含めてご紹介した。
 問題は、これから横須賀市がどうするかだ。
 現在、多くの税金を投入して運営している、ソレイユの丘やくりはま花の国をどうするのか。我々、議員の提案や判断が問われていくだろう。
posted by 小林のぶゆき at 16:06| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする