2019年01月18日

補助金をもらう側のトップが補助金を出す側の人っておかしいよね?

 横須賀市体育協会という団体がある。この団体には市から補助金を支出しており、横須賀市民オンブズマンの記事を読んで、その補助金のあり方について調べていた。

 その過程で、もう一つ大事な問題について、発見してしまった。
 横須賀市体育協会の加盟団体を見ると、各競技ごとの競技団体があるが、その会長に現職市議が就いているのだ。各競技団体には、市体育協会経由で補助金が渡っている。これはつまり、補助金をもらう側のトップに、補助金を出すかどうか最終判断する人間が並んでいることになる。

 もともと、横須賀市議会議員は、補助金受給団体の役員にはならないように勧告を受けている。
 ちなみに、横須賀市PTA協議会も補助金支出先だが、野比小PTA会長だった私は市議だったので、市P協の役員にはなれないため他の学校のPTA会長にお願いして役を引き受けてもらったことがある。
 同様の理由で横須賀市長も、補助金支出先の横須賀市観光協会の会長には数年前から就かないようになった。

 さて、どうせホームページを見ればわかることなので、ここに実名を挙げておきたい。
横須賀市合気道連盟 浜野 雅浩
横須賀市アーチェリー協会 南 將美
横須賀市少林寺拳法協会 田辺 昭人
横須賀市スポーツチャンバラ協会 渡辺 光一
横須賀ソフトボール協会 青木 哲正
横須賀市太極拳協会 山口 道夫
横須賀市ボウリング協会 大野 忠之
横須賀市ライフル射撃協会 杉田 惺
 同姓同名の可能性もあるので、文化スポーツ観光部スポーツ振興課に確認したところ、いずれも現職市議本人であることを確認している。

 まあ、おそらく競技団体ごとに補助金が出たり出なかったりということもないので、そこに議員の裁量が実際的にあるわけではないため、上記の方々も頼まれて気軽に引き受けているだけで、悪気は全くないのだろう。
 とはいえ「李下に冠を正さず」との言葉もある。各競技団体は、政治家を使って補助金獲得をしている、と思われないために襟を正す必要があるのではないか?
 今後の対応について、検討してみたい。
posted by 小林のぶゆき at 17:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月15日

木下憲司議員の訃報に際して

p-kinoshita-kenji.jpg 横須賀市議会議長の木下憲司さんが、1/11に亡くなった。
 私よりも一期先輩であり、かねて立派な議員だと思っていた方だ。ちなみに、前回2015年の選挙中には、「みなさん、ちゃんと選挙に行ってください。別に、私に投票しなくたっていい。でも、ちゃんと吟味して選んで投票だけはしてください」と演説しているときに、木下候補が通りかかったので「みなさん、ちょうどそこを歩いている木下議員のような立派な議員とそうでない議員がいます。しっかり見極めて頂いて、主権者としての一票はムダにしないでください!」と演説したのを聞いた方もいるだろう。つまり、亡くなった議員へのはなむけにお世辞を言っているのではないという意味で書いた。

 故人の業績は数々ある。しかし、私の視点から、特筆すべきことを3点挙げたい。

(1)中学校給食導入の最大の立役者
 意外と知られていないことだが、本市が「中学校給食を導入する」と決定をするにあたって、最大の功労者は木下議員だ。ちなみに、公明党や共産党は自分の手柄のように言うかもしれないし、別に手柄がなかったわけではないのだが、議会の中で公平に見ていて最も効果的な仕事をしたのは、私でも誰でもなく、木下議員その人だ。
 そのことは、私の5年前のBlog記事とチラシ14号にも記してある。
 →「中学校給食へ、また一歩前進! 市民の声が市を動かす。」
 →チラシ14号「ヨコスカ給食白書(5)」

 今日は、当時は書かなかった舞台裏まで言おう。
 市民から中学校給食を求める請願が出され、故・山城保男議員と共産党と私の署名によって議会で審議されることになった。結果から言えば、不採択となった。しかし、不採択になることを見越した私は事前に、同期の大野忠之議員に「何とか自民党の力で中学校給食に道筋をつけることはできないだろうか」と泣きついて頼んだ。すると、彼は「会派の中で考えてみるよ」と言ってくれて、この請願が付託された教育福祉常任委員会の委員だった木下議員と打ち合わせてくれたようだった。
 請願審査の当日、木下議員が用意していたメモを読みながら、付帯意見案を提案してくれた。その内容が、「中学校給食について積極的に検討すること」というものだった。すぐに実施は求めないまでも検討を求めるという内容で、それまで私が何度となく「せめて検討だけでもしてくれ」と前市長と元教育長に提案しても拒絶されてきたことを思えば大きな一歩となるだけでなく、多くの議員が同意できる内容であり、木下議員らの深謀遠慮が込められた一案だった。
 この木下議員が提案した付帯意見が2013年6月21日の本会議で可決。それまで、一度も中学校給食についての態度表明をしたことがなかった市議会が、市役所に検討を命じた一瞬だった。

 それ以降、中学校給食に否定的だった市役所が動きだし、2021年には導入する運びとなったことはご存じのとおりだ。最大の妨害者だった前市長を市民と議会の声で押し切って、市民が望む事業に道筋をつけたのは横須賀市政の歴史に残る偉業だと思う。その立役者は、誰あろう木下議員だ。

(2)公平公正な名議長だった
 木下議長の議事進行は、いつも的確であり、誰に対しても公正だった。会派の仲間や親しさなどで差をつけることはなかった。共産党のねぎし議員のような、本会議での発言ルールを逸脱しがちな議員に対しても、決して侮ることなく、バカにした態度をとらなかった。そして議員だけでなく、現市長に対しても必要とあらば苦言を呈していた。
 私が見ていて、「このやり方は、議会の例規に照らして問題があるんじゃないか」と感じたときは、いつもすかさず議長がちゃんと注意していた。議論が錯綜した時には、「今の質問は誰宛か?」「質問の趣旨はこういうことですね?では市長答弁を」と整理するのが絶妙だった。安心して議事内容に専念できた。

 具体的な内容は控えるが、あるとき問題のある発言に議長がすぐ対応したことがあり、後から議長の補佐として脇に座る事務局長に「あれって、議長が自分で気付いたの?事務局長がメモをまわしてあげたの?」と聞いたら「あれは、議長がご自分でお気付きになって対応されていました」と言われて、改めて感心したことがある。

 世の中には、名誉職として議長になりたがる人もいる。実力が伴っていなくても、大会派の威を借りて議長になる人もいる。木下議長は、篤実かつ練達の名議長だった。

(3)なんといっても100条委員長
 木下議長を名議長たらしめたのは、それまでの職歴もあるだろうが、100条委員会での経験も大きかったのではないか。
 角井議員が「各会派、議員の意見をよく聞きながら、議会全体としてまとめ上げていった調整力は見事でした」「木下議員でなくては、成し得なかった」とBlogに書かれている。私もその通りだと思う。
 →もとい☆ブログ「木下議長が急逝される」

 100条委員会の運営に際しては、自民党の議員がつかんだ前市長の疑惑から委員会が開かれた経緯も考えれば、同じ会派の議員に引きずられる委員会運営になってもおかしくなかった。しかし、木下委員長はそうではなかった。検証できた事実と推測を丁寧に腑分けし、裁判になぞらえれば推定無罪の原則をきちんと守っていた。元公務員という経歴もあり、手続きをおろそかにすることもなかった。終了後の報告書も声の大きな人のトーンだけではなく少数意見にも留意したものとなった。
 前市長は、木下委員長に感謝したほうがいいのではないか。あらぬ濡れ衣を着せられず、本当に反省すべき点だけを突きつけられるだけで済んだのは木下委員長のおかげかもしれない。

むすびに
 他にも、市議会議長会が議員年金制度の「復活」を目論んでいるが、木下議長は「横須賀市議会は同意しない」旨を伝えてきたことなど、横須賀市議会の長としてしっかり仕事して頂いたことは数限りない。前議長と比べると、議会改革の面でリーダーシップをとって推進していくことまでは手が回らなかった印象もあるが、対外的な公務が多く大変な時期だったことを考えれば無理もないだろう。

 横須賀市民を代表する議長として、高い見識をもって立派に働いて頂いた泉下の木下憲司さんに改めて感謝の言葉を贈りたい。ありがとうございました。
posted by 小林のぶゆき at 00:39| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月13日

神奈川県議の年収はいくら?

神奈川県議会議員は、年収いくらなのか?
たずねられて調べてみたが、ホームページに公表されていない。

ちなみに、県内の一般市町村で報酬No.1の横須賀市は、ホームページでちゃんと開示している。報酬月額646,000円で、期末手当が6月分は月額×(145/100)×(160/100)&12月分月額×(145/100)×(175/100)、と書いてあるのを計算すると
646,000×12+646,000×1.45×1.6+646,000×1.45×1.75=10,889,945円
と、私の給与明細とぴったり合う。
RankingTop10.png
参考までに、全国の市町村で横須賀市議会は報酬33位だが、報酬No.1の横浜市会は16,410,660円となる。
→政治山「全国市区町村の議員定数&議員報酬ランキング」

一方、神奈川県会は公開していない。色々とサイトを分け入っていくと、かろうじて月額は見られた。970,000円らしい。期末手当は「条例で定める」と書いてあるが、普通は条例まで見たりしないので、ここに書いておいてほしい。

ところで、神奈川県会は全国でも非常に遅れた前近代的な議会だ。
早稲田大学マニフェスト研究所の議会改革度ランキングでは、12位の茅ヶ崎市議会(県内1位)、24位の箱根町議会(県内2位)、横須賀市議会の34位(県内3位)からだいぶ遅れてはいるものの、神奈川県会は166位(県内9位)だ。
→早稲田大学マニフェスト研究所「議会改革度調査2017ランキング(上位300位議会)」
とはいえ、これもおそらく「盛って」いる。実際の実力は、はるかにひどいだろう。具体的な彼らの悪行を例に挙げれば、県会に陳情を出そうとしたら脅しをかけられて取り下げさせられた話も聞いている。どこのムラ社会の田舎議会かと思う。

閑話休題。

そうこうしていたら、こんなページを見つけた。
→神奈川県HP「議員の報酬と期末手当を2年間削減」
これによれば、過去に報酬を7%&ボーナスを5%削減し、議員一人あたり1,044,690円の削減となったようだ。

そこで、これを元に中学生時代の連立方程式をなんとか思い出して、年額報酬を割り出してみることにした。式は次の通りだが、結論から言えば、16,237,800円という計算になった。
970,000×12×0.07+x×0.05=1,044,690

x=4,597,800

970,000×12+4,597,800=16,237,800

ちょっと不安だったので、仕方なく見づらい県条例も読み解いて、検算してみた。→県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例
=970000×12+970000×(1+0.2)×2.125+970000×(1+0.2)×2.275=16,761,600
若干、上記と数字が違っているが、その後3回の一部改訂をしているようなので、そのせいだろう。いずれにしても、1600万円強ということだ。

……っていうか、ホームページに書いておいてくれないかなぁ。
posted by 小林のぶゆき at 22:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月26日

今朝、目覚めたら、X'masプレゼントのメッセージが天から降りてきました。

お金の仕組みを知っている商売人が、人を仕事に使う。
情報の仕組みを知っている広告屋が、人の行動を操る。
権力の仕組みを知っている為政者が、人に役を課す。
世の中の仕組みを知らない愚民達は、ただただ仕組まれる。
けれども愚民化教育されているから、不満に思わない。
我々のような世の中を動かす側には、とってもいい国だ。
と、クリスマスの朝に気付いたので、みんなにプレゼント。
posted by 小林のぶゆき at 01:10| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月24日

横須賀火力跡地には、IR(統合型リゾート)を誘致せよ。

E2880EF0-1F5E-4061-B4CE-6AD1E55B3F92.jpeg 久里浜にある横須賀火力発電所では現在、解体工事が続けられており、関連する市内事業者もにわかに活況を呈している。ところで、解体した後の跡地利用については、幸いなことに、まだ決定していない。
 かねて、私は横須賀火力の原子力発電化を提言してきた。実は逆説で、ガス火力化を提言してきた。
→横須賀火力発電所を再稼働するなら石炭じゃなく原発に置き換えろ?!
 しかし、石炭火力化への流れは止まらず、かなり最終局面に近づいている。そこで、改めて事業者や国県市に活用法を提言したい。世論を喚起する意味も込めて今回の記事にした。
※写真は、くりはま花の国から望む解体中の横須賀火力発電所跡

●石炭火力化はリスクが高すぎる
 当該地は民有地であり、行政が指図することはできないが、JERAという事業者が現在、石炭火力発電所を建設したいと考えて申請しているそうだ。ただし、市内に新たな事業者が立地すること自体は好ましいが、石炭火力ではいかんせんリスクが高すぎる。

 大きく3つの理由がある。

 第一に、いわゆるカーボン・リスクだ。
 環境リスクや政治リスクに起因する財務リスクと言ってもいい。大きく、投資市場と商品市場のリスクがある。
 投資市場においては、投資引き揚げ(ダイベストメント)だ。石炭火力は、二酸化炭素を最も大量に排出する発電方式であるため、今や国際社会から白い目で見られている。最近では、第一生命が「海外の石炭火力にはもう融資しない」旨を発表した。三井住友銀行に至っては、国内も含めCO2排出の多い発電には融資を禁じた。こうした動きには他の金融機関も追随することになるだろう。
 商品市場においては、電気を選ぶ「パワーシフト」だ。つまり、投資が受けられて建設したとしても、つくった電気は果たして売れるのか、という問題だ。既に電力自由化された中、汚い電気を買わないイオンやソニー、富士通、リコー、積水ハウス、大和ハウスのような企業も消費者も増えている。
 これらに加えて、いずれは国際公約を守るために日本も炭素税などを導入せざるを得ないだろう。そうすれば、カーボン・リスクは一気に顕在化する。このように石炭火力は採算が取れなくなり、稼働できなくなってお荷物になるのが目に見えているので、「座礁資産」とも呼ばれている。これらの問題は、2016年6月の総務常任委員会にて横須賀市議会で私が初めて指摘し、2018年3月の都市整備常任委員会でも重ねて指摘しており、現在では、市内の世論も喚起されつつある。

 第二に、地域経済への影響度だ。
 建設時には地元企業も潤うが、完成後は石炭火力はそれほど裾野の広い業態ではないため、地域経済への寄与は、限定的だ。しかも、いずれ廃炉する可能性が高いので、地元にお金は回らず、市税収入も減ることになる。

 第三に、地域環境とイメージの悪化だ。
 どんなにバグフィルターなど環境対策を講じても、PM2.5などの汚染物質はとりきれないので、確実に汚れる。煙突が高いので、おそらく大部分は横浜や東京などに広く拡散してくれるだろうが、風次第では市内に排気が溜まることもあるだろう。
 加えて、本市の環境だけでなく、住むまちとしてのイメージも悪化する。そのあたりは、放射能と一緒だ。

 以上3点の理由から、私は優しいので「悪いことは言わないから、ガス火力に計画変更したほうがいいですよ」とJERAさんに書面でも差し上げたのだが、理解できなかったのかもしれない。また、ガス火力のほうが、投資額も多くなり市内への経済効果が大きくなる面もあって、当方としてはいいのだが、説明会で提案したら費用的に難しい旨の回答だった。
 というわけで、なにしろガス火力化は望めないのだろう。

●だったらIRを誘致できないの?
 ガス火力化が無理ならば、JERAさんには、もっと魅力的な提案がある。
 それは統合型リゾート、いわゆるIRだ。

 JERAさんのために、簡単に背景説明をしておこう。IRは、国が国内最大3カ所への設置を目指して法整備したが、まだ候補地は決まっていない。関東における有力候補として横浜の名前も挙がっているが、地元事業者や市民の反対も根強く、おそらく政治的に困難だ。

 今が、チャンスだ。

 先日、私が事務局長を仰せつかっている「ギャンブル依存症対策地方議員連盟」の企画で韓国のIR「PARADISE CITY」を視察してきた。日本企業も出資しており、ホテルやスパ、ブランド店など、実に高級感があって、なかなかいいものだった。多くの雇用も産み、非常に裾野も広い産業だといえる。
 これを日本の玄関口・羽田空港からのアクセスも良く、東京湾口で、豪華客船も接岸できる久里浜に誘致するのだ。
 旧軍港4市の仲間、佐世保市も、IR誘致に名乗りを挙げており、西の佐世保・東の横須賀で、タッグを組むのもいいだろう。
 加えて、現市長の掲げるエンターテイメントの力を活かした都市構想にも合致する。現市長は、国でIRを推進してきた菅官房長官とも太いパイプを持っているようだ。また、数年前までは、神奈川県庁も毎年国にカジノ特区の要請をしていた事実がある。こうした国県市の連携を活かせば、必ずや誘致できるのではないか。

 なお、IRにはカシノが含まれるだろうが、カシノには否定的な方々も多いようだ。そんな向きには、私の寄稿記事や過去記事をご覧頂いてから批判願いたい。
→政治山「カジノのどこが悪いのか?『横須賀カジノクルーズ』提唱者が問う」
→小林のぶゆきBlog「横須賀カジノクルーズ?!の可能性を探る」

●JERAは、潮目を読むべきだ
 JERAさんに問いたいことがある。「国」とは何か?

 我々が「国」と言っている日本国政府は、阿修羅像のようにいくつもの顔を持つ。つまり、一枚岩ではない。各省庁のトップである大臣も、事務次官以下の職員らの方向性も、省庁ごとに違う。これは省益争いとかではなく、各省庁が考える国益や正義が違うのだと思う。

 具体例を出そう。

 環境大臣は、横須賀火力を名指しして再考を求めてきた。
→横須賀石炭火力「再検討含め再考を」環境相が意見書(2018/8/10日経新聞)

 外務大臣も、「気候変動に関する有識者会合」という諮問機関を設けた。座長は、日本のカーボン・リスクの提唱者であるUNEP-FIの末吉竹二郎氏だ。これは、河野大臣の陰のメッセージだ。この有識者会合が2018年4月19日に「脱炭素国家・日本を目指し、気候変動対策を日本外交の主軸に」という提言を提出した。
 これに対し、河野大臣も「2月の提言は、日本のエネルギーに関する今後の計画をどうするかという点で大きな波紋を呼んだ」「今日、気候変動に関する提言をいただいたが、ここからが本番」と前向きに応えた。河野大臣の狙いは明らかだ。経産省を牽制しつつ、外交上の足かせになっている日本の環境対策の遅れを取り戻し、国際的な発言力を強化したい。そんな外交に携わる者なら当然の考え方だ。
 これを受け、環境大臣も「大変有益な示唆がある。環境省と同じ方向を示しており、大変心強く感じた」「政策への反映では、外務省とも協力していきたい」と述べたという。(→2018/04/25環境新聞)

 ちなみに、現・上地市長もJERAさんによる環境アセス手続きに対する市長意見の中で、「特に、今後の国のエネルギー政策や国内外の地球温暖化対策に係る動向を注視して引き続き検討を行」うよう求めている。前・吉田市長が軽薄にもアセスが始まる前から「横須賀火力発電所に新しい火が立ち上がります!」 https://yuto.net/blog/2016/05/3422/ などとBlogに書いて前のめりだったのとは対照的で、抑制的だ。
 つまり、地元も国の潮目が変わればそっぽを向く、というメッセージと受け止めてもらうといいだろう。

 JERAさんに言いたいのは、要するに、経産省の動きだけ見ていては見誤る可能性があるということだ。早晩、ハシゴを外されて、建設後の石炭火力が宙に浮く可能性もある。そんなリスクが大きい発電方式よりは、リスクが低い選択肢がいくらでもある。IRがイヤなら、ユニバーサルスタジオ等を誘致してくれてもいい。
 とにかく、ぜひとも世界の潮流と国内の潮目の変化に敏感になって頂くことを、あなた方のために心からお勧めしたい。
posted by 小林のぶゆき at 13:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月23日

うわまち病院跡地には、横須賀共済病院の誘致を。

 横須賀市役所は12/21に、うわまち病院の移転先を神明公園とする方針を発表した。
→うわまち病院建替え後の新病院の病床数と移転予定地を決定しました(市長記者会見)
 最終決定者は議会だが、おそらく同意するだろう。

●研政の主張が実現
TownNews201811.png 私が所属する会派・研政では、伊関団長を中心に4年前からうわまち病院の移転を主張してきた。市がまだ現地建替を軸に検討していた頃だ。当時は、市民病院と統合しての南部移転を考えていたが、最近では市民病院を残したうえでうわまち病院を南部移転するよう主張してきた。「変節」と言われるかもしれないが、本年10月に会派・無所属みらいと共同で出資した伊関友伸教授への調査委託の結果をふまえて市民のために「君子豹変す」のつもりだ。なお、調査は無所属みらいと共同委託したが、彼らは南部移転を必ずしも主張しているわけではないことを彼らの名誉や正確性のために付言しておく。
miuracorehospital.png いずれにしても、研政の南部移転の主張が実現へと向かうわけで、私としては満足している。これにより、中核病院(地域医療支援病院)が三浦半島(二次医療圏横須賀・三浦)の東西南北に適切に配置できる。
 もっとも、研政では元々、久里浜みんなの公園を最善の移転先として考えていた。ただし、横浜F・マリノス練習場が移転してくる見込みとなった。そこで次善の策として、神明公園ではやや狭いうえ病院経営の観点を勘案すれば南に寄りすぎるため、大津公園を大本命と考えていた。大規模災害にもより強い。とはいえ、大津では反対運動の兆しがある一方で久里浜・北下浦では誘致活動が積極的に行われたという政治的背景や、純粋に救急搬送の市内カバー状況を考慮すれば、神明公園は十分納得できる。おそらく、病院の建替が必要となる50年後ごろには小学校の統廃合もさらに必要となるため、神明小を建替用地として想定もしているだろう。
 結論としては、様々な背景や条件を考慮に入れたとき、市は合理的で賢明な判断をしたと評価している。

●市は上町地区の地域振興策の責任を負った
 ところで、この12月議会には「うわまち病院移転につき再考を求める請願」が上町連合町内会と上町商店街連合会の「連名」で提出されていた。地域の総意としての意思表明と言っていい。請願項目は次の3点だ。
1.うわまち病院移転計画を再考してください。
2.うわまち病院の改築・移転について地域住民にしっかり説明をしてより多くの住民の理解を得るよう努力してください。
3.上町地区の包括的な地域振興対策を検討・策定してください。

 このうち、1を除く2と3を市議会は多数決で部分採択した(研政も賛成。共産党は全項目採択で、無所属みらいは全項目不採択のため、2会派が反対)。これは、市民代表として主に2つの意思決定をしたことになる。
 第一に、「うわまち病院は移転せよ」ということだ。「現地建替えが難しいという市の説明は合理性があるから再考する必要はない」と承認したことになる。第二に、3番目にあたる「上町地区の包括的な地域振興対策を検討・策定せよ」と市役所に命じたことになる。ここが重要だ。
 請願採択は、いわば市の株主である市民から、取締役会である議会を通じて、社長である市長に命令したことを意味する。つまり、事実上の指示書だ。これで市は上町の地域振興をやらざるを得なくなった。

 とはいえ、これは冷静に考えると「えこひいき」である。無所属みらいを代表して加藤ゆうすけ議員が「上町だけに地域振興をするのはおかしい」旨の討論をしたが、論理的には正しすぎるぐらい正しい。なぜなら、うわまち病院があることは上町にとって他の地域に比べて恵まれていたのであり、それが無くなるからといって損をするわけではない。総合病院という大きな雇用と人の流れを産む「集客施設」がなかった地域からみれば、上町の主張は地域エゴとも映るかもしれない。
 ただし、政治には理だけでなく情も大事だ。これまで立地していたものが不意に無くなれば、大きな打撃を受けるのは間違いない。そもそも市役所では現地建替を軸に検討していたわけで、移転を想定しにくかったのも事実だ。だからこそ、私たち議会の多数は部分採択したのだ。そして、賛成した私には、地域振興を考える責任があると自覚している。

●上町の地域振興の難しさ
IncreaseDecrease.png とはいえ、正直に言って、上町地区の地域振興は難題だ。
 私が制作した『横須賀データマップ』の、1-6「増えた地域、減った地域」で10年間の人口増減を見ていただきたい(右上図)。上町1丁目・2丁目・坂本1丁目を除けば、田浦逸見の谷戸に続いて人口が大きく減っているのが上町地域だ。大規模開発の計画もなく、この傾向は続くだろう。
AgingRate.png 同マップの1-3「地域別の高齢化率」も併せて見て頂ければと思うが(右下図)、老人ホームが立地することで高齢化率が跳ね上がっている町丁名を除けば、同じく田浦逸見の谷戸に続いて上町地区は最も高齢化が進んだ地域とも言える。

 そもそも、地域振興には様々な手法がある。住民を増やす、経済を活発にする、観光客や公共施設などへの人の流れをつくる、などいくつかの方向性がある。
 この観点で、上町の経済を活発にするのは難しい。地域の需要がしぼんでいるからといって、外からの需要を呼び込むことはおそらく望めない。企業誘致も期待はできない。観光客が一気に来るような要素も乏しい。旧横須賀税務署やうわまち病院という公共施設への人の流れはつくれるだろうが、税務署跡地や病院跡地に市が公共施設を置くとは思えない。だいいち、私なら認めない。既に公共施設が潤沢な地域であり、人口比では追浜や久里浜を優先すべきだ。
 そうなると、順当に考えれば、住民を増やして地域の経済需要と人の流れを生み出すことが自然な方向性となる。つまり、マンションか団地での再開発だ。あるいは、高校や大学は無理でも、専門学校の誘致ならあり得るかもしれない。比較的に上町地区は、更地ができれば新しく住宅が建つ場所だ。おそらくこの方向が順当だろう。

 あるいは、まだ建物の寿命が残っている現在の南棟(リハビリテーション棟)を回復期の病院として残し、隣接して老人保険施設やサービス付高齢者向け住宅などを誘致し、2025年以降にピークを迎える後期高齢者の医療・介護ニーズに応えてから住宅に転用するほうが、全体最適の観点では良策かもしれない。ただし、それらの施設に人の流れはあまり期待できず、地域振興の面では期待に応えられない。
 やはり住宅なのか。

●うわまち病院跡地に、横須賀共済病院の誘致を
NumberOfOpe.png そこで、もう一度、三浦半島を俯瞰的に見てみると、横須賀共済病院(以下、共済)の限界に気づく。
 先に、三浦半島の東西南北に中核病院を配置、と書いた。ただし、三浦半島最大にして大学病院並みの機能を持ち全国有数の名経営者を抱える共済は別格だ。うわまち病院・市民病院・横浜南共済病院とは規模が違う。大学病院の中でも充実している横浜市立大学付属病院は実態として三次医療の病院なので、共済と肩を並べるのは事実上、湘南東部二次医療圏の湘南鎌倉総合病院だ。
NumberOfOpeKanagawa.png 神奈川県内で見ても、二次医療圏の病院として最大クラスだ。外目には、共済は小ぢんまりしていて古めかしいので、失礼ながらそんなに立派な病院には見えないが、全国3,500の急性期病院の中で手術症例数35位の大病院なのだった。もちろん、指標は手術症例だけではないが、国の「機能評価係数U」という指標で見ても次の順位であり、大病院であることには間違いない。なお、うわまち病院や市民病院も優れた経営者を得て、置かれた立地や条件から考えると非常に健闘して頂いていると言えるだろう。
24位 湘南鎌倉総合病院
95位 横須賀共済病院
122位 横浜南共済病院
136位 うわまち病院
373位 市民病院
1077位 衣笠病院
1101位 葉山ハートセンター
1290位 よこすか浦賀病院
※中央社会保険医療協議会総会(第396回)資料より伊関友伸教授作成の表から抜粋

 しかし、共済は長堀病院長の下で着々と陣容を充実・拡大させてきたが、おそらくそろそろ限界だ。
 限界なのは施設である。建て増しを繰り返した結果、8棟もの建物に分散しており、しかも土地が整形ではないこともあって6棟が非整形だ。これによって、病院内の導線が複雑になっていると思われる。また、老朽化した棟の建替がまもなく必要となるが、その種地となる駐車場も狭く、現地建替にはうわまち病院同様に大きな困難を伴うだろう。

 ここで押さえておきたいのは、共済は民間病院ということだ。だから横須賀市が応援する義理はない。つまり、建替に困ろうが何しようが制度上は我々の知ったことではない。
 とはいえ、市民生活を考えれば共済には恩義ばかりだ。地域に雇用と様々な調達需要を創出している。横須賀市・逗子市・三浦市・葉山町の救急搬送も受けて頂いている。かといって他県のように行政からの補助金なども一切拠出しておらず、黒字経営を続けている。感謝するほかない。
KyosaiTransfer.png
 そこで私は考えた。
 せめて、土地ぐらい提供してもいいのではないだろうか?

 横須賀中央駅の徒歩圏もしくは現在の「商圏」から大きく離れずに建替ができる用地としてどこがあるか?
 もちろんそれなりの広さが必要となる。市役所前公園も横須賀警察署跡地とつなげれば使えたが後の祭りだ。悔やまれる。諏訪小は廃校の見込みがない。不入斗中・坂本中・旧桜台中のどれかは廃校にできるが、いかにも遠い。はまゆう公園も同様だ。そんなことを考えあわせると次のとおりだ。
・汐入小
・豊島小
・ポートマーケットと向かいの駐車場
・新港埠頭
・文化会館と自然人文博物館
・うみかぜ公園
・芸術劇場
・うわまち病院跡地

 この中で、病院経営も考えたときに現実味があるのは、次の通りだが、それぞれ課題もある。

●ポートマーケットと向かいの駐車場
 →やや遠いが、車からのアクセスも考えあわせると、おそらく本市が用意できる最高の立地。

●文化会館と自然人文博物館
 →上町からの進入路が狭い。米が浜通りから共済の一部をかすめて中央公園を抜ける高架の道路整備が必要。文化会館は駅前再開発に組み込めばいいが、博物館は美術館か芸術劇場に移転か。

●うわまち病院跡地
 →進入路が狭い。ただし、うわまち病院の現地建替が無くなっても、いずれにしても拡幅は都市計画決定されており、跡地再開発のためにも必須。他の候補地のように機能を移転したり住民との調整をしたりする必要がないのは優位点。

 こうして考えてみると、うわまち病院跡地をきちんと整形し、50年程度の定期借地権を設定して共済に無償貸与するアイディアは面白いのではないか。
 もちろん共済としても準備が必要だ。とはいえ、うわまち病院の解体は2025年以降。進入路拡幅と併せて10年後と見込まれ、時期としては十分かもしれない。
 上町地区にとっても、うわまち病院の代わりに更に大きな共済が来るなら諸手を挙げて歓迎だろう。

 以上、小林の地域振興策案を提示しておく。
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2018年12月13日

【会派視察報告・後編】地域担当職員 〜熊本市〜

3D6C4E94-71FF-4330-9D7B-A3C151B0D4FA.jpeg 二日目には、熊本市で地域担当職員の話を伺った。
※写真は、中央区まちセンの地域担当職員お2人を囲んで。

 地域担当職員を知ったのは、本年7月11日の「地方議会サミット」だ。大西一史・熊本市長が登壇したパネルディスカッションがあり、この中で地域担当職員の取り組みについての説明があった。その際、数多くの相談を受けて大半を解決していることを紹介すると、会場のあちこちから感嘆の声が挙がっていた。大西市長も「熊本市政最大のヒット商品」と議会で持ち上げられたと触れていたとおり、地域からも議会からも歓迎されている制度のようだった。
 そこで今回は、本市に地域担当職員を導入すべく、「具体的な運用がどうなっているのか、実際の地域担当職員の方から直接お話を伺えないか?」と打診したところ、快く受け入れて頂いた。
 今回、ご説明頂いたのは、中央区役所内に立地する中央区まちづくりセンターの2名の職員の方だ。

■地域担当職員とは何か?
 地域担当職員とは、1〜3程度の小学校区を受け持って、地域課題の解決を支援するとともに、まちづくりを積極的に支援する専任の職員だ。担当者は、「マイナスを解消するだけでなく、プラスも積み上げる」旨の説明をしていた。なかなかわかりやすい。
 地域課題の解決支援としては、2017年4月から配置され、17のまちづくりセンターに49名が在籍し、市内79の小学校区を担当。現在までに約2万件の相談に対応しており、初年度は1,889件に対応し、実に1,600件が解決済、289件が対応中だという。
 また、まちづくり支援としては、新たな取り組みも次々と仕掛けている。中央区まちづくりセンターでは、若い層向けに熊本市公認LINEアカウントを作ってヒットさせ広報課に事業を引き継いでもいる。クラウド・ファンディングで資金を集め桜100本の植樹も行っている。河川敷で「お花見マルシェ」というイベントも仕掛けワークショップを開催するなどしてエリアマネジメントも手掛けている。これらは中央区まちづくりセンターのみの事例で、他にも全17のまちづくりセンターで様々な実践を仕掛けているようだ。

 いわば市役所の営業マンというイメージだろうか。お役所的たらい回しをせず、ワンストップでどんな相談も受け付けるという面では、松戸市でマツモトキヨシ市長が「すぐやる課」を作ったのにも似ている。まちのコンシェルジュ役でもあり、「サザエさん」の三河屋さん的でもある。ご担当者の言葉によれば、「地域の声を役所の中で通りやすいよう翻訳するのも仕事」とのことで、インタープリター役でもあるのだろう。

■地域担当職員の成功要因と本市への洞察
 さて以下、成功の要因と併せて、本市に活かすべき洞察を、私なりに分析してみたい。

●選り抜きを配置
 かつて、我が会派の政策としても「行政センター職員を町内会長のところに御用聞きに回らせて、少しでも町内会長の負担を減らせないか?」と考えていたことがあった。このとき我々は、新人の若い職員を研修も兼ねて充てるイメージでいた。一方、熊本市では30〜40歳位の、脂ののりきった経験もあってバリバリ仕事のできる選り抜きを充てているようだ。説明頂いた方がそう言っていたのではなく、私の見立てであることを念のため申し添えておく。
 おそらく、ここがこの事業の大きな成功要因だろう。新人さんでは、役所の各部署と押し引きもできまい。「役所のどこをどう押せば、物事がスムーズに動いて、町内会長らの納得のいく対応を返せるのか?」。これがよくわかっている人間を選んだわけだ。

●小学校区というコミュニティ単位
 熊本市は小学校区ごとに「校区自治協議会」という地域コミュニティ組織をつくっている。おそらく、この単位がいい。
 我が市では、おおむね行政センターの単位で「地域運営協議会」という枠組を作ってきたが、地域コミュニティの単位としてはあまりに大きすぎる。この枠組と条例に賛成してきた自らの不明を恥じるばかりだ。
 やはり、小学校こそ地域コミュニティの核なのだろう。この観点で、我が市の事業や制度を再考する必要がある。

●継ぎ目のない行政対応
 役所に相談に行くと、どの課が担当するのかはっきりしないため、たらい回しにされたり宙ぶらりんになったり、ということはよく聞く話だ。黒澤明の映画『生きる』のコミカルな描写が思い出される。
 一方、地域担当職員に相談すれば、こういったことは起こらないようだ。地域担当職員は一切の所管を持っていない。普通の市町村では、一切の所管を持たない職員は市長と議員だけだろう。おそらく、目線としては地域の支援を受けて勝ち上がっている議員と同じような感覚ではないだろうか。だから、どんなに分野横断的な課題でも、ただただ自分の受け持ちの小学校区の地域の案件であれば、地域担当職員の仕事となる。
 イメージとしては、行政機構が2つの層になっている形だ。熊本市全体に対して、分野ごとに役割分担した分野別担当者がいる。これは、どんな市町村でも共通している。加えて、熊本市の全ての市域を分割して役割分担した地域担当職員がいる。これによって、継ぎ目のない行政対応が可能となる。

●タブレット端末による情報武装
 前述したように、地域担当職員は、一切の所管を持たない。しかし、あらゆる相談や課題に対応しなければならない。しかも、企業の営業マンと同様に外出も多く、職員同士の情報共有が課題だ。
 そこで、地域担当職員にはタブレット端末が与えられている。これで庁内のシステムにつなぐことができ、様々な情報を得ることができる。
 タブレット端末を与えられているのは、局長以上の職員と地域担当職員だけだという。大西市長が地域担当職員にかける期待のほどが伺えるエピソードだ。

●まちの情報発掘調査員!?
 この部分は、視察とは関係のない、私が独自に見聞きした内容の報告だ。
 地方紙の熊本日日新聞では、これまでに「地域担当職員がオススメの飲食店」「〜涼しいスポット」「〜お花見スポット」といった記事を何度も組んでいるようだ。つまり、狭い地域を日々回る中で、地域担当職員はその地域に誰よりも詳しくなっていき、副産物として地元の人にとっては当たり前だけど他の地域の人にとってはお宝な情報の発掘調査員となっているようだ。

 最後にまとめを記したい。
 地域担当職員を、本市にも導入することについては、メリットこそあってもデメリットは見当たらなかった。市長は、現在の行政センター職員が適切に対応していると言うが、あくまで「守り」であって、熊本市のような「攻めの地域づくり」ができているとは思えない。
 かつて、本市でも経済部で海軍カレーを仕掛け「カレー課長」として知られた青木さんが追浜行政センター長として担当していた頃は、追浜でも様々な「攻めの地域づくり」を仕掛けていたと思う。このように、ときどき個の力で新しい動きが生まれることはあっても、仕組みとしては本市に地域づくりのエンジンはなかった。地域運営協議会もその役割を果たせなかった。
 本市でも、地域担当職員を導入することは有効だと思われる。引き続き、導入に向けた手練手管を模索したい。

 以上で視察報告を終える。
posted by 小林のぶゆき at 17:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月12日

【会派視察報告・前編】コミュニティ・スクール 〜春日市〜

E60A8CC9-0769-4B08-9A2F-44D68BFE674C.jpeg 会派・研政で11/15〜16の旅程で視察をした。おそらく今の任期中最後の視察だろう。
 視察は道楽だと思われがちだし、実際そう思っている議会や議員も一部にはいるようだ。だからTV番組で物見遊山をすっぱ抜かれるのだ。迷惑な話だ。
 今回は、会派マニフェストにあたる「政策提言2019」の肉付けのために訪れた。
 この成果は、来年の3月議会での会派代表質問に活かされることになるはずだ。ご期待いただきたい。

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【第一日11/15 春日市:コミュニティ・スクールの取り組み】
 初日は、福岡県春日市に伺い、コミュニティ・スクール(地域運営学校もしくは学校運営協議会制度と訳される)の取り組みについてお話を伺った。このテーマを選んだ背景には2つの文脈がある。

 第一に、学校統廃合だ。
 横須賀市教育委員会は、今年度中に小学校の再編実施計画を策定しようとしている。この小学校の統廃合は大変な話で、本市でも何割かが頓挫した過去がある。また、統合した後にも様々なしこりを残している。
 ところで、この統廃合にあたって、コミュニティ・スクールを導入する学校では合意形成が図られやすいという論文があるのだ。
 →「学校統廃合の円滑な実施に対するコミュニティ・スクール制度導入の成果」(安井,2015)
 なお、学校統廃合問題については、私のチラシ28号でも扱っているので、ご高覧賜れれば幸いだ。

 第二に、学校のガラパゴス化だ。
 よく「学校の常識、世間の非常識」と言われる。全くその通りで、私はかねがね、学校がタコ壺化していると考えている。学校は非常に閉じた世界で、教員には世間知らずが多いと思う。
 背景には構造的な問題と長らく蓄積された慣習がある。教育委員会は、予算以外は議会や首長からの独立性が担保されている。その教育委員会の指揮下にあるはずの公立学校も、実はかなりの権限が校長に与えられていて、独立性が強い。そして、各学校の中に目を向ければ、個々の教員は学級を任されており、他の教員が他の学級のことに口を出すのがはばかられる風土もあると聞く。加えて、教員の人事権は校長にはなく、市の教育委員会にある。かてて加えて、教員は県の職員であり、実際の人事的処分は県の教育委員会が下す。このように、責任の所在が分散しており、複雑怪奇なのが公立学校の現状だ。
 この結果、公立学校ほどガバナンスが利いていない組織はないのではないか、と思えるほど独自の進化を遂げ、ガラパゴス化している。本市も例外ではない。例外ではないどころか、お隣の横浜市と比べるとかなり校長会が強く、教育委員会が学校関係者にモノ言えぬ慣習が根付いているように見える。
 こうした中、、学校の経営を校長だけに任せるのではなく、経営陣に地域の代表や保護者の代表も加えて、外部の視点を取り入れようとするものがコミュニティ・スクールだ。国もコミュニティ・スクールへの移行を努力義務として推奨しているが、本市ではまだ一校も導入していない。

 以上、学校の統廃合とガラパゴス化の観点を背景として、コミュニティ・スクールについて実例を探し、今回は春日市に視察を受け入れて頂いた次第だ。
 ちなみに、コミュニティ・スクール化した学校が「地域運営学校」である。そして、そこには「学校運営協議会」が置かれるので、コミュニティ・スクールは「学校運営協議会制度」とも訳される。多義的なので、以下は日本語で表記する。

 さて、お話を伺ってみたところ、春日市の最も特徴的な部分は学校運営協議会を校長の横に位置づけていたことだ。本来、制度の趣旨からすれば、学校運営協議会は校長の上に置かれるはずだ。これは、市役所の市長に対する市議会や、学校法人の校長に対する理事会に相当する。もちろん、校長が学校の経営方針を定めるうえでは学校運営協議会の承認が必要なので、学校運営協議会規則の中では校長の上になっていることに変わりはない。ただし、実際の運用上では、努めて「学校の応援団」という性格を持たせているようだった。

 なお、春日市ではまだまだ人口は増えており、学校の統廃合が必要な状況にない。そのため、地域運営学校が統廃合に及ぼす効果については洞察を得られなかった。

 その他、気付きのあった点を列記したい。

●前教育長時代に地域運営学校化を決定し、2005年就任の現教育長時代に実行したが、学校からの反発はなかった模様。おそらく、トップダウンだったことは良かった。

●一校で始めて、非常に効果があると教育長が判断して、全校展開した。

●学校に配慮し、同時並行で学校の負担軽減も進めた。とりわけ、学校に300万円前後の予算枠を与え、その範囲内での予算案編成権と執行権を校長に委ねたことは重要な点だ。また、追加の事務員(パートタイム)や、教員の加配(嘱託職員)、事務作業の軽減など多岐にわたった。

●学校運営協議会の運営にかかる予算は、年間20万円/校程度でお金がかかる施策ではない。

●生徒にとっては、社会性・市民性が向上させる効果が顕著にあった。おそらく、有効なシチズンシップ教育であり、キャリア教育の側面もあるだろう。

●教師にとっても、地域社会との関わりから学ぶことは大きい模様。


 最後にまとめを記したい。
 以上の点をふまえれば、本市でも地域運営学校化を進めるべきだろう。何度か提案してきたが、教育長はまだ課題を整理している段階だと答弁していた。改めて教育委員会に提案したい。
 ただし、私はこれまで学校に外の目を入れてガバナンスを利かせることを主眼にしていたが、そればかりを言うと校長会ほか学校側の抵抗感は拭えないのではないか。地域社会と学校の協働を進める中で、少しずつ外の風と外の目を入れて学校を「社会化」していくのが良いのかもしれない。その意味でも、まずは受け皿としての学校運営協議会制度を全校に導入することが先決ではないか。
 そのような洞察を得た視察となった。
posted by 小林のぶゆき at 16:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月04日

「廃校しちゃうの?小学校」〜チラシ28号をお届けします〜

report28.png チラシ第28号を制作しました。印刷版は、来週から各地で配布していきます。

●特集:廃校しちゃうの?小学校
 という内容でお伝えしています。
 →ダウンロード(PDF)

 これまでに何度もBlogや議会で取り上げてきた小学校の統廃合問題ですが、今年度中に教育委員会の実施計画が出される方向性です。そこで、きちんとお伝えし、議論を喚起したいと考えました。右下の11校が小規模校となり、かつての基準では統廃合対象となります。
 どうぞご覧頂き、ご意見をお寄せ頂いたり町内会で議論頂いたりするきっかけになればと思います。

 なお、元となったデータは下記から入手できます。
小規模小学校.png
 →横須賀市「平成30年度児童・生徒・学級数調査」
 →小林による市のデータのexcelファイル化
posted by 小林のぶゆき at 20:53| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月25日

【委員会視察報告・後編】横須賀市はドギーバッグ運動をやるな〜大津市〜

doggydesign.png【三日目:10月25日】

 最終日には、滋賀県大津市を訪れ、食品廃棄物を減らす取り組みについて伺った。とりわけ、飲食店での食べ残しを持ち帰る「ドギーバッグ運動」が眼目だ。

 結論から言えば、本市では「ドギーバッグ運動」をやる必要はない。
 議員の仕事は、いい事業を市役所にやらせることだけでなく、不要な事業をやらせないことも大事だ。大津市では、議会提案や職員提案ではなく越直美市長のトップダウンで始めた事業のようだが、事業開始の経緯を私は評価できない。

 食品廃棄物は減らさなければいけない。この点は私も異論がない。
 ところで、食品廃棄物はどこから出ているのか? 農林水産省が発表している推計によれば、半分が家庭からで、もう半分が流通業や外食産業など事業者のようだ。
 →政府広報「もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう」

【家庭の食品ロス対策】
 家庭由来の食品廃棄物を減らすには、ただただ啓発しか打ち手はないだろう。生ごみを狙いうちで課金するわけにもいかないし、食べ物をムダにした人に罰金を課す制度設計も困難だ。

【事業者の食品ロス対策】
 一方、事業者由来の食品廃棄物はどうか?
 そもそも、事業種別ごとの排出割合がわからないと、施策としてどこに重点を置くべきかわからない。家庭系や事業系の一般廃棄物と違って、食品など産業廃棄物の処理フローは市内で完結しないため、大津市も本市も推計を作りにくいのだ。まず、これが大きな問題だ。本来なら、国が数字を示すべきだと思う。
 とはいえ、どの分野であっても対策をしないよりしたほうがいいのは確かなので、以下見ていきたい。

(1)食品製造業
 食品製造業の場合、基本的には材料をムダにしないインセンティヴが働いている。とはいえ、とりわけ日本人は見た目の形や色など過剰品質を求めるので、基準に合わない原材料は廃棄されることがある。この点は、消費者の啓発をするほかあるまい。

(2)流通業
 おそらくここが本丸だと考えている。
 流通業には、賞味期限がまだ来ていない食品でも、早めに廃棄する慣行がある。また、製造時点で容器包装の印刷が若干ズレたりすることがあって、中身には何の影響もないのに店頭に並べられないこともある。まずは、これらをやめさせなければいけない。
 これらについては、法で規制することも可能だろう。海外では同様の法律を持つ国もあると聞く。ただし、法がない以上、市町村ができる施策としては、それらを廃棄させないようフードバンクなど生活困窮者対策物資として活用するなどが挙げられるだろう。
 ちなみに、流通業の悪しき慣行については、やたら細かい日本的消費者が、賞味期限が近い商品や印刷ズレの商品を避けるからというのは否めない。めぐりめぐれば結局のところ、消費者の啓発をするほかないのだろう。

(3)外食産業
 外食産業での食べ残しは、主にアラカルト注文ではなく宴会で起こるはずだ。コース料理や立食パーティのビュッフェ方式の食べ残しをどうするか。
 まずは、ちゃんと食べてもらうことが大事だ。この点では、やはり消費者の啓発が重要となる。
 次に、消費の様子を見ながら供給量を調整することも有効だろう。この点でも、「金払ってるんだから、本来の品数と量は出せ」と消費者に言われるのが怖いわけで、消費者啓発が必要だ。
 3Rの観点では、上記のような削減(Reduce)がムリだった部分については、再利用(Reuse)することになる。つまり、ここでようやくドギーバッグが登場する。しかし、持ち帰るには、容器包装が必要となる。たいがいはプラスチック容器だ。近年、使い捨てプラスチック容器には厳しい視線が向けられるようになっている中、食品廃棄物を減らすために別な廃棄物を増やすのは、なかなか理解が得られないだろう。それに、事業者側も持ち帰りには衛生面から根強い抵抗感がある。良策ではない。ここはひとつ、消費者と事業者の自主性に任せ、市町村は廃棄物の堆肥化など再生(Recycle)を粛々とやるのがよかろう。


 ……というわけで、以上のとおりサプライチェーンに沿って一つひとつ検討を加えた結果、「市町村がやるべきことはドギーバッグ運動ではない」と判断せざるを得ない。
 一方、フードバンクについては一石二鳥の面もあるので、行政が積極的に関与することも考えてもいいのではないか。議論を整理でき、この視座を得られた、という点では今回の視察も決してムダではなかったと思う。

 以上で、本年度の委員会視察報告を終える。
posted by 小林のぶゆき at 15:11| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月24日

【委員会視察報告・中編】消防団員の増やしかた〜松山市〜

image2.JPGimage1.JPG【二日目:10月24日】
(写真は、松山城前を走る路面電車。SLタイプの「坊ちゃん電車」というのもあった。さすがに観光都市と関心)
 二日目には、愛媛県松山市を訪れ、下記の2項目についてお話を伺った。
A.松山市と本市の災害時相互応援協定
B.消防団員確保

A.松山市と本市の災害時相互応援協定
 災害時相互応援協定については、内容は自分のまちで聞けばいい話なので、松山市側の決定経緯について簡単にお話を伺った。
 省略して言えば、NHK大河ドラマ『坂の上の雲』放送時に、物語の舞台となる松山市と横須賀市が「集客パートナー都市協定」を結んだが、その連携が下敷きとなって災害時協定につながったとのことだった。
 余談だが、この両市の「集客パートナー都市協定」締結時には、「坂の上の雲」の主人公の一人・秋山真之の孫である、故・大石尚子元衆議院議員(神奈川4区)・参議院議員も関与されていたと松山市の職員から聞いた。私もご恩がある大石先生だが、祖父が過ごした2つのまちへの思い入れは強かっただろう。それに大石先生は、参議院の全国比例で出馬されたとき、特に松山で活動をして「坂の上の雲」票で繰り上がり当選を勝ち取ったとも言われている。恩返しの気持ちもあったろうか。

 閑話休題。

B.消防団員確保
 今回の主眼である消防団員確保だが、全国では消防団員の減少に歯止めが止まらない中、松山市では10年以上連続で団員増を続けている。それを実現した対策を伺った。私の整理では、大きく5点ある。

(1)高校生への周知
 そもそも消防隊と消防団の違いを理解していない人も多いだろう。私も30代までわかってなかった。地域の人々を地域の若手でまもる共助の仕組み・消防団について、まず知ってもらうことが長い目では大切だ。

(2)大学生の勧誘
 松山市消防局の隊員のうち市内4大学出身者に、大学ごとのプロジェクトチームをつくらせ、様々なツテを辿って母校の学生にアプローチしてもらった。それが功を奏した。第一陣で入団した大学生団員たちの話を聞いて、同級生や後輩らが続き、現在では160名規模の大学生団員がいるという。また、愛媛大学のブラスバンド部にごっそり入団してもらい、松山市にはなかった消防団音楽隊も誕生。同様に消防団チアリーディング隊も発足したそうだ。

(3)企業との連携
 かつての消防団は地域の自営業者が主体だったが、近年では住む地域を離れた場所に通勤している団員も増えている。こうした、いわゆるサラリーマン団員の多い地域では、日中に家事があっても出動できる人がいない。そのため、地元のネッツトヨタとフジスーパーと連携し、それぞれ10名強の職員が就業時間限定の団員・事業所消防団員となってくれた。
 なお、他に郵便局の職員も多数団員になっており、配達をしながら見回るとともに、地域を巡る中で得た情報を災害時に活かすことになっているという。ただし、これは既存の団員の機能代替ではなく、追加的機能となる。

(4)女性団員の採用
 松山市には島嶼部があり、これらの島々からは男性が日中は漁に出かけたり市街地に船で出勤したりしている。当然、火事には駆け付けられない。かといって、ネッツトヨタやフジスーパーのようなお店もない。こういう場所では、アイランド・ファイア・レディースと名付けられた女性団員を採用し、活躍している。
 また、市街地でも、積極的に女性団員を採用している。ただし、市街地では男性の仕事と女性の仕事をはっきり分けている。女性は、避難所での対応などを想定して訓練しているという。また、消防団の事務などを担う団員もいる。

(5)団員への心遣いと優待拡充
 団員に対しては、「団員になってよかった」と思えるような制度を様々な面で整えている。
 団員用の法被は、市内事業者の帝人が開発した難燃性繊維で製造し、団員の安全に配慮している。
 また、分団詰所(松山市の表現ではポンプ蔵置所)の耐震化やリフォームなども積極的に実施している。
 加えて、団員には団員証を交付している。この団員証は、SUICAやPASMOのような交通系ICカード機能付きになっており、普段持ち歩くのに便利だ。なんといっても、これを提示すれば市内302店の各種店舗にて割引など優待が受けられるようになっている。併せて、これら団員に協力している事業者に対しては、市から「協力事業所」として認定証を交付し、店舗に貼り出せるようにしている。
 とりわけ就職を控えた大学生に対しては、就職活動時に市長からの認証状を発行している。事実上の就職の際の推薦状だ。ちなみに、これを持って市の採用試験を受けて採用された学生もおり、中には消防隊に入職した者も出ているという。市長が出した推薦状を持って面接を受けた学生は、職員もなかなか落とせないだろうしなあ。


 以上、様々な方法で団員を増やしている松山市。注目すべきは、女性・大学生・事業所団員といった特別団員だけではなく、一般の基本団員も年々増加を続けていることだ。頂いた資料と、この視察報告を本市の消防局にも渡して、本市の参考としてもらおうと思う。
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(余談だが、愛媛では蛇口をひねるとミカンジュースが出てくるという都市伝説は本当だった。ただし、むしろ都市伝説に現実を合わせた疑惑。地元産100%のMIXジュース350円也。美味)
posted by 小林のぶゆき at 17:21| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月23日

【委員会視察報告・前編】消防司令室への医師常駐はできるのか?〜千葉市〜

 私は今年、議会の中で生活環境常任委員会という役割分担となっている。横須賀市議会では、委員会ごとに年1回の視察をするのが慣例だ。今年も行くかどうかを協議し、委員から様々な視察要望が出て、予算の関係から2泊3日の旅程で行かれるよう3件に絞り、視察することになった。

【一日目:10月23日】
 初日には、千葉市消防局を訪問し、主に救急司令センターへの医師常駐について伺った。

 横須賀市では、救急隊員が救急車で駆け付けた際、必要に応じて医師に電話し、医療面の指示や助言を受ける体制をつくっている。
 このような、救急対応に専門家である医師を介在させて救える命を増やす対策を「メディカル・コントロール」と呼ぶらしい。
 この点、千葉市の特徴は、救急司令センターに医師を24時間365日常駐させていることだ。本市も含め多くの市町村では、病院の勤務医が診察や手術の合間に携帯電話を受けて対応する。一方、千葉市では医師が専用端末の前に座り、タブレット端末を持った現場の救急隊から報告される様々な情報を元に、指示や助言をする。受け入れる病院が決まらないときには、常駐医師が自ら病院とかけあって受入先を決めてくることもあるという。


 結論から言えば、常駐医師は良い仕組みだろう。
 では、これを本市でやるべきか? できるのか?

 医師に24時間365日常駐してもらうために、千葉市では1時間5,000円(夜間6,000円)、年間約4500万円を支払っている。ただし、医師に対してこの金額は奉仕活動みたいなものなので、お金で集められているわけではないと見た。実際には、地域の医療機関との協力関係の下で可能となっているのだろう。

 さて、この医師常駐は、まちの規模が大きければ大きいほど安くつく。医師への支払い単価が同じなら、5万人の町で導入しても年間4500万円はかかるからだ。
 そして、医師常駐に対して国や県の補助はない。市町村単独の財源を充てなければならない。どこも財政が厳しくなっている折、なかなか壁が厚い。

 千葉市は、人口97万人で医師常駐を実施している。
 本市は人口40万人だが、本市では救急司令センターを三浦市4.3万人・葉山町3.2万人と共同で運用している。合計約47万人。千葉市のおよそ半分の規模だ。財政が豊かでない本市や三浦市には負担が大きい。
 ところで、こうしたメディカル・コントロールは、二次医療圏単位で整えるのが通例だと言われる。その面で、二次医療圏「横須賀・三浦」には、他に逗子市5.7万人、鎌倉市17.2万人がいる。ただし、県の消防広域化の枠組では、鎌倉市を藤沢市などと組ませたいようだ。いずれにしろ、逗子市を加えると53万人、そこに鎌倉市を加えると70万人となる。
 この三浦半島70万人で救急司令センターを共同運用するとすれば、新しい設備を備えたばかりで人口規模も大きい本市に置くのが適当だろう。

 もう一つの方法は、既に医師常駐を実施している横浜市373万人に、三浦市・葉山町の了解も得て現在の47万人分の救急司令センターを一元化することだろう。

 どうするのがいいだろうか。「三浦半島サミット」という4市1町の首長が協議する枠組があるが、その場で議論するに格好の案件ではないか。
 いずれにしても、医師常駐を実現するにはどのような枠組がいいのか、市に精査させたいと感じた。
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2018年10月12日

会派・研政の政策提言2019を発表しました

Kenseipolicy2019Presentation.png 私が所属する横須賀市議会の会派・研政(伊関功滋、橋英昭、角井基、長谷川昇、私)は、10/2に「政策提言2019」を市長に提出しました。うっかり、ご報告が遅くなりました。
 →政策提言2019(PDF)

 研政の「政策提言」は、かつては「予算要望」と呼んでいたものです。しかし、「予算をくれ〜って言っているみたいな名前だね」「実際には、予算を削れって言ったりしているのにね」「それに、最終決定者の議会の人間が、要望っておかしいよね」といった議論を経て、予算の要らない事業や行財政改革も積極的に提案している実態をふまえて4年前に名称変更しました。いわば、会派のローカル・マニフェストです。
KenseiPolicy2019.png また、つくりあげる過程で、「市民と議員のよこすか未来会議」という広聴会も開催し、市民からの提案も積極的に取り入れてきました。この策定過程が評価されて、研政はマニフェスト大賞2017で優秀マニフェスト推進賞も受賞しています。

 3月議会では、この政策提言も踏まえて市長に代表質問も行うなど、実現に努めていきます。
 なお、実現したものは項目から外して、実現しないものは提言内容を見直したりして、毎年内容を見直しています。
 ちなみに、私が研政入りしてからの政策提言もUPしておきます。
→政策提言2016(PDF)
→政策提言2017(PDF)
→政策提言2018(PDF)

 研政では、「くらしの声をかたちに。研ぎすます政策力。」という“コーポレート・メッセージ”を掲げています。市民の声を丁寧に聴く力。会派内での喧々諤々のやり取りの中から生まれる発想や解決策といった議論の力。これらを最大限に発揮して、これからも政策集団として頑張っていきます。
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2018年10月03日

10/8は市民の声を聴く会「あったらいいな こんな公園」へどうぞ

Hearing20181008.png 公園系の投稿が続きますが、10/8に公園をテーマに「議員有志で市民の声を聴く会」を開催します。今回でもう第18回になるのか、と少し感慨。
 →詳しいチラシはコチラ(PDF)

 最近、公園のあり方がちょっとしたブームですよね。
 大阪城公園のリニューアルがヒットして、名古屋城公園も動き出しているようです。大阪城公園については、以前に視察報告にも書いているので、ご覧ください。
 →【委員会視察報告:中編】稼ぐ公共施設、大阪城公園〜大阪市〜
 また、神戸市のデザインクリエイティブセンターでも、デザイン系の方々と市民のワークショップの中から、公園の使い方を見直した事例を伺ってきました。下記記事には書いていませんが、当日報告予定です。
 →【会派視察報告前編】まちをデザインする神戸市
 東京都小金井市などでは、「小金井市の公園をみんなで考えるワークショップ」を開催するようですが、こうしたイベントも最近よく見かけます。民間でも、「100本のスプーン」というレストランが「みんなでつくる公園プロジェクト」というワークショップを開催するみたいですね。

 という動きをマネしたわけではないのですが、私たちも1年前から温めていた公園ワークショップ企画を開催します。お買い物のついでに、ぜひお越し下さい! お子様連れ歓迎です。

第18回 議員有志で市民の声を聴く会
あったらいいな こんな公園
〜公園の使い方を見直してみよう計画〜
●日時:2018年10月8日(祝)14:00〜16:00
●場所:産業交流プラザ 第2研修室(芸術劇場3F 汐入駅1分)
●対象:横須賀市民(お子様連れなども歓迎です)
●申込:不要(でも、できればご連絡くださいm(_ _)m)
●主催:市議有志
    ・小室たかえ080-9152-3158
    ・橋英昭070-2209-3301
    ・小林伸行070-6640-3927
 2016年6月の市議会に、「子どもが自由に遊べる場所をつくってください」という内容の陳情が提出されました。市内の公園には、さまざまなルールがあって、子どもがのびのびと遊べなくなってしまっているのかもしれません。
 そして、公園を利用するのは子どもだけではありません。横須賀市は一人あたり公園面積で県内第2位を誇っていますが、そんな実感はあるでしょうか? 税金を使って整備し維持している公園の恩恵を感じているでしょうか?
 そこで、既にある公園の使い方を見直して、もっとくらしが楽しくなる仕掛けはできないか? 一緒に考える場を持つことにしました。
 まず、神戸市の“ピザ釜公園”や、大阪市の“儲かる公園”などの事例をご紹介します。また、横浜F・マリノス練習場の移転に伴い廃止される、市民ワークショップで作られたくりはまみんなの公園の経過も振り返ります。そして、「こんなふうに使い方を見直したら、公園は楽しい場所になるんじゃないか?」というアイディアを、みんなで出し合います。
 何も準備は要りませんので、お買い物のついでに気軽にいらっしゃって下さい。
posted by 小林のぶゆき at 16:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

くりはまみんなの公園と横浜F・マリノスをめぐる誤解について

minnnanokouenn2.jpg 横須賀市役所は、くりはまみんなの公園を廃止し、横浜F・マリノス練習場を誘致する方針だ。
 「JR久里浜駅周辺 マリノス軸に整備案示す 市が公表、住民から意見聴取も」タウンニュース横須賀版2018/7/13号

 私たちの会派は、みんなの公園および隣接地にうわまち病院を移転させることを提案してきたものの、病院用地は他にもあるということもあって、この練習場誘致には賛成してきた。


 だたし、くりはまみんなの公園を廃止した後の措置も考えなければいけない。
 理由は2つある。

 第一に、国の補助金の問題だ。この公園は国の補助金を受けて2012年4月に開園した。補助金適正化法という法律の縛りで、10年以内に他の用途に転用する場合は補助金を返さなければいけない。
 第二に、利用者の問題だ。この公園は、農園部分を除けば稼働率が極めて低い。とはいえ、利用者はいるわけで、何かしらの手立てを考えることも必要だ。

 この件について市は、JR久里浜駅の北東側の国有地を、無償もしくは有償で取得して、そこに代替の公園を整備する方針を示している。7月に説明会があり、私も参加したが、そう説明された。この方法であれば、くりはまみんなの公園が廃止されても、代わりに別な公園が整備されるのであれば、国から補助金の返還を求められない見込みが強いそうだ。また、利用者への代替措置にもなる。


 ところで、この7月の説明会のときに、私は「代替の公園は近隣でなくてはならない」と説明を受けた。そして、「近隣」との条件は国が縛りをかけているものだとばかり思っていた。
 その後、他の参加者の方から次の点を確認したいと言われ、政策推進課に確認をした。
(1)「近隣」というのは、どこまでの範囲か?
(2)代替公園は、大矢部弾庫跡のほうがいいのではないか?
 この確認をする過程で、大きな誤解があったことがわかった。それは、「国は代替公園の場所を近隣に限定していない」ということだ。おそらく、議員も含め市の説明を受けた多くの方が誤解していたのではないか?
 国としては、代わりの機能が市内のどこか一ヵ所もしくは複数箇所に継ぎ目なく整備されるのであれば、補助金を返せとは言わないのが通例らしい。では、なぜ市役所は「近隣でなくてはならない」と説明したのか? それは、現在の利用者への市役所側の配慮でしかないそうだ。
 つまり、くりはまみんなの公園の代替公園をつくるとしても、JR久里浜駅北東側国有地である必然性はない、ということになる。

 一方、大矢部弾庫跡を代替公園とするアイディアはどうだろう? 確かに、大矢部弾庫跡は広さもある。変形地であることと交通利便性の低さから高度利用は望めない。がけ地も抱えており、開発するのも大変だ。くりはまみんなの公園以上に自然を残した公園として活用できる。一理ある。
 ただし問題は、現在、大矢部弾庫跡は国有地であり、市が利用するめどは立っていないことだ。つまり、くりはまみんなの公園の代替公園とするには、時期的な継ぎ目が出てしまう。そうなると補助金の返還が必要となる。


 今回の確認を受けて、私の方針はこうだ。
 市の提案通り、JR久里浜駅北東側国有地を代替公園とする。そうすれば、補助金を返す必要もなくなる。また、元々は軍用地であるため、軍転法に則れば公園は無償もしくは割安で入手できる。
 ただし、10年経てば転用も可能だという話を以前聞いたことがある。JR久里浜駅に隣接する好立地を公園にしておくのも勿体ない話だ。そして、公園整備から10年後には、JR久里浜駅前の再開発計画も見えてくるはずだ。その際には、大矢部弾庫跡等に代替公園を再移転させてもよい。

 以上、市民のみなさんの誤解の解消と相談者への回答のために記した。
posted by 小林のぶゆき at 12:08| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月01日

いよいよ本日10/1。うわまちは?市民病院は?地域医療シンポジウム

IsekiLecture20181001.png 市が移転方針を打ち出した、うわまち病院の去就についてはメディアでも取り上げられ、注目が集まっています。
 廃止か? 統合か? 移転か? 現地建替えか? その最終判断は、私たち市議を通して市民の手に委ねられています。みなさんはどうすればいいと思いますか?

 その判断材料にするために、議員有志10名で政務活動費を出し合って、当代随一の研究者に横須賀市の現状を調査して頂くことに成功しました。今回は、その調査結果のお披露目となります。
 高度救急病院をどうするか? それは、市民の誰もがお世話になる可能性のある大事な問題です。ぜひお越し下さい!
 →チラシはコチラ(PDF)

 ちなみに、実は伊関先生は私たち地方議員向けの研修会講師も務めているのですが、普通なら一回15,000円かかる人気講師です。それが、今回は無料で聞けるチャンスなんです。しかも、完全に横須賀市のために特化した内容。それもこれも、みなさんから頂いた税金・政務活動費で実現したものです。なので、元を取るためにも、ぜひどうぞ。
【どうする?うわまち病院&市民病院】
伊関友伸教授 講演会&意見交換会

●日時:10/1(月)18:30~20:30(開場18:15)
●場所:ヨコスカベイサイドポケット
●申込:不要(参加費無料。どなたでも歓迎です)
●主催:よこすかの医療の未来を考える会

地域医療のあり方を考えたとき、市立 2 病院はどうあるべきか。病院経営問題のプロの目から、横須賀市が進むべき方向性を探ります。
当日は伊関教授からのご講演の他、市の状況説明や会場からの質疑応答も行います。

●講師略歴:伊関 友伸(いせき ともとし)氏
1961年東京都生まれ。東京大学大学院修士課程修了。埼玉県庁職員を経て、現在は城西大学経営学部教授として行政マネジメントを教える。2006年8月〜2007年3月、北海道夕張市の医療再生アドバイザーとして夕張医療センター設立に携わった他、兵庫県丹波市の「県立柏原病院の小児科を守る会」の活動支援など、地域医療・自治体病院の経営の問題について実践的研究を続ける。
posted by 小林のぶゆき at 12:06| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月14日

9/14&9/16、来年度予算に市民の声を

KenseiMiraiKaigi201809.png いよいよ今日と明後日に開催されます。みなさんの声を、カタチにするための企画「市民と議員のよこすか未来会議」。
 既に、参加者の声から生まれた政策が、カタチになりつつあるものもあります。手前ミソですが、参加者からはとっても評判いいです。
 政治は、誰かのものじゃなく、あなたのもの。ぜひ来て、実感してください。

 にぎやかなお子様連れでも誰でも歓迎です。また、9/16には手話通訳が入る予定です。

 →詳細はチラシを(PDF)

第7回 市民と議員のよこすか未来会議
〜市の来年度予算に、市民の声を。〜

【1回目】
●日時:2018年9月14日(金)18:30〜20:30
●場所:はまゆう会館 第1談話室

【2回目】
●日時:2018年9月16日(日)14:00〜16:00
●場所:産業交流プラザ 交流サロン

 市の予算編成の前に、議会の各会派は予算要望をしています。
 研政では、各議員が普段から拾い集めた市民の声に加え、この「よこすか未来会議」での声をもとに会派内で議論を重ね、要望にとどまらない「政策提言」を作り上げています。
 2019年度予算に、どんな政策を盛り込めば、みんなのくらしが良くなるのか?
 前回同様、5つのテーブルに分かれたカフェ形式でじっくりご意見を伺いたいと考えています。2019年度予算が、くらしに密着した予算となるよう、どうぞ足をお運び頂き、一緒に横須賀市の未来を考えていきましょう。
●主催:横須賀市議会会派 研政
●対象:どなたでも歓迎
●申込:不要
●問合せ:橋英昭議員 070-2209-3301
posted by 小林のぶゆき at 11:53| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月18日

まちづくりに高校生の声を 〜可児市議会の地域課題懇談会に行ってきた〜

IMG_4401.JPG 8/4(土)に、日帰り弾丸視察で岐阜県可児市を訪れた。先日の会派視察で訪れた可児市議会(→過去記事参照)の高校生を対象とした「地域課題懇談会」を目撃するためだ。

 「2カ月前に、わざわざ議長さんにまで対応してもらって話を聞いたんだよね? 概要がわかればそれで十分なんじゃないの? ホントのところは政務活動費という税金を使って、道楽とか旅行がしたいんじゃないの?」と言われるかもしれない。しかし「百聞は一見に如かず」だ。
 なにより、私は2018年度の「広報広聴会議」の委員を務めている。議会報告会や懇談会などの市民意見聴取の場をどうつくるか。まさにそれを考える立場だ。しかも、なんとなれば我が会派は可児市議会流の「地域課題懇談会」を横須賀市議会にも導入したいと考えている。そのためにも、具体的な運営がどうなっているかを見ておく必要がある、と考えた。より率直に言えば、私自身がどうしても見ておきたかった。

 「地域課題懇談会」は、子育てママや医師会、金融協会、商工会議所など様々な対象別に行っている。そのうち、高校生も対象としたものが最も多く、これまで介護、子育て支援、防災、地域医療、税と行政など、テーマを絞って実施してきた。今回は、「若い世代が主役のまちづくり」という、やや幅広いテーマだった。

 誤解を恐れずに全体の感想を言えば、「ああ、これなら横須賀市議会でもできるな」だった。「この分野の取り組みでは日本一の可児市議会といえども、全く手が届かないものでもないな」という感想を持てたのは、実際に見て良かった収穫だと思う。

 以下、細かく、まねるべき点と改善すべき点を挙げておきたい。

【まねるべき点】
IMG_4403.JPG
●グラフィック・レコーディングを取り入れていた。
 議論を同時進行的に記録することで、共有しやすい。質も高く、なおかつ、記録者は可児高校の卒業生だった。後日、これらは市役所に展示もされるという。牧之原市の先進的取り組みをしっかりと模倣していたところに可児市議会の強さを感じた。

IMG_4404.JPG●グループ・ディスカッションを取り入れていた。
 会場全体での議論と、グループ別の議論には、それぞれ向き不向きがある。聞き役が多ければ、グループ別のほうが参加者がより多くしゃべることができる。全体共有が目的ではないのだから、グループ別のほうが向いている。

IMG_4391.JPG●メンター的先輩がいた。
 過去のプログラムを受けた大学生など卒業生が何人か参加していた。また、1年生のときに受けた2年生や3年生も自発的に参加していた。とりわけ、高校1年生で参加した人が、立命館大学2回生になって、発表をしに来ていたが、内容も素晴らしく、参加者のいい見本となったのではないか。ちなみに、我が議会が高校生を対象に昨年度実施した議会報告会では、関東学院大学の学生に加わってもらったところ、進行役を務めるなどして議論を活性化し、大いに助かった。必ずしも卒業生でなくとも、高校生にとっての「ややナナメ上」の存在は有効だと思った。

●意識と情報を共有してから議論に臨んだ。
 民主制の基本として、判断の前には、判断する人に同じだけの十分な情報がきちんと与えられていることが大事だ。その点では、可児市議会ではパネルディスカッションをして行った。その後の高校生の議論を誘導してしまう面もあるので、慣れていない我が市の場合は内容を調整しにくいパネルディスカッションではなく、講演や卓話のほうがいいかもしれない。

●地域の多様な主体が参加していた。
 高校生の声を掬い上げる場ではあるが、高校生以外の方も参加していた。地域の経営者やNPOの方々が加わることで高校生が触発される面もあるだろう。また、キャリア教育も兼ねていたようで、普段接することのない「ナナメ上」の大人と触れ合うことも良い機会だろう。

【改善すべき点】
●議員に進行役(ファシリテーター)は向かない。
 これが最大の収穫だと見た。議員は会議のプロのはずだが、実際にはそうではないことが多い。やるなら、徹底的に研修すべきだし、初期段階ではプロのファシリテーターの仕事ぶりを見ることが絶対に必要だ。しかし、そこにエネルギーを割くぐらいなら、議員にファシリテーションさせるのを最初から諦めてプロに依頼し、議員は聞き役に徹したほうがよっぽど生産的だろう。それこそが、議員の持ち味だからだ。

●そもそも何のためだったのかを共有できていない。
 キャリア教育を兼ねていることもあってか、高校生の声を十分に引き出すことができていない班がいくつも見られた。子ども扱いしてしまうのだ。しかし、何のために実施していることなのか? とりわけ、教師が参加したことは逆効果かもしれない。地域の大人という「ナナメ上」は利害関係がないが、「真上」の教師は生徒を萎縮させ、「正しい」ことを言わなきゃいけないという圧力となる。その点、親が参加していたらどうか、という話と同じだ。教師や議員などが「上から目線」で接している限り、本音の声は出てこないのではないか。

●テーマが漠然としていた。
 「若い世代が主役のまちづくり」がテーマ。だが、「その実現に向けて、若い世代が活躍できる場として学校、地域、行政ができること、そのために必要な若い世代と大人の交流とは、また、若い世代がやりたいこと、住みたいまち、魅力あるまちとは、などについて意見交換」と続き、イメージしやすいようにと思った設定が、かえって焦点を合わせにくくしたのではないか。むしろ、「市の課題は人口の維持です。みなさんのような若者は、どうやったら可児市に残ってくれますか?」と聞いたほうがスッキリするのかもしれないと思った。

●大人の姿勢がバラバラ。
 「若い人が地域に残らないと、まちが衰退していく」という切実さを持って、参加している人がどれだけいただろうか。高校生が発表している間に居眠りしている議員もいた。主権者教育的に上から目線で接している議員もいた。そうじゃない。有権者ではなくとも主権者であり、その声をどう経営に活かすかが議員の仕事のはずだ。川上議長だけが必死になっても、主催者である議会の姿勢が問われる。その空気は、議員以外の大人も引きずってしまったのではないか。

●議論の時間が短すぎる。
 前段に多くの時間を割いたものの、グループ討議の場は30分だった。しかし、主権者教育やキャリア教育が主なのではなく、課題解決の場なのであれば、我が市ではグループ討議に少なくとも60分割いたほうがいいと感じた。

●KJ法は使わないほうがいい。
 道具に振り回されていた。フセンや模造紙を使いこなせていなかった。KJ法は、強力な手法だが、効果を発揮するのは参加者が慣れているか、柔軟な人たちか、じゃないかと最近感じている。最初にフセンに書き込む時間を設けるのは、特定の人の発言にグループが引っ張られないためだ。また、議論を整理しやすいように、フセンを模造紙の上で分類したりするのだ。その辺を理解すれば、発言をいちいちフセンに書かせることはしない。周りの大人がフセンに書いて、参加者を議論に集中させることができる。我が市では、議員が聞き役とフセン書き役をやるのがいいだろう。

●アイスブレイクがない。
 空気が固かった。そうでなくても、相手は高校生だ。大人に囲まれて緊張している。緊張の氷を割る、余興的な仕掛けを用意した方が良かった。

●ジュースとお菓子を置いておいたほうがいい。
 アイスブレイクとも関連するが、場の雰囲気づくりは大事だ。青森中央学院大の佐藤淳先生の言うように、テーブルにはカフェ風のテーブルクロスを敷き、お菓子を用意するだけで、場はグッと和やかになる。まして、相手は高校生だ。お茶よりジュースが飲みたい子が多いだろう。


 以上、少し辛辣に聞こえた部分も多かったかもしれないが、それでも可児市議会は最先端だ。そして、逆に可児市議会といえども改善点がまだまだある。
 我が市でどうするか? 真剣に見てきた結果だと受け止めて頂けると幸いだ。
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2018年07月24日

【緊急提言】市立中での救急搬送事件を受け、学校の熱中症対策を!

wbgt_lp_3.png 先週、市内のある市立中学校で、全校集会中の体育館の中で6名の生徒が倒れ、救急搬送される事件があった。原因は、熱中症だった。

 6名中1名は、身体が震えるほどの重篤な状態だったという。学校の見立てでは、本来なら救急搬送が必要な生徒は2名で、残りの4名は保健室でも対応できる症状だったが、念のために6名全員を救急搬送したという。医療資源の適切な利用、という問題もあるものの、生徒の無事を願って大事をとったのは良かったのではないか。

 しかし、良かったのは事後対応だけだ。熱中症を起こさせないための予防対策は適切だったのか?
 本市では、6月にも他校で熱中症による救急搬送があったという。そうであれば、もっと抜本的な対策を全校でとっておくべきではなかったのか?

 生徒を私立学校に通わせている知人の保護者から教えて頂いたのだが、その私立学校では暑さ指数(WBGT)が31度を超えると、部活動や屋外での活動を禁じているという。
 →環境省「暑さ指数(WBGT)とは?」
 この暑さ指数(WBGT)とは、熱中症予防のために1954年より用いられているモノサシだ。気温だけでなく、湿度や輻射熱なども測って、熱中症の起こりやすさの判断基準としている。これは、国際規格としてISO化もされており、国をはじめ多くの団体が採用している。つまり、歴史もあり、実績もあり、十分信頼するに足る基準だと言える。そして、下記の表のように、具体的な行動の指針まで示されている。
WBGT.png

 ところが本市では、WBGTを採用していない。「WBGTなども参考に……」といった通知文を各学校に送ってはいるらしいが、「WBGTが○○度を超えたら、部活や式典などを中止・延期する」といった明確な規制を行っていない。そして、対応を学校任せにした挙句、2度目の、しかも大量の救急搬送を招いてしまったわけだ。
 これを受けて私は、本市の教育委員会・保健体育課長に緊急申し入れをした。「すぐにWBGTを基に、部活動・屋外活動・式典などを止める基準を設けて指示せよ」と。しかし、保健体育課長からは前向きな回答を得られなかった。

 「部活動の体育大会などもあり、本市だけ別の基準では大会に出られなくなるなどの問題もあるので、国や県など統一的な基準が示されるのが望ましいのではないか」「各学校には通知も出しており、基本的には学校長が学校の状況に合わせて適切に判断する」「WBGTなどの基準を用いるのがいいのか、検討しなければならない」「測定器がある学校もない学校もあり、精度もまちまち」などと考えているのかもしれないが、一言で言おう。

 甘い。

 ことは、命の問題だ。生徒の将来がかかっている。
 大会は、大会主催者の判断に任せたっていい。一時的に行われる大会よりも、日常的に行われる部活などのリスクのほうが高い。レアケースは別枠にしていい。国や県の動きを待たずに、暫定的でいいから本市の基準を定めるべきだ。
 また、学校任せにされても、学校も困る。学校現場は目の前のことで忙しい。熱中症対策にどんな基準があるのか、それが妥当なのか、検討している時間的・気持ち的な余裕などない。科学的で客観的な見地から、基準を定めて教育委員会が各学校に指示してくれたほうが、正直ラクなはずだ。
 加えて、歴史も信頼もあるWBGTを疑うほど、横須賀市に知見があるのか? どれだけ傲慢なのか、と言いたい。
 しかも、測定器は100%の精度のものなどない。モノサシは、完璧じゃなくていい。あくまで判断の目安に過ぎない。測定器がない学校や精度が悪いものしかない学校は、隣の学校の情報を元にしても一向に差し支えないだろう。

   *   *   *
 市民のみなさんは、どう思いますか? 実際に、この夏に市内の学校で救急搬送が起こっています。そして、横須賀市の教育委員会は、どうしようもなく鈍感です。組体操事故が起こっても、3段タワーや5段ピラミッドなどを禁止しなかった保健体育課です。指示待ち体質なので、県が動かない限り、市内全校に統一基準を指示することは期待できないと思います。
 だから、自分の子どもを熱中症から守りたければ、今すぐ学校に対応要求をしてみてはいかがでしょうか。
posted by 小林のぶゆき at 11:21| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月28日

【会派視察報告:後編】うわまち病院跡地をどうするか?〜東海市〜

IMG_4242.JPG 視察報告の続きです。

第三日 5/24(木)

 会派視察3日目、視察項目5つ目は、東海市だ。病院の跡地利用についてお話を伺った。

 東海市は、合併前は「横須賀町」という名前だった。なんとなく縁を感じる。
 とはいえ、置かれている状況は、全く対照的だ。東海市は、企業が多く立地して市の財政も豊かなので、国からの仕送りである地方交付税の不交付団体だ。名古屋のベッドタウンとして人口もまだまだ増えており、公共投資も民間投資も含めまちづくりの開発が続き、いまなお伸び盛りだ。加えて、東洋経済新報社が毎年発表している「住みよさランキング」2018でも20位に位置している
 ちなみに、衰退基調の横須賀市は「住みよさランキング」2017で716位/814市区(県内15位/19位)。そこまで低いとは思わなかったが、それが実力なのだろう。なお、県内16位・秦野市、17位・綾瀬市、18位・座間市、最下位19位・三浦市らしい。

 さて、そんな東海市だが、今回、病院跡地の活用について学ぶために伺った。
 横須賀市では、うわまち病院の建て替えが控えている。そして、うわまち病院を現在の場所で建て替えるのは、2つの面で「あり得ない」。そう我々の会派では考えている。

 第一に、うわまち病院の機能を止めるわけにいかないということだ。そして、病院を運営しながら同じ場所で建て替えもする、というのは難事業だ。
 この問題は、市が諮問した市立病院運営委員会の「うわまち病院建替え検討の答申書」の中でも指摘されている。

 第二に、これが最大の理由だが、現在のうわまち病院は場所が悪すぎる。
 まず、導線が狭く駅から遠いなど、純粋に立地面で悪条件だ。
 加えて、何よりも横須賀共済病院にあまりにも近すぎる。私は最近まで、民営の共済病院と市立のうわまち病院が競合していると考えていた。しかし、全国有数の優良病院として医療業界内で知られる共済病院とは競合ではなく、うわまち病院が圧倒されていたことを最近知った。うわまち病院は、国が手放した経営状態の悪い病院を市が譲り受け、本市の職員と指定管理者の地域医療振興協会が必死に立て直したという経緯がある。そして、経営努力が優れていたので、本来の実力以上に善戦し、共済病院に次ぐ三浦半島の基幹病院として再生した。ところが、このあおりを受けて、南西側をカバーする市立の市民病院の経営が悪化している構図がある。

 横須賀市全体や三浦半島の医療体制を考えたとき、惰性でこの現状を招いた市長と議会の経営責任は問われていい。そして、あるべき姿へ舵を切るべきだ。
 我が会派の考えるあるべき姿はこうだ。市の東側の急性期は、あらゆる医療資源の揃った共済病院に完全に任せる。そして、中途半端な市立2病院を整理し、南西部をカバーする急性期の大型総合病院をつくる。場所は、市民病院への集約もしくは久里浜駅周辺か衣笠IC近くへの新設がいいだろう。その上で、市民病院の転換もしくは新設あるいは民間連携により、亜急性期や回復期の充実を図る。こういう将来像だ。

 いずれにしても、先に挙げた2つの理由からも、あるべき姿から考えても、うわまち病院を現在の場所で建て替える選択肢は考えられない。

 そうなると、うわまち病院の跡地利用を想定しておかなければならない。どうすればいいか?
 前置きが長くなったが、その参考とするために東海市に伺った。
IMG_4241.JPG

 東海市では、市立だった東海市民病院の跡地を、ホテルとスポーツジムと温浴施設として活用する予定だ。

 経緯はこうだ。
 うわまち病院跡地は市の土地だが、東海市民病院跡地は民間の土地だった。しかし、市役所の北側に位置し、市立中央図書館とも隣接するなど、市の中心部とも言える立地であることから、東海市は市の政策目的に沿って使いたいと考えた。そこで、民間から土地を買い取ることとした。なかなか珍しいケースであり、議会からも懸念の声はあったようだが、了解が得られた。

 市の政策目的とは何だったのか?
 第一に、東海市では、いわゆる観光地ではないが、旺盛な企業活動によるビジネストリップや中部国際空港と名古屋の真ん中に位置する立地から、ホテルの増強が必要と見込まれていた。
 第二に、スポーツクラブが不足しており、市民の健康寿命を保つためにもスポーツクラブを誘致したかった。

 これらを達成するために、東海市は民間活力に頼ることにした。事業分野や昨今の潮流から考えれば当然かもしれない。宿泊施設と健康増進施設に条件を絞ったうえでの定期借地権を設定。各種、補助制度なども整え、事業者を募集したところ、応募があり、計画が決まった。

 結論から言えば、「うわまち病院を現地建て替えしない」と最終決定したわけでもなければ、「跡地はこう使うのが望ましい」という方針を立てられているわけでもない現状では、東海市の事例がすぐさま本市に活かせるわけではない。とはいえ、やはり市の財産は単に「なるべく高く、どんどん売っちゃえ」というものではなく、市の政策目的に沿って使うべきだし、その際には条件付きの定期借地権や補助制度などの政策誘導手法が使えることも学べた。
 市民から見れば、直接役立たない視察は道楽に見えるかもしれないが、我々の会派は本気で市の今後の経営を考えているし、今回の一連の視察の内容と密度は、道楽じゃとてもできないと感じて頂けるのではないかと思う。

 以上で視察報告を終えたい。
posted by 小林のぶゆき at 13:37| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする