2015年10月28日

【委員会視察報告】柏にできて横須賀にできない創業支援拠点

img_map.jpg 2015年10月27日(火)〜10月29日(木)の日程で、視察に行ってきました。横須賀市議会には分野別の常任委員会が4つあります。議員はいずれかに所属し、分担して市の経営をみることになっています。
 私は今年、都市整備常任委員会に所属していますが、この委員会では「今年も他のまちの事例を見て参考にしよう」という話になり、委員みんなで視察に行くことにしました。

 なお、この視察は議員各人の裁量で使える政務活動費ではなく、議会全体のおサイフでまかなわれます。いずれもみなさんの税金という意味では一緒です。税金をかけた分の知見を持って帰れるかが重要だと思います。


 初日は、千葉県柏市の「柏の葉国際キャンパスタウン」についてお話を伺いました。
 「柏の葉国際キャンパスタウン」に着いてみたら、半年前に来た場所でした(笑)。墓参りにレンタカー借りて近くまで来た際、「柏の葉国際キャンパスタウン」内の三井アーバンホテルに泊まり、ららぽーとでお買いものをし、柏の葉駅前にマンションを買って住んでいる友人を呼びだして駅前のチェーン店系居酒屋で呑んだのですが、「新しく開発した人工的な街だな」という感想しか持ってませんでした。

 ところが、話を聞いてみると、ここは環境省「環境未来都市」としてモデル都市に選定されており、三井アーバンホテルは公共的な施設と一体的に景観や機能分担を考えて建設されており、その隣には全国でも最先端のインキュベーション施設があって、公民学連携のコミュニティセンターがあり、ららぽーとには健康づくりの先駆的なテナントが入居していた。先日来た際には全く気付かなかった、先進事例の集積地でした。


 私は昔、つくばエクスプレスがまだない頃に筑波大学に通っていましたが、つくば学園都市も柏の葉と同じ匂いがしました。大学を中心に開発。元は田んぼや畑だった平らで広い土地をのびのび使う。道路は広い。土の香りがしない。近未来的。良さもあれば、馴染めないところもありました。
 同僚議員が「箱庭的空間」と評していましたが、言い得て妙です。駅周辺の中心部は、三井不動産が保有する土地であり、同社が主導的に先進的な開発をしている印象です。企業お抱えの、地域限定的な、エコでスマートでハイセンスで単一所得層・単一価値観のコンパクトシティ。


 柏市から学べることは色々な分野でありそうです。ただし、都市整備常任委員会の所管であるまちづくりという意味では、今の横須賀市に「柏の葉国際キャンパスタウン」みたいな開発をする余地はない。浦賀の現・住友重機械の工場が再開発されるか、米軍の横須賀基地と自衛隊の横須賀施設群がまとめて返還されれば、まっさらな所からの大規模開発もできるのですが、現時点でそんな話はない。


 その意味では、最大の収穫は、「やっぱり公共交通は大事だ」という視座です。田んぼと畑しかなかった場所につくばエクスプレスが敷かれただけで、突如として数万人規模のまちが出現してしまう。近くに高速道路のインターチェンジがあるという立地の良さもあって、大型ショッピングモールも出店してしまう。
 この意味では、横須賀市も公共交通を自前で投資するぐらいのことをしてもいいのではないか。具体的には、まず着手するならJR横須賀線の久里浜駅から久里浜港への延伸と市内の区間における駅の増設です。「横須賀は人口減少で大変だ」と言うなら、具体的な対策が必要です。議会も市長も「大変だ」と言うばかりでは「政治家なんていてもいなくても一緒」と言われても仕方ないのかもしれません。


 同行してくれた議会事務局の職員が、「柏市の担当者がうらやましい」と言っていました。「何もないところに、新しいまちをゼロから作れる。自分でまちの設計図に線が引ける。しかも、土地は三井不動産の土地で、開発の条件をつけていけば、まちづくりに必要なお金も三井不動産が出してくれる。担当職員は、予算の心配をする必要がなく、アイディアを出せばそれが形になる。そんな仕事、普通はない」と言うのです。なるほどと思いました。
 確かドラッカーの本で読んだのですが、かつてイギリスが植民地をたくさん持っていたころ、若い高級官僚をインドなどの植民地に送り出し、大きな裁量を与えて仕事させていたようです。そして、彼らもまだ公的事業のないまっさらなキャンパス上でのびのび仕事をして成長したし、非常に少ない官僚の数で実に効率的な行政サービスを提供して、まちも発展したと言います。おそらく、旧日本軍による植民地統治でも同じような面があったでしょう。侵略を肯定する気は全くありませんが、西洋的観点で公的サービスが遅れた国に、より進んだ国の若くて優秀な職員が行けば、大いに腕がふるえるだろうなと。


 また、都市整備常任委員会の所管から少し外れてしまうのですが、目を見張ったのはインキュベーション施設でした。
 柏市は人口41万人・面積115kuと、横須賀市とほぼ同じ規模のまちです。ただし、横須賀市との大きな違いがあります。大学施設の立地です。
 「柏の葉国際キャンパスタウン」には、千葉大学・東京大学があり、近隣市町村に筑波大学と東京理科大学も立地しています。いずれも、理科系の技術シーズを生み出す可能性のある学部や研究機関があります。一方、横須賀市にも神奈川歯科大学、県立保健福祉大学がありますが、理科系の技術シーズを生み出す雰囲気ではない。防衛大学校もありますが、開放的に外部連携するという雰囲気でもない。YRPも電力中央研究所も、垂直統合型で、シリコンバレーのような水平分業的・シェア的文化ではない。かつての横須賀海軍工廠時代に海軍学校があり、そこからスバル(富士重工)の前身の中島飛行機など技術型ベンチャーがいくつも生まれたような展開力は期待できないのが実際のところです。
 過去記事「会派視察報告【神山町】IT企業を呼び込む成功則はあるのか?」で、シリコンバレーを作るには大学が重要という話をしました。この意味で、横須賀はかなり不利だと思います。

 じゃあ、横須賀はあきらめて手をこまねいて見ていればいいのだろうか? そうではない。インキュベーション施設ぐらいあってもいい。特に、私は以前から提案してきましたが、3Dプリンタや3Dスキャナ、レーザーカッターなどを備えた工房を、早いところ公設で作るべきだと思う。横須賀総合高校の工業専攻の子たちも無料で使えるようにして、地元の金型企業の人たちと一緒に工房でコラボとかすればいい。

 そんなカンタンな事業ひとつできないのも、ひとえに議員と市長の力不足ということになるのでしょう。
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2015年10月20日

議会の「責任感」 〜提言。これからの議会のカタチ〜

横須賀市議会では、予算案の修正はあっても、否決は過去に一度もない。

確かに、予算案が出てきた時点で否決だけしたら、「議会は無責任」と言われても仕方ない。だから議会は、文句は色々あっても一部修正ぐらいで最終的には予算案に賛成してきた。

でも、今こそ提案したい。だったら、事前に「議会の予算要望」を突きつけるべきなんじゃないか? 「この点を押さえた予算を組まないと、議決しないよ」と言って、市長に反映させるわけだ。

もちろん、「会派の予算要望」は、全国的に多くの議会・多くの会派が提出している。横須賀でも毎年、各会派が提出しているようだ。でも、これは、あくまで私的なものでしかない。そして、取り入れるも、取り入れないも、予算編成権を持つ市長の自由。一つの会派で過半数を取っているような議会の場合は、市長も無視できないだろうが、構成がバラバラな議会であれば、市長にとって怖くはない。
一方の議員・会派も、多少取り入れられれば「そんなものか」と思って諦めてきたのが全国的傾向だ。「いちおう、がんばって要望はしたんだけど、市長があんまり取り入れてくれなくてさ〜。まったく困った市長だよ」と言っていれば、僕のメンツは立つし、責任も問われないで済んだ。

でも、「議会の予算要望」は、市長もビビるよ。
事実上、市長の自由にはならない。だって、まるごと要望をのまなかったら、予算が議決されないんだから。

もちろん、議員の考え方は人それぞれだ。だから、「議会の予算要望」をまとめるのは、そりゃ大変なはずだ。でも、それをまとめることこそが、合議制の意思決定機関である議会の真骨頂とも言える。
市長に文句を言うばかりじゃなく、「お願い」政治を続けるだけじゃなく、建設的な案を市長に指し示すこと。それも、「議員」じゃなく「議会」として動くこと。

それが、これからの議会の「責任感」だと思う。
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2015年10月16日

【研修報告後編】「地域公共交通は行政が担う」が世界の当たり前だったのね。

 前回に引き続き、「全国都市問題会議」の視察報告です。

 二日目は、パネルディスカッションという名の「講演会」でした。と言うのも、ディスカッションなど一切なかったからです。パネリストが自分の言いたいことを言って時間を消化してしまい、企画側には議論を深めようという気などサラサラない感じでした。

 そもそも、コーディネーターからして下手っぴでした。進行役のくせに、長々と15分くらい「講演」をする。話題提供の内容も、手元資料と違うから中身が頭に入ってこない。そのくせ、パネリストに時間を守らせるという、基本的な仕事はできてませんでした。「私の進行が悪かった」などと後から言い訳なんか聞きたくないので、市民から預かった参加費10,000円に見合う仕事してくれ。そう言いたくなりました。

 地域再生プランナーとか言う人も、風邪をひいていたのは同情するけど、ボーッとした頭で話しているから話の余白が多いし、重複ばかりで長いし、思い込みも激しい。3分で話せる内容に20分かけた感じで「金かえせ」状態でした。

 サッカーJリーグ松本山雅FCの話をした僕の大学の先輩らしい人も、ほぼ松本山雅FCの自慢話で、そこから参加者が自分の街に読み替えが利くような洞察は得られなかった。というか、金もらって仕事で来ているんだから、もっと準備してスライドがトラブったくらいで話進められないんじゃダメだよ。ムダな時間を浪費しないでほしかったですね。

 真庭市長の話は、コンパクトで今回のテーマのパネリストとしてふさわしい内容でした。特に、地域資源を活かした木質バイオマス発電の成功とCLTという木質建材の挑戦は、印象に残りました。

 今治市長の話も、コンパクトで今回のテーマのパネリストとしてふさわしい内容でした。特に、工業都市でありながら、合併後にひろがった中山間地の連携に心を砕いている様子は、豊田市長と共通する意識を感じました。

 2日目の「講演会」で最も有意義だったのは、「地方公共交通再生請負人」として知られる両備グループ代表の小嶋光信氏の話でした。
 とりわけ、「地方公共交通を民設民営で維持しようという日本は世界のガラパゴス」という話には、目からウロコでした。私自身も「公共交通は補助金など公的負担を増やしてもっと充実させるべき」という考えの持ち主でしたが、むしろ、海外では公設公営や公設民営が当たり前だったとは。遠慮がちに、おっかなびっくり公共交通を支えるのではなく、どかーんと大胆に投資してもいいんじゃないかという意を強くしました。これについては、腹案もあるので、いずれお披露目したいと思います(笑)。
 しかし、主催者もこの人を基調講演の講師に選ぶべきでした。2時間話せる内容を15分くらいに凝縮していたので消化不良で、もっとちゃんと聞きたかった。

 最後に、来年の告知で幕を閉じました。しかし、開催地と日程は告知しても、何をテーマに実施するのかは語られなかった。決めてないのかもしれません。そのあたりが、この研修のヌルさを象徴しているような気がします。集まることが自己目的化して77年も惰性で続いてきたんじゃないの? 最後の主催者代表のまとめのあいさつも、空疎で、中身がなく、帰ろうか迷いましたが10分ぐらい時間のムダ感と闘いながら一応は最後までいました。


 ムリヤリなまとめですが、今回の話の中に通底していたのは、藻谷浩介氏が『デフレの正体』や『里山資本主義』に書いていたことだった気がします。地域資源を活かして、海外と競争するのではなく、少量多品種の付加価値の高い商品サービスを高く売り、地域コミュニティの中でヒト・モノ・カネが回るような経済圏をつくる、ということなんじゃないか。だから、「アベノミクスの地方創生とかもういいから、藻谷浩介を国のアドバイザーに据えて、みんなで里山資本主義でGO!ということでいいんじゃないの?」とか思いながら帰ってきました。

 以上、市民の税金をお預かりして仕事している立場としては、次回以降の参加をためらう研修でしたが、なんとか色々なものを読み取ってきました。
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【研修報告中編】豊田市に学ぶ生涯現役&地域運営協議会

 前回に引き続き、「全国都市問題会議」の視察報告。以下、詳細です。

 さて、最初は登山家の田部井淳子さんの基調講演でした。お話は非常に面白かったです。同じ福島県中通り出身の方の懐かしい語り口で、感動的だったし、引き込まれました。ただし、自分の人生のためには貴重な栄養となる話でしたが、横須賀市政にはさっぱり役立たないものでした。
 これは当然、講師は全く責任ありません。全国から地域経営関係者が集まって研修する会合にどんな講演を依頼すべきか? という観点で、主催者の考え方と私の考え方はかなり違ったようです。

 その後、長野市長の放談を聴き、観光学部の教授から観光振興の要諦を聴きました。最も印象に残ったのは、
(1)観光客の目線でマーケティングをすること
(2)組織ごとのタコつぼではなく観光客目線で統合すること
という2点のポイントでした。


 一日目で、最も地に足がついた話だったのは、豊田市長の講演でした。
 正直、「豊田市みたいな特殊な街から学べることなんて大してないだろう」と思っていたのですが、いい意味で裏切られました。豊田市が大合併して巨大な中山間地を抱えたのは知ってましたが、「どうせトヨタからの潤沢な税収でなんとかなるんだろう」程度に見ていました。でも、太田稔彦市長の話ぶりからは市中心部よりも中山間地に目を配り、市の中の統合と連携に意を用いている印象を受けました。

 印象に残っているのが、「健康づくり、と言うと、すぐにスポーツの話になってしまう。しかし、本来は地域の中で役割を担って頂き、活躍して頂くことが、一番の健康づくりになると考えている」旨のお話です。これは達見だと思います。
 現在、横須賀市でも「生涯現役」の掛け声の下、ラジオ体操を普及しようとしています。しかし、それは本質的な取り組みなのか? 「人はパンのみにて生くるにあらず」という言葉もあります。健康な食事をして、適度な運動をしただけで、生涯現役にはならない。人間は社会的動物です。マズローの欲求5段階の話を持ち出すまでもなく、コミュニティの中で役割を持ち、他人から必要とされ、承認され、自己実現していくことも大事だし、関係性資本とも言うべき地域の人間関係が充実することで、ただ寿命を永らえるだけでない、充実した生活の質が得られるのだと思います。
 その意味では、町内会・自治会以外にも、線的でないネットワーク型の多様な地域参画の機会を用意できるよう、行政も支援すべきではないかと感じました。そのメニューの一つとしてラジオ体操もある、という建てつけならいいのかもしれません。

 もう一つ、参考になったのが、地域自治組織です。
 横須賀も豊田も、40万人を超える大きな都市です。そして、いずれも合併してできたまちです。こういうまちだと、旧町村にはそれなりに地域の一体性もあるし、すべての市民が市全体を考えて暮らすには大きすぎる。そこで、市をかつての町村単位などに分割して、地域でできることは地域の創意工夫でやっていく。……これが地域自治組織の考え方です。
 ところが、横須賀市の場合、近年「地域運営協議会」という名前で始めつつあるのですが、実より形を整えることばかりに市の支援が偏り、地域でも町内会・自治会の上部組織のように誤解されたまま、屋上屋を重ねただけとなってしまっています。しかも、地方自治法に定めのある「地域自治区」制度を使っていないため、フワッとした条例に基づいて、漂流しています。
 一方、豊田市の場合は、地方自治法に基づく「地域自治区」制度を使った「地域会議」というものです。旧町村単位で、地域内の補助金交付審査をしたり、市に対して予算提案をしたりしていて、かなり実がある印象です。
 横須賀は、地域運営協議会に何の自治をゆだねるのか? そのあたりのイメージ共有がされてない。酷なようですが、役所側が無策なので協議会の理事の方々には、役所の下請けやイベント屋さんに堕することのない地域経営者としての自覚が求められていると思います。


 最後に外国人の方から地域おこしイベントを仕掛けたお話を伺い、初日は終了しました。
posted by 小林のぶゆき at 08:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【研修報告前編】第77回全国都市問題会議に参加するも、費用対効果が疑問でした

 10月8日・9日の2日間の日程で「全国都市問題会議」という研修に行ってきました。
 これまで、1期目4年間のうち、2011年、2012年、2014年と3回「全国市議会議長会」の研修に参加し、自分なりに多くのものを得て帰ってきました。
 →研修報告記事はコチラ

 それと並ぶ全国規模の研修、「全国都市問題会議」ですが、これまで日程が合わなかったし、何がテーマかよくわからなかったので、参加したことはありませんでした。今年は、会派で参加しようという話になったので、後学のために参加しました。

 結論から言うと、半分は役に立ち、半分は役に立たなかった。これが正直なところです。某先輩議員も「今年はハズレ」と言ってましたが、なんだか企画がヌルい感じでした。「都市の魅力づくりと交流・定住」というテーマなのに、マトモに中身を考えないで依頼したんじゃないのと疑う講演もありました。詳しい費用は別途収支報告しますが、6万円弱の税金(政務活動費)を使って参加しておいて、横須賀市のために持ち帰るものが少ない研修では、有権者の皆様に申し訳なく思っています。今後は政務活動費の使い方を吟味し、より成果を出していきたいと思っています。

 詳細報告は、続編に譲ります。
posted by 小林のぶゆき at 08:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月15日

原子力空母の交代は、沖縄の基地返還を条件にすべきだった。

IMG_0357.JPG 10/1、原子力空母ロナルド・レーガン(RR)が、ジョージ・ワシントン(GW)と入れ替わりで横須賀に配備されました。
 この件について、横須賀市の市民代表である議会の一員に選んで頂いた人間として、立場を明らかにすべきだと考えています。別にだんまりを決め込んでいたわけではなく、会合の場や会って話した方には明らかにしてきましたが、Blogでも改めて自らの立場を明らかにし、市民のご意見やご判断を仰いでいきたいと思います。
(写真は鉄条網の向こうの辺野古)

 まず、数年前までは「事実上の母港」と言われていた気がするのですが、最近は報道でも「横須賀港を母港とする空母」と書かれるので、既成事実化したのだという感慨を改めて持っています。

 かといって、私は空母反対派ではありません。条件付き空母容認派でした。どういうことか?
 私の考える条件は3つありました。

1)日米地位協定改定への道筋
 私は、保守の政治家です。
 日本は、最低限の自主防衛力を持ち、その上で国連を中心とした国際外交によって対応していくべきと考えています。
 ですから、どちらかといえば、対米従属を脱したいと考える「反米保守」に近い立場です。
 ただし、現実として、私が留学したことのある東アジアの大国は、かつての大日本の「八紘一宇」と同レベルの男根思想「中華思想」を持つ国なので、膨張的欲望がモッコリしている現状では、もう一つの大国かつ、かつて(?)の宗主国、米国と協力するのは現実的な選択だと考えています。

 要するに、日米安保は当面維持の立場です。

 とはいえ、盲目的隷属は潔しとしません。日本は国民主権の民主主義国家であり、独立国家です。日本の伝統と文化に裏打ちされた自らの道を定めて歩むのが正道だと考えています。だから、小泉元首相も唱えていたように、地位協定も見直すべきです。地位協定の改定を協議する日米実務者協議の場をつくること。これを、原子力空母受け入れ第一の条件とすべきだと考えてきました。

2)避難計画の策定
 福島第一原発事故を受けて、「原子力災害対策指針」が示され、原発から5km以内については避難計画を策定しなければならなくなりました。30km以内は屋内退避を計画しなければいけません。
 ところが、原子力空母については、これが適用されていない。そして原子力空母の場合、避難対象は1km以内だけですが、1km以内には住民がいないため、避難計画は存在しないのが現状です。屋内退避の対象も3km以内の人だけです。

 もしも、原発同様に停泊地から5km以内の避難計画をつくろうとすると、横須賀市民20万人分の避難計画が必要となります。これは、市民の半数にあたります。さらに、横浜市、鎌倉市、逗子市、葉山町の該当地域を含めると、実に23万人! 
 現実として、23万人を避難させるのは、まず不可能です。そのためか、国は思考停止に陥っていて、対策マニュアルの改訂を2年半以上もサボっています。
 しかし、いざというときの備えは必要です。だから、原子力空母の交代をするならば、対策マニュアルを合理的に改訂することを条件とすべきだと考えてきました。

 ただし、今の発想では、どんなに時間をかけても国は避難計画が作れるようなマニュアル改訂ができないように思います。そこで、このまま国に放置されてはたまらないので、別案を提案しておきます。
 原発と原子力艦の最大の違いは、原発は動かせないが、船は動かせるということです。そのため、人間を避難させるのが難しければ、原子力艦を「避難」させるしかないと思います。
 つまり、原子力艦が東京湾にいる間は、常に曳航可能とするオペレーションとするのです。いざ、事故が起きてしまった場合には、予めつないでおいた複数のタグボートで曳航し、太平洋に運んで千島・カムチャツカ海溝あたりに沈めるわけです。
 最低でも、このくらいの災害対策が示されなければ、原子力空母の交代を認めるべきではなかった。これは、横須賀だけでなく首都圏の崩壊を防ぐためであることを、国にはご理解頂きたいのです。

3)沖縄の基地返還
 現在、米国自身がリバランス戦略の中でエア・シー・バトル重視の方向性であり、海兵隊を沖縄からオセアニアへ移転しようという考えもあります。こうした中、「沖縄に米海兵隊基地を残してください」と外務省は懇願しているようですが、みっともないし、恥ずかしいことです。
 ましてや、辺野古に基地など要らない。自然観光で儲けるポテンシャル満載の沖縄の海を潰すなんて大損です。しかも、仮想敵国の宇宙開発は進み、衛星通信面でも射程距離でも沖縄は既にミサイルの脅威下にある。アメリカとしては、辺野古に滑走路があるに越したことはないでしょうが、拠点はグァムやオーストラリアなど距離をもう少しおいて築きたいはずです。

 こうした環境下では、「日本には第七艦隊さえあればいい」という見立ては正しいのではないかと私は思います。現在、横須賀に本拠地を置く米海軍第七艦隊を強化すれば、基本的に東アジアのにらみは効く。
 だからこそ、沖縄は逆に基地返還の絶好の時期に入ったと考えています。そして、太平洋戦争で「鉄の雨」とも言われた苛烈な日本唯一の地上戦を経験し多数の死傷者を生んだ歴史や県民感情。これを考えれば、基地返還はまず沖縄から進めるべきです。
 しかも、現在の経済・産業の構造を考えれば、横須賀で基地がなくなっても、すぐに活用できる状況にありませんが、沖縄は違う。観光や貿易でアジアの旺盛な消費を取り込むことができるし、日本で唯一の人口が増えている都道府県で勢いがあります。基地返還されれば、いくらでも活用して成長できるはずです。

 だから、私は「沖縄で基地返還がなされることを条件に、横須賀への原子力空母配備を容認する」という立場です。市町村から、そのくらいのことを言ったっていいと思う。
 かつて橋下大阪府知事(当時)が「大阪で基地負担を引き受けたっていい」旨の発言をしましたが、本土では一笑に付されました。確かに、実際に大阪に移すことはないだろうという読みもあって発言したのかもしれない。しかし、沖縄で維新の党に根強い人気があって全国比例の参議院議員を出せたのも、ヤマトでは批判の多い鳩山元首相が今なお人気があるのも、沖縄の人たちがヤマト側に期待していることの裏返しです。

 沖縄の基地返還のために、大きな影響力を行使できる街はどこか? 横須賀をおいて、全国でそんなことができる街は今は他にないでしょう。横須賀市も基地返還をずっと求めていますが、すぐには望めない現状。そんな中では、同じ痛みを共有する沖縄のために負担を引き受けることを誇りとする横須賀市民も少なくないのではないかと考えます。


 以上、原子力空母の交代に際して、私の個人の考えは大きな意味はないかもしれません。しかし、Show the flagということで、私の立場を明らかにしました。
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2015年10月01日

マニフェスト大賞で学生インターン間瀬海太さんと共同受賞しました!

ManifestoAwardApply.png 政策本位の政治を目指す全国の首長・地方議員・市民らを毎年表彰している「マニフェスト大賞」。第10回の今回、学生インターンの間瀬海太さんと共同で「優秀コミュニケーション・ネット選挙戦略賞」を受賞しました。
 →「マニフェスト大賞:優秀賞決まる」毎日新聞2015年10月01日

 実は、個人で受賞したものも含めると、今回で4年連続の受賞となります。別に、受賞することを目的に活動しているわけではないのですが、いつも多くを学ばせて頂いているマニフェスト研究所が応募を増やそうと頑張っていらっしゃるし、「自分の取り組みは外からどう見えるのか?」というフィードバックにもなるので、毎年必ず応募してきました。ちなみに、どの活動も現在も継続中です。
●2012年「横須賀ハコモノ研究会」
●2013年「横須賀データマップ」
●2014年「市民の声を聴く会」(山城保男議員と共同)
●2015年「街頭プレゼンパッケージの開発」(間瀬海太さんと共同)

 今回は、コンパクト&ポータブルな「街頭プレゼン」パッケージを開発し、その方法を誰もが使えるよう共有したことが評価されたようです。

 ただ、パッケージ開発の大部分を担ってくれたのは間瀬海太さんの手によるところが大きいです。そんな彼も、先月いっぱいで小林のぶゆき事務所を卒業し、大学を休学してシンクタンク構想日本で働き始めました。より大きいフィールドに旅立った彼に、お土産を残して行ってもらったような想いです。ありがとう。今後も活躍してね!

追伸:
 彼が私のところを訪ねてきたのは、高校生のときでした。今や投票権が18歳に下がり、若者の政治参加やシチズンシップ(公民)教育なども話題にのぼりますが、彼に続いて当事務所で仕事しながら学びたいという横須賀近隣の若者がいたら、ぜひ事務所のドアを叩いてみてください。
posted by 小林のぶゆき at 11:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする